【金曜ロードショー放送】「アルマゲドン」ツッコミどころも楽しい! 映画史に残る強烈キャラなど見どころ紹介
2023年3月17日 06:00
「金曜リクエストロードショー」第6弾として放送される本作は、ジェリー・ブラッカイマー製作、マイケル・ベイ監督による、人類滅亡の危機に立ち向かう人々を描いた物語。映像的なリアリティを追求するため、NASA(アメリカ航空宇宙局)の強力なバックアップで、撮影が行われた。1998年に全世界でNo.1ヒット(Box Office Mojo調べ)を記録し、日本でも興行収入83億5000万円で年間1位を獲得。「エアロスミス」による主題歌「ミス・ア・シング(I Don't Want to Miss a Thing)」は、4週連続で全米No.1ヒット(「Billboard Hot100」)となり、現在でも感動シーンの定番BGMとして定着するほど、世界中の人々に愛され続けている。
米テキサスと同じ大きさの巨大アステロイド(小惑星)が、時速3万5000キロのスピードで地球に接近していた。衝突すれば、地球は確実に全滅する。人類が生き残る方法はただひとつ――小惑星の地下深くで核爆発を起こし、その軌道を変えること。このミッション遂行のため選ばれたのは、6人の宇宙飛行士と、8人の石油採掘のプロフェッショナルだった。残された時間はあとわずか。終焉へのカウントダウンのなか、彼らは全人類の希望を背負い、宇宙へと旅立つ。
ハリー・スタンパー:ブルース・ウィリス(内田直哉)
ダン・トルーマン:ビリー・ボブ・ソーントン(岩崎ひろし)
グレース・スタンパー:リブ・タイラー(小林沙苗)
A・J・フロスト:ベン・アフレック(楠大典)
チック・チャップル:ウィル・パットン(立木文彦)
レヴ・アンドロボフ:ピーター・ストーメア(斎藤志郎)
キムジー将軍:キース・デビッド(江原正士)
ロックハウンド:スティーブ・ブシェーミ(我修院達也)
放送を記念し、「映画大好き芸人」として知られるこがけんが、本作の見どころを語っている。
映画大好き芸人こがけんです。今夜9時放送の「アルマゲドン」! 80年代から90年代にかけて脈々と続いていた景気の良い娯楽大作映画、この流れを象徴するような作品です。
本作は、地球に衝突する可能性がある小惑星を破壊するため人類が宇宙へと向かうSF大作ですが、驚くべき点は、その高度なミッションを、宇宙に関しては全くの素人である石油掘削作業員に託すというところですね。
その荒唐無稽ともとれるぶっとんだ発想、観客を最後まで夢中にさせてくれるハラハラドキドキな展開、まさに王道娯楽映画作品と言うにふさわしい作品です。
特に注目してほしいのが、全編にちりばめられたダイナミックな爆破シーンの数々です。
これがもうとんでもない迫力で、今見ても全く色褪せません。それもそのはず、CG処理は使用しても、爆破自体はリアルな火薬を使っているからなんです。とくに中盤のパリの爆破シーンはホントに圧巻で、実は、1秒に5000回もの爆発を起こして撮ったものなんですね。
さらに、ど迫力のスペースシャトルの打ち上げシーンがありますが、このシーン、NASAの協力を得て本物のブースターを使っているんです。オーマイガー……。これぞハリウッド映画という感じですね。
本作の、監督のマイケル・ベイという人は“破壊王”という異名があって、とにかく“爆破”が好きな監督です。同じく監督した「トランスフォーマー」という作品でも、全編にCGを使用しているにも関わらず、爆破シーンはリアルな火薬を使うというこだわり様なんですね。さらに! 本作の製作に入っているジェリー・ブラッカイマーという人がいます。「トップガン」や「バッドボーイズ」「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどの大作をヒットさせたプロデューサーなんですが、彼は「映画は極上の娯楽である」というポリシーのもと、とにかく火薬多めの爆破シーンや派手に建物などが破壊されるシーンを多用する人。
このふたりが手を組んで、中途半端な爆破シーンなんてあるわけがないんです! リアル火薬の迫力を楽しんでくださいね。
数々の名シーンのなかでおすすめしたいのが、ミッション遂行における水面下の攻防を描いたシーンです。
NASAの司令部には、現場でミッションを遂行する石油掘削作業員のハリー達に信頼を寄せる指揮官のトルーマンという男がいるんです。
思い通りにミッションが進まないなかで、司令部から現場には非情な決断がくだされます。それでもハリーたちがベストを尽くせるように、このトルーマンはなんとか時間稼ぎをしようと司令部側で見えない攻防を重ねるんですね。決して現場だけが戦っているわけではないとわかる、胸が熱くなるシーンですね。
では、現場はどうでしょう? 現場は、NASAの宇宙飛行士のチームと、ハリーをリーダーとする石油掘削作業員チームの組み合わせで構成されているんです。地球を救うという意味では同じ目的を共有する仲間ですが、宇宙飛行士のなかには、素人である作業員を連れていくことに疑問を持つ者もいます。極限の状態で判断が迫られるなか、現場のチーム内でも衝突があります。本作にはそれぞれのいろいろな戦いがあるんですね。
「アルマゲドン」は“泣ける感動巨編”として多くの方に愛されてきた作品ですが、一方で、実はツッコミどころが楽しい作品でもあるんです。
たとえば序盤、主人公のブルース・ウィリス演じるハリーは自分の娘に手を出した部下A.J.に散弾銃を向けます。おどしのためかと思いきや、実際に撃っちゃう(笑)。
撃ちながら追いかけるんですね。しかも、その場所というのは、まさかの海上の石油採掘場ですよ! もし石油に引火したら大爆発ですよ!?
その後、ハリーは掘削作業中に無茶な作業をした部下に「もし、ひとつ間違ったら死人がでるとこだった!」と注意するシーンがあるんです。誰が言ってるんだ、って話ですよね(笑)。
そんな彼らが、地球の存続のかかる超重要ミッションに参加するんですよ!?
ワイワイ楽しみながら見る、まさに超豪華なポップコーンムービーなんですね!
ちなみに、宇宙が描かれるSF映画で、娯楽寄りのエンタメ映画かどうかを判断するひとつの基準があります。それは宇宙で音が聞こえるかどうか、なんですね。
実際に宇宙では空気がなくて振動が起こらないので音は聞こえません。ところが、全てとは言いませんが、エンタメ映画では音が聞こえる作品が結構多いですね。
「アルマゲドン」の場合はどうでしょう……? みなさん、意識して見てみてくださいね。
映画の後半、ミッション達成のために2機のスペースシャトルを飛ばすことになりますが、それは、最悪片方だけでも辿り着けばいいという、保険のためなんですね……。片方にはハリーがリーダーのチーム、そしてもう片方にはハリーの娘と付き合っているA.J.がリーダーのチームが乗っています。なんだか嫌な予感がするシチュエーションではありますが、果たしてどちらも目的地に辿り着けるのでしょうか。ハラハラですね!
さらに、終盤は、何かにつけて爆発が起こったり、爆発が起こったり、爆発が起こったりします(笑)。
とにかく爆発が起こるんです。何がどうなって爆発が起こったのかわからないようなシチュエーションも出てきますが、それこそがジェリー・ブラッカイマーの持ち味なんです。
理由はともかく、爆発したり、飛んでくるものや落下するものを避けたりで、迫力ある映像と音でハラハラを持続させる、これがブラッカイマー節なんです。
本作には、僕が映画史に残るほどのヤバさを感じる、かなりアクの強いキャラクターが出てきます。それはスティーブ・ブシェーミ演じるハリーの部下、ロックハウンドという男です。
もうホントにぶっ飛んだキャラクターで、作品の頭から終わりまでずっとぶっ飛んだことしか言いません。ある意味、何が起こってもスタンスが変わらないという意味で一番安定してるかもしれません。つまり、安定したヤバいヤツなんです(笑)。
仲間の死に直面したハリーが取り乱してその人の名前を叫んでいる横で、冷静に「あばよ、達者でなー。」って言うような男です。でも、なんだか憎めないから不思議です。途中から仲間内で彼がどういう扱いになるのかも必見です。正直、振り返ってみると、作業という作業はしてなかった気がします。必見です! 「アルマゲドン」今夜9時です!
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