ポール・シュレイダー監督&脚本、スコセッシ製作総指揮の傑作スリラー「カード・カウンター」6月16日公開
2023年2月16日 10:00
「タクシードライバー」(76)、「レイジング・ブル」(80)など、数々の傑作で知られるポール・シュレイダーが監督・脚本を手掛け、盟友マーティン・スコセッシが製作総指揮を務めた最新作「THE CARD COUNTER(原題)」が「カード・カウンター」の邦題で6月16日公開される。
元上等兵のウィリアム・ティリッチは特殊作戦兵士として自らがアブグレイブ捕虜収容所で犯した罪に苦しみ、刑務所で服役した後、ギャンブラーとして出直そうとしている。しかし、彼は今も過去に犯した行為に心が苛まれている。孤立と絶望を断ち切った彼の唯一の解決策は自らの過去に向き合うことだった。
主人公ウィリアム・ティリッチに「DUNE デューン 砂の惑星」(21)、「ムーンナイト」(22)のオスカー・アイザック。ギャンブル・ブローカーのラ・リンダに人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」で、アフリカ系アメリカ人として初めてホストを務めたティファニー・ハディッシュ。ウィリアムと疑似父子のような関係を結ぶ若者カークを「X-MEN:アポカリプス」(16)、「レディ・プレイヤー1」(18)のタイ・シェリダン。さらに物語の鍵となるウィリアムの元上司ジョン・ゴードを名優ウィレム・デフォーが演じる。
「タクシードライバー」でロバート・デ・ニーロが演じたトラヴィスや、イーサン・ホークが怒れる神父を演じアカデミー賞ノミネートなど国内外から高い評価を得た前作「魂のゆくえ」(17)と同様に、本作でも怒りと罪の意識に苛まれる孤独な男の魂が描かれる。しかしながら、前作と比べてエンタメ性は格段にアップ。スコセッシの名作「カジノ」(95)を想起させる退廃的ながら魅惑的なカジノのプロダクションデザインの中で、徐々に追い詰められ復讐へと駆り立てられる主人公を、オスカー・アイザックがミステリアスな雰囲気と色気たっぷりに演じ、復讐と贖罪の傑作スリラーに仕上がっている。
本作は2021年末に、多くの批評家のベストリストにも選出され、タイム誌はアイザックの演技をその年のトップ10に挙げており、そのほか、ニューヨーカー誌、インディワイヤー誌、カイエデュシネマ誌もベストリストにこの作品をセレクトした。また、映画好きで知られるオバマ元米大統領も「ドライブ・マイ・カー」などと並べて同年のお気に入り14本として紹介している。
6月16日からヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国順次公開。