韓国国内映画賞で主演女優賞を軒並み受賞 パク・チャヌク作品に初参加したタン・ウェイとは?
2023年1月17日 19:00
パク監督の6年ぶりの新作は、刑事と容疑者が惹かれ合うさまを描く珠玉のサスペンスロマンス。刑事ヘジュン(パク・ヘイル)は、崖から転落死した男の妻ソレ(タン・ウェイ)の調査を開始することに。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしかヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたヘジュンに特別な思いを抱き始める。
中国出身のタンは、約1万人の中からオーディションでアン・リー監督作「ラスト、コーション」(2007)のヒロインに抜てきされ、鮮烈な映画デビューを飾った。「ラスト、コーション」は日本軍占領下の上海を舞台に、女スパイと政府高官の禁断の愛を描き、日本ではR-18指定での公開となるほどの過激な描写が話題に。タンは、デビュー作とは思えないほどの大胆な演技でトニー・レオン演じる主人公を誘惑するヒロインを演じ、体当たりの熱演が注目された。
パク監督と初タッグを組んだ「別れる決心」は、すでに韓国国内で数々の映画賞を獲得しており、タンも青龍賞・釜日映画賞・韓国映画評論家賞と、主演女優賞を軒並み受賞している。
ヘジュンを演じたパク・ヘイルの出演は、脚本が出来上がる前に決定し、彼の出演を前提に脚本作業がされたというが、その時にすでにタンの出演も決まっていたという。ヒロインのソレを中国人に設定したのも、彼女をキャスティングするためだったそうで、パク監督は「『ラスト、コーション』を見た時から、彼女と映画を撮りたいと思っていました」と念願の出演であったことを明かし、「自信に満ちたソレというキャラクターは彼女なら説得力が出ると思ったんです。そして、彼女とパク・ヘイルなら、魅力的な組み合わせになると思いました」とオファーの決め手を語る。
パク監督作品の大ファンだというタンは「彼は驚異的な考えの持ち主であり、驚異的なキャラクターを生み出します。私が演じたソレというキャラクターもそうでした。昨日、パレでの公式上映が終わった瞬間、『監督、ありがとうございます。監督のおかげで、私の人生の一部が完成しました』と言ったほどです」と、カンヌ国際映画祭の際に喜びを語っている。
本作では一から韓国語を学び、自身のセリフのみでなく相手のセリフまでを覚えていたそうで、タンは「仕事を通して学ぶのが好きなので、大変だとは思いませんでした」と振り返り、「大変だったのは、撮影の最初の頃に使っていた翻訳マシンの方かもしれないです。最初は面白がっていたのですが、あまり役に立たず……。必要がなくなってしまって、結局途中から使わなくなってしまいました」と裏側を明かしている。
「別れる決心」は、2月17日から公開。
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