映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

橋本愛、2年連続の東京国際映画祭アンバサダー 自身に起きた“改革”、未来に向けたメッセージを語る

2022年10月20日 12:00

リンクをコピーしました。
第35回東京国際映画祭アンバサダーに就任した橋本愛
第35回東京国際映画祭アンバサダーに就任した橋本愛
写真:間庭裕基

東京国際映画祭のアンバサダーを“2年連続”で務めることになった女優・橋本愛。映画祭サイドからの信頼の証でもあるとともに、一層期待されることも増えるはずだ。そんな大役のオファーについて、橋本は何を考えていたのだろうか。9月21日に行われた、第35回東京国際映画祭のラインナップ発表会に登壇した直後、その胸の内を明かしてもらった。

「“2年連続”ということにはとても驚きました。とても光栄だなと感じる一方で、相応の責務を果たさなければならない……というプレッシャーを感じたのも事実です。ただ、そんなことを感じながらも、まず自分自身が楽しんで、やれることをやっていきたいと思っています」

今回のオファーについて率直な感想を述べた橋本。まずは、初めてアンバサダーを経験した第34回(2021年)開催時について。当時は、アンバサダーという立場として何を模索していたのだろうか。

「昨年は、映画祭の楽しさ、お祭り感や高揚感みたいなものを伝えたいなと思っていました。その前提があって、もう少し深みに入りたいと考えていましたが、それを模索しているうちに終わってしまった……という感じがありました。学びのための“観察”を行っていましたが、確固たるものが築けず、フワッとした形で役目を終えたというのが正直な感想なんです。だからこそ、今回は昨年同様に“楽しさ”を伝えるだけでなく、自分自身の気持ちや意見というものを発信した方が面白いムーブメントに繋がるのではないかと思っているんです」

画像2

そして「映画祭に背中を押してもらい、自分の殻を破るような強い体験が2つも重なった。映画祭に携わったひとりの人間に、これだけの“改革”が起きたという点も伝えたい」とも述べる。最初の体験は、コンペティション部門の審査委員長を務め上げた仏女優イザベル・ユペールとの邂逅だ。

「世界に出ていきたい、世界の作品に関わりたい――もちろんご縁があれば、そこに乗っかっていきたいという気持ちはありましたが、昨年の段階では、そこに向かって何か努力をしていくという姿勢は、まだなかったんです。でも、イザベルさんと直接お話したことで『自分は世界に向けて“拓いていく”べきなのかもしれない』と考え始めることができました。これからやるべきことが増えたといいますか……道が拓けたような気がしています。『世界っていいのかも』と感じているんです」

ユペールとの対話では、彼女が演じてきた舞台のこと、濱口竜介監督の作品について話し合った。

「イザベルさんは、しっかりと芸術というものを通じてお話される方。語学力はもちろんですが、自分の中には、そのように語るための“種”が圧倒的に少ないと実感した瞬間でもありました。これから年齢を重ねるにつれて培っていかなければいけない部分だと思いましたし、そのことを通じて、他者と繋がっていくコミュニケーション能力も鍛えていかないといけないなと感じました」

画像3
画像4

第2の体験は、映画祭と国際交流基金アジアセンターによる共同トークイベント「アジア交流ラウンジ」。第33回では、モデレーター・是枝裕和監督とともに韓国映画「はちどり」のキム・ボラ監督とオンラインで語り合っている。

「キム・ボラ監督との対話は、ものすごく良い体験だったんです。自分の思想、信仰みたいなものが、海を越えてつながったような感覚がありましたから。それまでは、海外に対してどこか閉鎖的に生きてきた人間で、英語も話すことができませんし、国際的な交流もしたことがありませんでした。だからこそ『同じなんだ』と初めて感じられた体験だったのかもしれません。住む場所は違えど、同じ人間として、今この瞬間を生きている。頭ではわかっていましたが、実感したのは初めてでした。『世界って大きいな』と思えたのは、とても良い経験でした」

第34回では「ペルシャ猫を誰も知らない」「亀も空を飛ぶ」で知られるイラン出身のクルド人監督バフマン・ゴバディとのオンライン対談に臨んだ。

「ゴバディ監督とも大きなご縁がありました。監督は『人は亡くなったら木になる』と仰っていたんです。私は『木になる』とは考えたことはないんですが、『無になる』とは思っていませんでした。その感覚を、監督は『木になる』と言い表していて、私も『あ、そうなのかも』と。精神世界、内面が広がったような感じがしたんです。それ以降、木や植物を見ると『これも誰かだったのかな』と考えるようになりました。世界を見る視点を変えてくれたんです。モノづくりをしている方々は、本質に近づいていこうとしている人たちだと思っています。自分自身はまだ26年しか生きていないので、その先を進んでいる方の世界の見え方や思想に触れる機会は、経験として非常に大きいものでした」

これらの体験が「世界に出て行ってもいいのではないか?」という考え方の芽吹きとなった。

「世界進出に対してのハングリー精神があまりないので、歩みは遅く、実現する頃には50歳くらいになっているかもしれません(笑)。それくらいのスピード感ではありますが、ひとつの手段や選択肢が加わった。自分の未来が拓けた瞬間です。日本の熊本で生まれた人間が、世界で映画を作り、各国の人々と交流する。そんなことを想像すると面白いなって思えるんですよ。少し他人事みたいなところもあるんですが、楽しんでいけたらいいなと思っています」

画像5

ゴバディ監督との対談では、現在の日本映画界では“短期間での製作が日常化している”という問題点を指摘している。前述の通り「自分自身の気持ちや意見というものを発信する」という意識を持っている橋本だが、今回発信していきたいメッセージとは、どのようなものなのだろうか。

「身近なトピックとして挙げるのであれば、ハラスメントの問題。もうひとつは、日本では同性婚がなかなか認められないというもどかしさみたいなもの。それらはすべてつながっているんじゃないかと思っているんです。これまでにもたくさん取り上げられていることではありますが、自分が加わり、その声を大きくする。そして、その意見を継続してあげていく。自分自身がしっかりと一部になりたいという思いがあります。映画芸術の役割のひとつだと思っているのが『変革していくこと』。私が発言することで、そのことに貢献し、(声が)届いてないところにも届いたりするのではないか……と思っています」

画像6

さらに、ラインナップ発表会でも話題に挙げた「世代間の溝」にも言及する。

「例えば、私は主演として作品に関わらせていただく機会もあり、ある程度の意見を受け入れてもらうことができます。もちろん、一番大切なことは意見を交わせること。意見を聞いてもらえる場があるのはありがたいことだとは思っていますが、その一方で『主演でなければ、この意見を述べることができたのだろうか』と考えることもあるんです。ある程度の立場がなければ、意見をすることも、聞いてもらうこともできないという環境を、もう少し健全なものにすることはできないだろうか。そういう未来を思い描いているので、これから主演を務めさせていただく機会があれば、もっと色々な立場の方の話を聞いたり、オープンな姿勢で臨みたいと思っています。意見を一切聞き入れるつもりがない上の世代の方がいた場合、その姿勢をどう崩していけるだろう――その都度、自分にできることを考えていきたいんです。映画業界に限らず、今の若い人たちがあまり明るい未来を思い描けていないという空気をすごく感じているので、自分次第で何かひとつだけでも変えられるんじゃないかと。経験を積み重ねたうえで、さまざまなデータを収集し『こういう事例があります!』と提示することで、問題を解決に導く。そういうことを増やしていきたいと思っています」

画像7

「怯えず、恐れずに、自分の気持ちを発信していこうと思います」と真っ直ぐな眼差しで語った橋本。最後に、改めて“2年連続”の大役についての意気込みを語ってもらった。

「今の世の中、外出しなくても成り立つもの、好きな時に楽しめるコンテンツに、一番親しみを感じると思うんです。“映画館で映画を観る”ということは、わざわざ外に出て、わざわざ指定された時間に劇場を訪れなければいけません。そして、2時間程度の時間、ある意味拘束されることになります。私は、このことが特別だなと感じているんです。この特別さというものが、エンタメとして根付いていくにはどうしたらいいのかを考えていきたいんです。映画鑑賞が、かけがえのない娯楽になったらいいなと思っています。そして、この世界に身を置く者として、まずは“一番のお客さん”にならないといけないなと感じているんです。今年も映画祭に参加しつつ、さまざまなことを観察して、(映画界を良くするための)資料やデータを増やしていきたいなと思います」

第35回東京国際映画祭は、10月24日~11月2日、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。オープニング作品「ラーゲリより愛を込めて」(瀬々敬久監督)で幕を開け、クロージング作品には「生きる LIVING」(オリバー・ハーマナス監督)が控えている。

フォトギャラリー

橋本愛 の関連作を観る

Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

十一人の賊軍の注目特集 注目特集

十一人の賊軍 NEW

【本音レビュー】嘘があふれる世界で、本作はただリアルを突きつける。偽物はいらない。本物を観ろ。

提供:東映

映画料金が500円になる“裏ワザ”の注目特集 注目特集

映画料金が500円になる“裏ワザ” NEW

【仰天】「2000円は高い」という、あなただけに伝授…期間限定の最強キャンペーンに急げ!

提供:KDDI

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声の注目特集 注目特集

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声 NEW

【人生最高の映画は?】彼らは即答する、「グラディエーター」だと…最新作に「今年ベスト」究極の絶賛

提供:東和ピクチャーズ

ヴェノム ザ・ラストダンスの注目特集 注目特集

ヴェノム ザ・ラストダンス NEW

【最高の最終章だった】まさかの涙腺大決壊…すべての感情がバグり、ラストは涙で視界がぼやける

提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

“サイコパス”、最愛の娘とライブへ行くの注目特集 注目特集

“サイコパス”、最愛の娘とライブへ行く

ライブ会場に300人の警察!! 「シックス・センス」監督が贈る予測不能の極上スリラー!

提供:ワーナー・ブラザース映画

予告編だけでめちゃくちゃ面白そうの注目特集 注目特集

予告編だけでめちゃくちゃ面白そう

見たことも聞いたこともない物語! 私たちの「コレ観たかった」全部入り“新傑作”誕生か!?

提供:ワーナー・ブラザース映画

八犬伝の注目特集 注目特集

八犬伝

【90%の観客が「想像超えた面白さ」と回答】「ゴジラ-1.0」監督も心酔した“前代未聞”の渾身作

提供:キノフィルムズ

追加料金ナシで映画館を極上にする方法、こっそり教えますの注目特集 注目特集

追加料金ナシで映画館を極上にする方法、こっそり教えます

【利用すると「こんなすごいの!?」と絶句】案件とか関係なしに、シンプルにめちゃ良いのでオススメ

提供:TOHOシネマズ

ジョーカー フォリ・ア・ドゥの注目特集 注目特集

ジョーカー フォリ・ア・ドゥ

【ネタバレ解説・考察】“賛否両論の衝撃作”を100倍味わう徹底攻略ガイド あのシーンの意味は?

提供:ワーナー・ブラザース映画

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

HOW TO HAVE SEX

HOW TO HAVE SEX NEW

ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。

凶悪

凶悪 NEW

死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が死刑判決を受けた事件のほかに、3つの殺人に関与しており、そのすべてに「先生」と呼ばれる首謀者がいるという告白を受ける。須藤は「先生」がのうのうと生きていることが許せず、藤井に「先生」の存在を記事にして世に暴くよう依頼。藤井が調査を進めると、やがて恐るべき凶悪事件の真相が明らかになっていく。ジャーナリストとしての使命感と狂気の間で揺れ動く藤井役を山田孝之、死刑囚・須藤をピエール瀧が演じ、「先生」役でリリー・フランキーが初の悪役に挑む。故・若松孝二監督に師事した白石和彌がメガホンをとった。

痴人の愛 リバース

痴人の愛 リバース NEW

奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。

愛のぬくもり

愛のぬくもり NEW

「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。

卍 リバース

卍 リバース NEW

文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。

世宗大王 星を追う者たち

世宗大王 星を追う者たち NEW

ハングルを作り出したことで知られる世宗大王と、彼に仕えた科学者チョン・ヨンシルの身分を超えた熱い絆を描いた韓国の歴史ロマン。「ベルリンファイル」のハン・ソッキュが世宗大王、「悪いやつら」のチェ・ミンシクがチャン・ヨンシルを演じ、2人にとっては「シュリ」以来20年ぶりの共演作となった。朝鮮王朝が明国の影響下にあった時代。第4代王・世宗は、奴婢の身分ながら科学者として才能にあふれたチャン・ヨンシルを武官に任命し、ヨンシルは、豊富な科学知識と高い技術力で水時計や天体観測機器を次々と発明し、庶民の生活に大いに貢献する。また、朝鮮の自立を成し遂げたい世宗は、朝鮮独自の文字であるハングルを作ろうと考えていた。2人は身分の差を超え、特別な絆を結んでいくが、朝鮮の独立を許さない明からの攻撃を恐れた臣下たちは、秘密裏に2人を引き離そうとする。監督は「四月の雪」「ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女」のホ・ジノ。

おすすめ情報

映画.com注目特集 11月1日更新

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る