妻夫木聡、初の弁護士役にどう挑んだ? 「ある男」現場レポート
2022年10月7日 17:00

妻夫木聡が主演を務め、安藤サクラ、窪田正孝が共演する「ある男」のメイキング写真が披露され、メインキャストたちの役作りや、撮影の様子が明らかになった。
弁護士の城戸(妻夫木)は、かつての依頼者である里枝(安藤)から、亡くなった夫・大祐(窪田)の身元調査という奇妙な相談を受ける。愛したはずの夫は、名前も過去もわからないまったくの別人だったのだという。「ある男」の正体について調査を進める城戸は、様々な人物からの話を聞き、真相に迫っていく。

主人公・城戸を演じた妻夫木は、本作が初の弁護士役。クランクインの前には、実際の裁判を傍聴し、現役の弁護士に取材を重ねたほか、息子役の子役と一緒に遊ぶなど、入念な役作りを行なっていた。
安藤は、原作を読んだ際に里枝の壮絶な人生に胸が締め付けられ、文字を追うのが苦しくなるほどだったという。幼い子どもを病気で失う母親役として、医学書や闘病記を読み込み、里枝という女性に寄り添いアプローチした。宮崎弁の特徴を方言監修からヒアリングし、石川慶監督やスタッフと綿密に話し合いを重ねる姿も。
里枝の夫・大祐を演じた窪田は、過去パートに向けて体づくりとトレーニングに励み、フィジカル面での役作りを行った。林業シーンの練習では「初めて木を切る体験をした時、自分の喉元を切るような感覚になり、植物から命の重さを感じさせられた気がした」と振り返り、この感覚が演じる上で大きなヒントになったと語る。

キャストとスタッフが入念に準備を進める中、2021年1月にクランクインし、大祐の過去パートから撮影が始まった。その後、里枝と大祐が暮らす宮崎パートへと進んでいく。メインの舞台となる文房具店は、山梨県笛吹市に実際あった商店を丸々文房具店へと飾り込んでの撮影となった。真冬の2月での撮影だったため、冒頭の印象的な雨のシーンなどは、雨降の後で道路が凍らないように、スタッフ総出で水処理を行うなど、厳しい寒さの中での撮影が続く。
また、城戸が大祐の兄・恭一を訪ねるシーンは、原作と同じく群馬の伊香保温泉で撮影。雪も降る中、地元のエキストラも参加し、華やかな温泉街の雰囲気が再現された。営業中の旅館を一棟ごと貸し切っての撮影だったため、スタッフ・キャストは極寒での撮影後、温泉で身体を温めたという。
キャスト陣が真摯に役と向き合った本作が完成し、妻夫木は「人生に正解はない。かといって間違いもない。どんな答えであってもいいと思う。だから恐れずに向き合って欲しい。観てくださった方にとって、この作品が人生の道標のような存在になるのであれば僕は幸せです」と思いを語っている。
「ある男」は、11月18日に全国公開。
(C)2022「ある男」製作委員会
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