アン・ハサウェイ、アンソニー・ホプキンス共演 ジェームズ・グレイ監督の自伝的物語「アルマゲドン・タイム」5月12日公開
2023年1月31日 12:00
アン・ハサウェイ、アンソニー・ホプキンス、ジェレミー・ストロングが共演し、第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されたジェームズ・グレイ監督の最新作「Armageddon Time」が、「アルマゲドン・タイム ある日々の肖像」の邦題で5月12日よりTOHOシネマズシャンテほかで全国公開されることが決定した。あわせて場面写真3点が披露された。
本作は、グレイ監督の実体験を元にした自伝的物語。グレイ監督は、故郷ニューヨークを舞台にした5本の映画(「リトル・オデッサ」「裏切り者」「アンダーカヴァー」「トゥー・ラバーズ」「エヴァの告白」)を経て、「ロスト・シティZ 失われた黄金都市」「アド・アストラ」で新たなジャンルに挑戦。社会派からSFまで精力的に新作を世に送り出し続けるグレイ監督だが、製作・監督・脚本を務めた今作では、ニューヨークに加えて、彼が実際に育ったクイーンズ区の2世帯住宅を思わせる長屋を舞台に、痛烈で鮮烈なエモーショナル・ドラマを描き出す。
1980年、ニューヨーク。白人の中流家庭に生まれ育ち、公立学校に通う12歳のポール(バンクス・レペタ)。PTA会長を務める教育熱心な母エスター(アン・ハサウェイ)、働き者でユーモラスな父アーヴィング(ジェレミー・ストロング)、私立学校に通う優秀な兄テッド(ライアン・セル)と不自由なく過ごしていたが、近ごろは家族に対して苛立ちと居心地の悪さを感じていた。そんなポールにとって、祖父アーロン(アンソニー・ホプキンス)はただ一人の心を許せる良き理解者だった。
想像力が豊かで芸術に興味を持つポールにとって、規律を重んじる学校生活は窮屈そのもの。周囲との集団生活にうまく馴染めずにいたポールだが、クラス一の問題児・黒人のジョニー(ジェイリン・ウェッブ)だけは唯一打ち解けられる友人だった。しかし、ある日、ポールとジョニーの些細な悪さが、2人の行く末を大きく分けることになる。
本作は、差別と格差が根付く80年代のニューヨークを舞台に、多感で繊細な12歳の少年が培っていく友情、微妙な変化を迎える家族との関係を通して、時代を取り巻く理不尽や不公平を浮き彫りにする。生きづらさのなかに滲む「理解と愛」に寄り添い、同時に自分の「無力さ」を噛みしめ、世の中に折り合いをつけながら日々を営む人々の姿を、変わらぬ愛と変わりゆく自分を通して見つめていく。
グレイ監督は、「ジャングルの映画も宇宙の映画も撮ったことがあるし、そういう経験が好きです。しかしある時点で、無限はある意味、自分の中にあると気づくんです」と話す。「そして、自分の経験を直接、正直に表現することができれば、それが一番いい。そのために、もう一度自分自身の過去に立ち返ろうと思ったのです。そして、できる限り自分らしいものを作ろうと」とコメントしている。