中東公開に先立ち「ブラックパンサー」続編から同性愛描写がカット
2022年11月18日 11:00
マーベル・スタジオ最新作「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」が、厳しい検閲で知られる湾岸アラブ諸国での公開に際して、同性愛を示唆するシーンがカットされていたことがわかった。米ハリウッド・レポーターが独占で報じている。
カットされたのは、スクリーンタイムにしてわずか1分。前作に続きフローレンス・カスンバが演じるワカンダの国王親衛隊“ドーラ・ミラージュ”の隊員アヨと、本作で新たに登場する同じく隊員のアネカ(ミカエラ・コール)の恋愛関係が明らかになる短くもロマンチックなシーンに加えて、女性キャタクターの出産シーンが含まれているという。
興味深いことに、今回カット版が上映されるのは湾岸アラブ諸国中クウェートのみ。LGBTQ+キャラクターや同性愛を少しでもほのめかす描写に対して極めて厳しい検閲を課してきたサウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーン、バーレーン、カタールでは、修正なしのオリジナル本編が上映されるようだ。
この1年、ピクサーの長編アニメ「バズ・ライトイヤー」を皮切りに、「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」「エターナルズ」「ソー ラブ&サンダー」のマーベル映画3作品、スティーブン・スピルバーグ監督によるミュージカル映画「ウエスト・サイド・ストーリー」と、大作映画が前述の理由から同地域、とりわけ最大の市場規模を誇るサウジアラビアで軒並み上映禁止の憂き目に遭っているなか、配給元のディズニーにとっては朗報と言えるだろう。
ちなみに、今回唯一シーン削除を要求したクウェートの検閲機関は、性描写に特にうるさいことで知られており、同性愛はおろか異性同士の恋愛さえも検閲に引っかかることがある。前作「ブラックパンサー」の公開時には、ティ・チャラとナキアのキスシーンが本編からカットされていた。
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