映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

大島渚監督が生前愛読した蔵書約300冊、「大島渚文庫」としてシェア型書店「猫の本棚」に展示

2022年5月1日 14:00

リンクをコピーしました。
蔵書300冊が展示!
蔵書300冊が展示!

戦場のメリークリスマス」や「愛のコリーダ」などで国際的評価を集めた、日本映画界を代表する巨匠・大島渚監督が生前愛読した膨大な蔵書の一部を、「大島渚文庫」として東京・神保町のシェア型書店「猫の本棚」で展示することが明らかになった。

1月20日に開業した「猫の本棚」は、クラシックな映画館のようなルックの隠れ家的なシェア型書店。同店には約30×35センチのスタイリッシュな書棚が170棚用意されており、棚主がひと棚ごとの“店長”となり、思い思いの「書店」を“店主”として体験することができる仕組みになっている。

画像2

「大島渚文庫」がスタートするきっかけは、「猫の本棚」店主でもある映画評論家・監督の樋口尚文氏の編著による「大島渚全映画秘蔵資料集成」(国書刊行会)にある。キネマ旬報映画本大賞2021の第1位に選出された同書は800ページを超える大著で、大島家や大島渚プロダクションに眠っていた膨大な資料を調査、分析したもの。樋口氏との信頼関係のもと、大島監督夫人で俳優の小山明子の厚意により、神奈川・藤沢の大島邸書庫に保管されている蔵書を搬出し、同店に陳列することとなった。

画像3
画像4

陳列される第1期分の約300冊は、大島監督が野心的な作品を送り出し続けた激動の1960年代、国際的な活躍を本格化させていった70年代当時のものが多く、映画監督としてあぶらの乗っていた時期にどのような書物を読んでいたのか、その一端をうかがい知ることが出来る。大島監督が敬愛した埴谷雄高、吉本隆明、花田清輝ら政治・思想評論家、文芸評論家の著作にはじまり、伊丹十三殿山泰司澤地久枝植草甚一らから献呈された著作も含まれている。

画像5
画像6

また、同時代を生きた小説家・野坂昭如富岡多恵子の著作、同店と同じ神保町で長年にわたり映画文化を育んできた岩波ホール総支配人だった高野悦子から献呈された著作もある。珍しいものでは、大島監督作「飼育」でスチルカメラマンを務め、後に写真家として活躍した東松照明の珍しい写真集も。さらに、「新宿泥棒日記」で好演した横尾忠則の画集や、同作で異彩を放った性科学者・高橋鐡の著したセックスをめぐる研究書の数々も並ぶという。

陳列される書籍は、一部を除き閲覧・購入も可能。収益は、同店開店以来のポリシーにのっとり、千代田区の保護猫活動に寄付される予定だ。

犬童一心・みのり夫妻による「猫のテーブル」という特集展示を開催中
犬童一心・みのり夫妻による「猫のテーブル」という特集展示を開催中

なお、同店では映画監督の犬童一心・みのり夫妻による「猫のテーブル」という特集展示を開催中。同店の保護猫活動支援のポリシーに共鳴した、愛猫家・犬童監督の猫との暮らしのスナップを展示し、関連商品やオリジナルグッズを陳列している。

「大島渚文庫」の展示目録(抜粋)は以下の通り。

■思想系
埴谷雄高「戦後の文学者たち」「幻視のなかの政治」「墓銘と影繪」「渦動と天秤」
吉本隆明「擬制の終焉」「異端と正系」「自立の思想的拠点」「抒情の論理」「情況」「吉本隆明詩集」「詩的乾坤」「書物の解体学」
竹内好「予見と錯誤」「状況的」「不服従の遺産」「転形期」「魯迅雑記」
武井昭夫「創造運動の論理」「現代日本の反動思想」「芸術運動の未来像」
谷川雁「戦闘への招待」「原点が存在する」
秋山清「ニヒルとテロル」「わが暴力考」「戦後詩の私的な回想」「あるアナキズムの系譜」
村上一郎「北一輝論」
小山弘健「戦後の日本共産党」「戦後日本共産党史 党内闘争の歴史」
中村文昭「吉本隆明」
■文学・評論系
花田清輝「近代の超克」「さちゅりこん」「アヴァンギャルド藝術」「復興期の精神」「大衆のエネルギー」「運動族の意見―映画問答」「乱世をいかに生きるか」「いろはにほへと」「新編映画的思考」
坂口安吾「安吾捕物帖」
丹羽文雄「小説作法全」
辻邦生「天草の雅歌」
堀田善衛「19階日本横丁」「方丈記私記」「現代の文学 堀田善衛」
明石海人顕彰会「白描 明石海人歌集」
富岡多恵子「冥途の家族」「壺中庵異聞」「行為と芸術」「わたしのオンナ革命」「青春絶望音頭」
野坂昭如「生きかたの流儀」「エロ事師たち」「わるい本」
高橋鐵「りんが・よに」「あるす・あまとりあ」「あぶ・らぶ」「人物分析学入門」「新・あるす・あまとりあ 全世界の性典による態位の研究」「保存版えろちか」「人性記」「高橋鐵詩集」
関根弘「現代詩入門」「余計者の抵抗の道」「水先案内人の眼」
森本和夫「文学者の主体と現実」
沼正三「家畜人ヤプー」
岡本太郎「日本再発見」
太田洋子「八十歳」
松本清張「事故」
司馬遼太郎梟の城
塩野七生「イタリア共産党讃歌」「サイレント・マイノリティ」「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」
パヴェーゼ「故郷」
沼正三「家畜人ヤプー」「ある夢想家の手帖から」
岡本太郎「日本再発見」
平岡正明「永久男根16」「ジャズより他に神はなし」「あらゆる犯罪は革命的である」「地獄系24」「犯罪あるいは革命に関する諸章」
天野哲夫「異嗜食的作家論」
長部日出雄「精神の柔軟体操」
上野昂志「写真家 東松照明」
そのほかアンソロジー類……「薫園と愛壇」「異形の白昼 現代恐怖小説集」「世界セクソロジー全集1」
■映画・演劇系
大島渚「わが日本精神改造計画」「魔と残酷の発想」「解体と噴出」
寺山修司死者の書」「言葉が眠るとき かの世界が目ざめる」「街に戦場あり」「密室から市街へ」「現代詩手帖増刊 寺山修司」
佐藤忠男「日本の映画」「映画子ども論」
蓮實重彦柴田駿訳「ゴダール全集」第1~4巻
奥村昭夫訳「ゴダールの全体像」「ゴダール全評論・全発言III」
松本俊夫「表現の世界」
多賀祥介「ATG編集後記」
新藤兼人「追放者たち 映画のレッドパージ」
小川紳介「映画を穫る」
エイゼンシュテイン「イワン雷帝」「映画シナリオ論」
フェリーニ「フェリーニ、映画を語る」
J・シクリア「ベルイマンの世界
C・E・マニイ「小説と映画」
北川鉄夫「マキノ光雄」
水谷憲司「映画監督/五所平之助」
五所平之助「句集 生きる」
渡辺浩「宮川一夫の世界 映像を彫る」
西岡善信「シネマの画帖」
ポール・シュレイダー「聖なる映画」
淀川長治「淀長映画館」
澤地久枝「男ありて 志村喬の世界」
高野悦子「エキプ・ド・シネマ」「シネマ人間紀行」
松田政男「白昼夢を撃て」
原一男ゆきゆきて神軍
いど・あきお「いど・あきおシナリオ集」
佐々木守「故郷は地球 子ども番組シナリオ集」
実相寺昭雄「星の林に月の舟」
エレノア・コッポラ「ノーツ」
ハントン・ダウンズ「コッポラ アポカリプス・ナウの内幕」
小林善次「誰が何と云おうとも」
かわなかのぶひろ「映画・日常の実験」「猫日記」
季刊「映画宝庫 日本映画が好き!!!」
■エッセイ系
中村真一郎「読書は愉しみ」
伊丹十三「小説より奇なり」「再び女たちよ!」「ヨーロッパ退屈日記」
殿山泰司「バカな役者め!!」「三文役者のニッポンひとり旅」「三文役者の無責任放言録」
「三文役者あなあきい伝」「にっぽん・あなあきい伝」「JAMJAM日記」
植草甚一「ぼくは散歩と雑学が好き」「映画だけしか頭になかった」
■ノンフィクション系
正木ひろし「夢日記」
石牟礼道子「苦海浄土」
山崎朋子「サンダカン八番娼館」
日本海事広報協会「キャプテン森勝衛」
東京12チャンネル「ドキュメンタリ青春」
秋山勝行「全学連は何を考えるか」
北小路敏「歴史選択としての七〇年闘争」
堀隆次一万三千人の容疑者
楳本捨三「日本のクーデター」
室伏高信「テレビと正力」
五島勉ノストラダムスの大予言
「醫心方 巻十八房内 宮内庁書陵部蔵本」「現代語完訳 医心方房内」
■写真・デザイン系
横尾忠則「龍の器」「狂懐の神々」
東松照明「I am a king」「戦後派=東松照明」「太陽の鉛筆・沖縄」
川本今朝太郎「昭和で最も暗かった9年間」
川田喜久治「地図」

フォトギャラリー

大島渚 の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

それでも夜は明ける

それでも夜は明ける NEW

第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。

aftersun アフターサン

aftersun アフターサン NEW

父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。

HOW TO HAVE SEX

HOW TO HAVE SEX NEW

ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。

愛のぬくもり

愛のぬくもり NEW

「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。

卍 リバース

卍 リバース NEW

文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。

痴人の愛 リバース

痴人の愛 リバース NEW

奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。

おすすめ情報

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る