GWに観てほしい、“戦争と平和について考える”おすすめ映画6選
2022年4月29日 14:00
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激動のこの時代、世界で何が起こっているのか。今だからこそ、世界の歴史や平和について、映画を通して考えてみよう――。
ということで、映画.com編集部が3つのテーマに沿ったオススメ作品18本を厳選。オンライン配信プラットフォーム「シネマ映画.com」にて、ゴールデンウィーク特別企画として“「世界を知る映画」を見よう”と題した特集を、4月28日から5月8日まで開催しています。
配信作品のテーマは1.「戦争と平和について考える」、2.「愛と家族について考える」、3.「世界と旅について考える」。そして本記事では、厳選した作品の各オススメのポイントなどを紹介します(1テーマ6本ずつ、3回にわけて掲載)。
第1回は、1.「戦争と平和について考える」6本。映画が持つ力を改めて堪能できる特集となっていますので、このGWに是非ご覧ください。(あわせて全対象作品が10%OFFとなるキャンペーンも開催中。しかも6本見ると、対象作品が1本無料でお得に鑑賞できます)。
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劇場公開から間もない“観たかったけど、観られていなかった”話題の最新作から、時代を超えて愛される名作まで。映画.comスタッフが厳選した作品を自宅で視聴できるオンライン上の映画館です。パソコンやスマートフォンで、いつでも手軽に、月額料金無料でお楽しみいただけます。

2013年に398日もの間、IS(イスラム国)の人質となりながら、奇跡的に生還したデンマーク人の写真家ダニエル・リューの救出劇を実話をもとに映画化したもの。主人公ダニエル役は、デンマークを代表する実力派エスベン・スメドが演じた。「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニールス・アルデン・オプレブと、俳優として本作にも出演しているアナス・W・ベアテルセンが共同で監督を務めている。
怪我で体操選手の道を断念し、ずっと夢だった写真家に転身したダニエル。戦争の中の日常を撮影し、世界に伝える思いを抱き、24歳の彼はシリアの非戦闘地域を訪れた。しかし、現地の情勢が変わり、ISに誘拐されて拷問と飢えに苦しみ、地獄の日々を送ることとなる。彼の家族は要求された巨額の身代金を用意するために奔走するが、犯人側はさらなる要求を突きつけ、家族たちに追い打ちをかけるのだった。
実話が元になっているということで、生還までのリアルな緊迫感が見どころの一つですが、生と死の狭間で育まれる人質同士の友情や、人間の尊厳と家族の愛というテーマが浮かび上がってきます。また、改めて過激派組織のIS(イスラム国)とはいったい何なのか。身代金の要求や人質の殺害場面をテレビやネットニュースで見ていたあの現実が描かれます。他人事ではなく、もし自分が主人公と同じ境遇に陥ったらと想像して見ると、さらに感情を揺さぶられることでしょう。
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
イギリスの国民的英雄となった元ナチス兵のサッカー選手バート・トラウトマンの実話を基に描いたヒューマンドラマ。主人公トラウトマンを「愛を読むひと」のデビッド・クロス、その妻マーガレットを「サンシャイン 歌声が響く街」のフレイア・メーバーが演じている。メガホンはドイツ出身のマルクス・H・ローゼンミュラー監督がとった。
1945年、イギリスの捕虜となったナチス兵トラウトマンは、収容所でサッカーをしていた折に地元チームの監督にスカウトされる。その後、名門サッカークラブのマンチェスター・シティFCにゴールキーパーとして入団するが、元ナチス兵という経歴から想像を絶する誹謗中傷を浴びせられてしまう。それでもトラウトマンはゴールを守り抜き、やがてイギリスの国民的英雄として敬愛されるようになる。そんな彼には、誰にも打ち明けられない、秘密の過去があった。
激動の時代、多くの逆境に立たされても、自分ができる“素晴らしいプレー”を貫き、元ナチス兵がイギリスの国民的英雄になるまでの生き方は人々に勇気を与えてくれます。戦争による悲しみと憎しみを愛に変えることができると教えてくれる感動作です。2019年にドイツのバイエルン映画祭で最優秀作品賞を受賞したほか、世界各国の映画祭で数々の観客賞を受賞しています。
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
ポーランド映画で初のアカデミー外国語映画賞に輝いた「イーダ」のパベウ・パブリコフスキ監督が、冷戦下の1950年代、東側と西側の間で揺れ動き、時代に翻弄される恋人たちの姿を、美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブストーリー。2018年・第71回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。
ポーランドの音楽舞踏学校で出会ったピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラは愛し合うようになるが、ヴィクトルは政府に監視されるようになり、パリへと亡命する。夢をかなえて歌手になったズーラは、公演活動で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会。パリで一緒に暮らすが、やがてポーランドに戻ることになる。ヴィクトルは彼女の後を追ってポーランドに戻るのだが……。
東と西、冷戦下の時代と国に翻弄され、15年にわたって別れと再会を繰り返す恋人たちの姿は過酷ですが、お互いへの思いを貫こうとする二人の愛に心を揺さぶられることでしょう。また、二人を結ぶ「2つの心」という名曲に加え、民族音楽やダンス、ジャズにのせて綴られる美しいモノクロ映像が、見る者の心と五感を刺激します。極上のラブストーリーを感じてください。
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
ロシアの奇才イリヤ・フルジャノフスキーとエカテリーナ・エルテリが共同監督を務め、“ソ連全体主義”の社会を前代未聞のスケールで完全再現し、独裁政権による圧政の実態と、その圧倒的な力に翻弄されながらも逞しく生きる人々を描いた作品。2020年・第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞した。
ソ連某地にある秘密研究所では、科学者たちが軍事目的の研究を続けていた。施設に併設された食堂で働くウェイトレスのナターシャは、研究所に滞在するフランス人科学者リュックと惹かれ合う。しかし、彼女は当局にスパイ容疑をかけられ、KGB職員から厳しく追及される…。
オーディション人数約40万人、衣装4万着、1万2000平方メートルのセット、主要キャスト400人、エキストラ1万人、撮影期間40カ月、そして莫大な費用と15年の歳月をかけ、美しくも猥雑なソ連の秘密研究都市を徹底的に再現。そして、キャストたちは当時のままに再建された都市で約2年間にわたって実際に生活したという。人間の本質に迫る、狂気的なプロジェクトで製作された本作を目撃して欲しい。続編「DAU. 退行」は、なんと全9章からなり、6時間9分あります。
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
広島に世界で初めて投下された原子爆弾を至近距離で被爆した父の凄絶な体験をつづった美甘章子氏のノンフィクション「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」を映画化したもの。著者自らエグゼクティブプロデューサーを務め、地獄のような状況にあっても生きることを諦めなかった父の思いと、父から娘へ受け継がれた平和へのメッセージを描く。
1945年8月6日、広島。父とともに建物疎開の準備をしていた19歳の美甘進示は、自宅の屋根に上り瓦を剥がしていた時、激しい光が襲い、一瞬にして暗闇の中へと突き落とされる。世界で初めて投下された原子爆弾は広島中を焼き尽くし、7万人以上もの命を奪った。焼けただれた体を引きずりながら助けを求めてさまよう進示は、激痛から解放されたい一心で死さえ願うが、父の力強い言葉に支えられ、懸命に前へ進むのだった。それから40年後、進示の平和への願いが形となってニューヨークの国連本部に届く。しかしその数年後、ニューヨークを訪れた進示の娘・章子は驚くべき事実を知る。
美甘章子氏のお父様の体験は、まさに筆舌に尽くしがたいもの。その体験と思いをノンフィクションとして綴るだけでなく、映画化までしたことで、父から娘へ平和へのメッセージが受け継がれていることが強く伝わってきます。今の日本の平和は、そういった体験や思いの上にあること、そして平和へのメッセージをしっかりと次の世代へ受け継いでいくことの大切さを、改めて思い知らせてくれます。
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
チュニジアの女性監督カウテール・ベン・ハニアが、「もしも生身の人間が芸術作品となり、売買の対象になったら」という設定のもと、移民・難民問題をめぐる偽善や現代アートに関する知的欺瞞を風刺し、理不尽な世界の在りようをユーモアたっぷりに描いた人間ドラマ。第77回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門男優賞を受賞。第93回アカデミー国際長編映画賞にノミネートされた。
内戦が続くシリアから脱出し、難民となったサムは、現代アートの巨匠から驚くべき提案を受ける。それは、サム自身がアート作品になるというものだった。大金と自由を手に入れる代わりに背中にタトゥーを施し、「アート作品」なったサムは、高額で取引される身となる。売買されて国境を越えたサムは、やがて恋人に会いに行くのだが……。
内戦の不条理や難民になるということはどういうことか。今の日本人にとってそれはニュースで知る、映像で見る外国のことで、本当の意味でその現実や苦しみを理解することはできないのかもしれません。しかしこの作品は、難民と現代アートの知的欺瞞をかけ合わせることで、そんな理不尽な世界のありようをユーモアにまで昇華し、人間の尊厳について考えさせられます。
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テレビやネットのニュースからは伝わらない、わからない戦争の真実と現実。戦争のない世界と平和を願う時、そこにはいつも家族と愛がある。そして、世界を旅することでお互いを理解していくことができるのではないかとの考えのもと、3テーマに絞りました。
また、まだまだ気兼ねなく旅行ができない状況も続いていますので、「知る」「考える」だけでなく、映画を見て自宅にいながら“旅した気分”になっていただけたらとの思いもあります。ぜひ、このGWに、世界を知る映画をご堪能いただければ幸いです。
次回の記事では、2.「愛と家族について考える」映画6本をご紹介します。
なお各作品を視聴するには「シネマ映画.com」の会員登録が必要です。その上で、鑑賞したい作品のチケット(各440円~1100円から10%OFF)を購入し、PCやスマートフォンで鑑賞することができます。
※6本鑑賞は3テーマをまたいでもOKです。
※キャンペーン期間終了後(5月中旬頃を予定)、登録メールアドレスに1本無料クーポンを送ります。(2022年8月末まで有効)
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