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福永壮志監督×山田杏奈「山女」2023年公開 遠野物語の民話にインスパイアされた物語

2022年9月21日 16:00

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第35回東京国際映画祭コンペティション部門への正式出品も決定
第35回東京国際映画祭コンペティション部門への正式出品も決定
(C)YAMAONNA FILM COMMITTEE

リベリアの白い血」「アイヌモシリ」(※タイトルの「リ」は小文字が正式表記)で民族やルーツにフォーカスを当ててきた福永壮志監督の最新作「山女」が、2023年に公開を予定していることがわかった。山田杏奈が主演を務め、森山未來永瀬正敏が共演。第35回東京国際映画祭(10月24日~11月2日)のコンペティション部門への正式出品も決定している。

舞台は、18世紀後半の東北。「遠野物語」で紹介された民話にインスピレーションを得たオリジナル脚本となっている。自然の脅威を前にした村社会の閉鎖性と集団性、また信仰の敬虔さと危うさをテーマに、主人公の少女・凛が自分の意志で生きていく姿を描いている。

18世紀後半、東北。冷害による食糧難に苦しむ村で、人々から蔑まれながらも逞しく生きる少女・凛。彼女の心の救いは、盗人の女神様が宿ると言われる早池峰山だった。ある日、凛の父親・伊兵衛が村中を揺るがす事件を起こす。家を守るため、村人達から責められる父をかばい、凛は自ら村を去る。決して越えてはいけないと言い伝えられる山神様の祠を越え、山の奥深くへと進む凛。狼達から逃げる凛の前に現れたのは、化け物なのか人間なのかもわからぬ不思議な存在だった。

画像2

ジオラマボーイ・パノラマガール」「ひらいて」「彼女が好きなものは」など出演作が相次ぐ山田は、食糧難に苦しむ村で人々から蔑まされながらも逞しく生きる少女・凛役を演じることに。森山は神聖な森に住み、村人達から恐れられている謎の存在・山男役、永瀬は村で死体埋葬など汚れ仕事をして生計を立てる凛の父親・伊兵衛役として参加している。

山田と福永監督のコメントは、以下の通り。

凛でいた期間は私自身も夢と現実のはざまにいたように思い出します。

現代とは違う時代背景、環境の中でも彼女が何と戦っているのか、彼女はどうしたら幸せになれるのかをずっと考えていました。

東京国際映画祭のコンペ部門に出品されると聞き、とても光栄ですし嬉しいです。

沢山の人に福永監督の描く世界が届くことを願っています。

遠野物語」で書き記された数々の民話では、自然に宿る神々や化け物が絶対的な存在として描かれているのとは対照的に、人間は非力で浅はかです。その根底には自然に対する畏敬の念と、後世に向けた教戒が込められています。『山女』は、それらの民話にインスパイアされて新しく紡ぎ上げた物語で、「自然と人間」や「集団と個」といった現代の日本社会においても身近なテーマを扱っています。厳しい環境の中を必死に生きる主人公・凛を通して、この映画を観た人の心に何かを残せることを願います。

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