パク・チャヌク監督、新作で直接的な“性”と“暴力”を封印「ただ、大人の映画を作りたかった」
2022年12月20日 14:00

「オールド・ボーイ」「渇き」「お嬢さん」などで知られるパク・チャヌク監督の最新作「別れる決心」が、2023年2月17日から公開される。5年10カ月ぶりとなる来日を目前に控えたパク監督の“すごさ”、そして最新作について紹介する。
パク監督の6年ぶりの新作は、刑事と容疑者が惹かれ合うさまを描く珠玉のサスペンスロマンス。刑事ヘジュン(パク・ヘイル)は、崖から転落死した男の妻ソレ(タン・ウェイ)の調査を開始することに。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしかヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたヘジュンに特別な思いを抱き始める。

パク監督は、2000年に発表した「JSA」が韓国国内で封切られると、当時の観客動員記録を塗り替える大ヒットを記録し、歴代興行収入1位を獲得。韓国国内の賞を総なめにし、社会現象を巻き起こし、第51回ベルリン国際映画祭コンベティション部門にも出品された。翌年、日本でも公開されると公開当週の興行収入第1位を記録、03年には日本の漫画が原作の「オールド・ボーイ」が公開され、第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出。審査員特別グランプリを受賞し、審査委員長のクエンティン・タランティーノから「できればパルム・ドール(最高賞)を授与したかった」と激賞されたという逸話もある。
09年には「渇き」でも第62回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞、13年には「イノセント・ガーデン」で韓国の監督として初のハリウッド進出を果たした。16年に公開された前作「お嬢さん」は、第71回英国アカデミー賞にて非英語作品賞を獲得など、国内外で多数の賞を受賞した。
そんなパク監督の最新作「別れる決心」は、韓国の“アカデミー賞”とも称される映画祭・青龍賞で監督賞をはじめ7冠を獲得するなど、韓国国内の映画賞を軒並み受賞し、社会現象ともいえるブームを巻き起こしている。その勢いは国内のみに止まらず、第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門での監督賞受賞を皮切りに、本年度のアカデミー賞国際長編映画賞部門の韓国代表に選出。先日発表された第80回ゴールデン・グローブ賞でも作品賞(非英語作品)にノミネートしている。
パク監督といえば、過激なエロスとバイオレンス描写に定評があるが、本作はそういった過激なシーンがほとんど登場しない、サスペンスとロマンスが溶け合うドラマとなっている。パク監督作品で、本国においてR(18歳以上観覧可)の等級がつかないのは、12歳鑑賞可指定の「サイボーグでも大丈夫」以来、16年ぶり。パク監督はカンヌ国際映画祭にて「この映画にはヌードもバイオレンスも必要がないと感じた。そういった描写がないからと言って、必ずしも進化してないわけではない。ただ、大人の映画を作りたかったんです。大人の映画というと、みんなエロティックなものやセクシーなものを期待するけれど、私は全く逆の発想だったんですよ」とコメントをしている。
「別れる決心」は、2023年2月17日から公開。
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