第79回ベネチア映画祭、レッドカーペット登場のティモシー・シャラメに大歓声!
2022年9月8日 14:00

第79回ベネチア国際映画祭は中盤に達し、ケイト・ブランシェット、シガニー・ウィーバー、コリン・ファレル、ティモシー・シャラメ、ハリー・スタイルズら、スターが日替わりでレッドカーペットを飾る華やかな様相を呈している。
映画祭前半を盛り上げたのは、ルカ・グァダニーノ監督の「Bones and All」に主演したシャラメだ。まるでロックスターのように、背中の大きく開いた真紅のシャツにタイトなパンツ姿で、相手役のテイラー・ラッセルとレッドカーペットに登場すると、待ち望んでいたファンの間で大きな歓声が湧き上がった。
今年からコロナの規制がなくなり、以前のようにレッドカーペットを外から見学できるようになったため、サインや写真をねだるファンが柵の外を埋め尽くした。
「Bones and All」は、「君の名前で僕を呼んで」と「サスペリア」の中間に位置するような、ホラー・ラブストーリー。社会から疎外された、秘密を抱えた男女の逃避行を描く。クライマックスは映像的に強烈なスプラッターの場面もあるが、グァダニーノらしい詩的でアーティスティックな仕上がりで、評価が高い。
「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナーの監督、脚本による「イニシェリン島の精霊」も高評価だ。アイルランドの小さな島を舞台に、ある日突然友人に絶好を言い渡す男(ブレンダン・グリーソン)と、絶好される男(コリン・ファレル)の関係を、神秘的な島の空気のなかで物語る。不条理さとユーモアが混ざり合った、独特な寓話である。
ケイト・ブランシェットが世界的な指揮者を演じたトッド・フィールド監督の「TAR」は、音楽にすべてを捧げたヒロインの張り詰めた心境が伝わってくる、緊張感に満ちた作品。指の先までキャラクターになりきったブランシェットがみごとで、ニーナ・ホスやマーク・ストロングなど脇役陣も豪華ながら、やはりブランシェットを観る映画と言える。
シガニー・ウィーバーは、今年金獅子栄誉賞を授与されたポール・シュレイダー監督のオリジナル・ストーリー「Master Gardener」で、過去を持つ庭師(ジョエル・エドガートン)が仕える裕福な貴族の女主に扮し、威厳と傲慢さを併せ持つ複雑なキャラクターを表現した。本作はシュレーダー映画のなかでも、純粋なラブストーリーの要素が強い作品だ。
シャラメに負けず劣らず人気だったのは、アウト・オブ・コンぺティションで上映されたオリビア・ワイルド監督作「ドント・ウォーリー・ダーリン」に出演したハリー・スタイルズだ。フローレンス・ピュー扮するヒロインの夫役で、すべてが管理された一見理想的な街のなかで、妻を愛しながらも秘密を抱える夫を、魅力的に演じた。50年代の理想郷に裏にある陰謀を、スリリングな語り口とポップな映像でまとめ、見応えがある。
映画祭はこの後も、アンドリュー・ドミニクがマリリン・モンローを描いた伝記「Blonde」や、アンソニー・ホプキンスにアカデミー賞主演男優賞をもたらした「ファーザー」のフロリアン・ゼレール監督による「The Son」など、話題作が控える。(佐藤久理子)
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