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岡田准一&坂口健太郎が体現した“バディ” 初共演で感じたお互いの魅力は?「何にでも染まれる」「人として豊か」

2022年9月15日 12:00

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9月16日から公開
9月16日から公開
(C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会

原田眞人監督の最新作「ヘルドッグス」が、9月16日から公開される。ストーリー、キャラクター、アクションなど語りたくなる要素がたくさんある作品だが、なにより、主演の岡田准一坂口健太郎が演じた“バディ”の沼にハマる人が多くいるはずだ。岡田と坂口に、本作の撮影やお互いの印象を聞いた。

岡田と原田眞人監督が「関ヶ原」「燃えよ剣」に続き3度目のタッグを組んだ本作は、深町秋生氏の小説「ヘルドッグス 地獄の犬たち」(角川文庫/KADOKAWA刊)を映像化。岡田は正義も感情も捨て、腕っぷしひとつで関東最大のヤクザ組織「東鞘会」に潜入し、のし上がる元警察官・兼高昭吾、坂口は兼高との相性98%を誇るバディ・室岡秀喜を演じているほか、松岡茉優、MIYAVI、北村一輝大竹しのぶらが共演している。

鑑賞中、「これはすごいものを観ているぞ」と鳥肌が立った。インタビュー中の2人の言葉を借りるならば、主要キャラクターを含め醸し出す雰囲気がとにかく「セクシー」であり、噛めば噛むほど味わい深く、癖になる。「ヘルドッグス」はまさにそんな映画だ。

画像2(C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会
――ストーリー、スタッフ、キャストなどさまざまな魅力がありますが、本作に出演したいと思った一番の理由は?
岡田准一(以下、岡田):「燃えよ剣」の撮影現場で「次はこの作品をやりたいと思っている」と原田監督からお話を伺っていました。その後、台本が届いてすぐにアクションの打ち合わせをしていました。この映画には、フィルムノワールとか70年代のアメリカ映画みたいな雰囲気があります。監督がただのヤクザ映画ではない、アジアのセクシーな映画を探って作りたいという思いは伝わってきたので、どういう映画になるのかなと楽しみにしていました。
坂口健太郎(以下、坂口):初の原田組や、岡田さんと共演できるということも魅力でしたが、一番は室岡のキャラクターに強烈に惹かれました。僕は今31歳なのですが、20代前半の僕のイメージのときにはきっと来なかった役だろうなと思います。室岡はいい奴かと言われれば違いますが、ピュアで愛せる奴だと思えたので、そういう部分にも魅力を感じました。
――坂口さんは初めて原田監督の現場を体験されましたが、いかがでしたか。
坂口:ハリケーンのようでした。かなり頭を使いました。
岡田:特殊な現場ではありますよね。監督は“探させる”人なので、テイク数を重ねる監督ですが、毎回求められることが変わってくる。出ている全員、課される課題が多いと思います。意外と考えながらやらないといけないという、インテリな現場なんです。エキストラの方でも、「どういう想いで今動いたのか」と聞かれる場合もあって。そのときにこういうつもりで動きましたってちゃんとした理由を答えられないとダメなんですよね。
坂口:個人に求められるレベルが本当に高い現場ですよね。
画像3(C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会
――さまざまなキャラクターが登場しますが、お2人が特に注目してほしいキャラクターはいますか?
岡田:うちうちの話になりますが、お歯黒(演:吉田壮辰)は撮影中に“映画の現場”に飲み込まれそうになっていて。そんなお歯黒をみんなでどう救うかという話をしていました。吉田さんは段々感覚を取り戻していって、原田監督にも気に入られて。現場でどんどんお歯黒の役が膨らんでいったんです。そういうこともあって、僕はお歯黒が思い出深いです。
――坂口さんはいかがですか?
坂口:お歯黒以外だとすると……個人的には熊沢さん(演:吉原光夫)です。物語が進むにつれて熊沢さんは室岡を理解してくれるのですが、吉原さん自体も室岡のキャラクター性をわかってくれるので、室岡に対するアドリブもいろいろ楽しくしてくださった。僕もそれを受けて反応すると、それだけで室岡のキャラも面白くなっていったので、愛を持ってくれたなと思います。
――兼高と室岡の関係性も色濃く描かれています。本作で描かれる人間関係についてはどんな印象を持ちましたか?
岡田:全員がピュアすぎてぶっ飛んでいるところもありますが、男同士人間として惚れたという感じや、キャラクターの持つセクシーさはフィルムノワールの代名詞なので、そこはみんな意識していたと思います。僕はアクションの構成も担当したので、戦うときは顔を近づけ合うような動きも入れています。特に兼高と室岡の2人で1つというバディ感、いつの間にかお互いが大きな存在になっていたという関係性は大事にしました。最初に兼高が室岡に動きを教えているシーンは、僕はこの関係性がここからどうやって広がっていくのかなって楽しみに思っていました。
坂口:現場に充満している空気がすごく濃い気がしていました。目には見えないですが、空間内の密度が濃いんです。そこで衣装を着ていろんなものに囲まれて、いざ兼高やいろんな人とのシーンがあって、それを続けていくと愛情だったり憎しみだったり、いろんな感情が出てきます。予想していなかったけれど色っぽいシーンになった場面もあって、今思い出してみると僕もそういうのがセクシーさにもつながっていったんだなと思います。
画像4(C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会
――今回初共演して感じたお互いの魅力は?
岡田:坂口くんは魅力しかないです。ピュアで何にでも染まれるだろうし、朝ドラ(「おかえりモネ」)のような役もできれば、今回の室岡みたいなタイプもできる。30代のうちに代表作と言われる作品を生み出されていくんだなと思うので、楽しみです。
坂口:実は「ヘルドッグス」の撮影が終わって、明日朝ドラの撮影だと思ってシャツを着たらパンプアップしすぎていて。朝ドラで着ていたシャツがパツパツになってしまって、サイズを1個大きくしてもらったんです(笑)。
――(笑)。坂口さんは岡田さんに対していかがですか?
坂口:岡田さんと言ったらアクションというイメージがお会いするまでありました。ご一緒させていただいてからは、もちろん岡田さんのアクションの凄まじさを骨に刷り込まれる経験はしましたが、岡田さんのすごさってそういうことだけじゃないなと。共演を通して岡田さんの人としての豊かさ、深みに触れられたので、「ヘルドッグス」は自分にとって大きな存在になったと思います。
画像5(C)2022 「ヘルドッグス」製作委員会
――本作を振り返って、ご自身のなかではどういった位置づけの作品になりましたか?
岡田:日本映画のなかでも特殊なので、すごく好きという方もいれば嫌いという方もいると思います。ただ、それが監督の表現者としての正しい在り方だと思っています。そういう作品で「一緒にやりたい」と声をかけていただいて、僕の役者としての次のステージが始まる作品になったと思っています。
坂口:こういう仕事をしているとどうしてもイメージが付くと思いますが、「ヘルドッグス」はそのイメージをいい意味で崩してくれると思います。今まで呼んでいただいた作品もいろんな色を僕につけてくれましたが、今回は今までの自分にはなかった新しい色をつけてくれました。

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