「JAIHOインド映画フェスティバル」配信10作品の見どころポイント(3)
2022年10月23日 08:00

「JAIHOインド映画フェスティバル」が10月14日から30日まで、オンライン配信プラットフォーム「シネマ映画.com」で開催されている。配信10作品をピックアップし、映画.comの駒井尚文編集長に加え、編集部&スタッフがそれぞれの視点から配信作品の見どころやポイントなどを紹介する。(全3回)
「JAIHOインド映画フェスティバル」(https://cinema.eiga.com/jaihoindianfestival/)は、映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」(www.jaiho.jp)とコラボレーションし、新作「RRR」が10月21日に公開されたS・S・ラージャマウリ監督の過去作3作品(「バーフバリ」シリーズ<完全版>、「マガディーラ 勇者転生」) を含むコメディ、サスペンス、ラブストーリー、歴史超大作まで、傑作のインド映画全10作品を配信するもの。
古代インドの時代から現代に至るまで、インドの英雄的な偉人を描くことの多いインド映画。本作もその一本と言えます。家族とのパーティーで歌い、踊るシーンはありますが、途中で突然踊りだすようなエンタメ演出はなく、ニールジャーの英雄的な行動を実録したドラマです。モデル業の傍ら飛行機の客室乗務員の仕事をしていた彼女は、家族思いの可愛く、美しい末娘。特に父親の教えを大切にしていました。
フィクションではないかと思えるほどの展開は、まるでハイジャックされた飛行機の中に一緒にいるような緊迫感が伝わってきます。極限の状況におかれた時に人の本性が現れますが、彼女のような行動ができるか、自らに問うことになるでしょう。テロに屈せず、乗客、乗員の命を助けるという彼女の強い意志を伝える本作を見ると、インド映画の多様さを知り、見方が変わると思います。

本作は、インドで大ヒットしたことも納得の、最初から最後まで笑いっぱなしのスラップスティック・コメディ。主人公カラムが女性のふりをして、テレクラで働き始めたことをきっかけに、ドミノ倒しのようにノンストップでトラブル勃発。マシンガンのようにジョークが飛び交い、ドタバタ騒動が繰り広げられます。終盤きらびやかなダンスシーンが始まり、「何も解決してないけれど、このまま終わるのもまたよし……」と腹をくくったところで、電話で皆の悩みを聞いてきたカラムならではの素敵な結末が用意されているのでご安心を。
インド映画初心者の筆者は、「ワ~イ!」と聞こえる(!?)コミカルな効果音が面白く、独特なインド音楽にのせたPVのようなデートシーンも、新鮮に楽しむことができました。カラムを演じた人気スター、アーユシュマーン・クラーナーの甘い美声やユーモラスな魅力に、誰もが虜になるはず。「初めてのインド映画」を探している方へ、圧倒的におすすめできる良作です。

権力者におもねり、弱者にタカる「サイテーの警察官」が主人公。しかし、やってることはサイテーなんだけど、明るくてポジティブで人気者でもあるというアンビバレントなキャラ設定が絶妙です。「ボラット」のサシャ・バロン・コーエンを思い出しました。
2010年代初頭にインドで起きた、凄惨なレイプ事件を下敷きしたアンチレイプ案件でもあって、コンプライアンスをめぐる思考が交錯するのも面白いところ。「レイプはダメ」じゃあ「盗みはいいのか?」とか、「ドラッグはダメ」じゃあ「飲酒はいいのか?」など、日本とインドの国民性、宗教性の違いみたいな部分も透けて見える点が興味深いです。
それにしてもインド映画は、歌とダンスのモブシーンが、ひと昔前に比べて恐ろしくパワーアップしてますね。CGを使ってるのか、ダンサーやエキストラのみなのかは不明ですが、一画面に同時に写る人間の数がギネス級のボリュームです。
個人的にとても感心したのは、役者に向けて下からあおったカメラアングル。つまり、人物が上から目線になって「どうだ!」って雰囲気になる。これが多用されています。普通は、役者の上に吊ってあるマイクがバレるのであまり使いません。映像的にも珍しいので、ぜひご覧になってみてください。

なお、シネマ映画.comは作品ごとにチケットの購入が可能で、PCやスマートフォンで鑑賞できる。また、複数購入でお得に観られるスペシャルチケットを販売しており、スペシャルチケット購入者には、オンラインミーティングで使える「『RRR』特製バーチャル背景」を5種類プレゼント中。視聴期間も通常7日間のところ、特別に購入日から14日間視聴可能となっているので、3時間近い作品も安心して鑑賞できる。作品を視聴するには「シネマ映画.com」の会員登録が必要。
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