広瀬すず、切っても切れない“姉”の存在 松坂桃李は樹木希林さんとの縁に「ゾクッ」
2022年4月13日 20:29
凪良ゆう氏のベストセラー小説を映画化した「流浪の月」の完成披露試写会が4月13日、都内で行われ、主演の広瀬すずと松坂桃李、共演する横浜流星、多部未華子、メガホンをとった李相日監督(「悪人」「怒り」)が出席した。
ある出会いを経て、誘拐事件の“被害女児”と“加害者”となってしまった当時10歳の少女・更紗と19歳の大学生・文が、それぞれ烙印を背負いながら15年後に再会を果たすが……。広瀬と松坂が成長したふたりを演じるほか、横浜が更紗の現在の恋人、多部が心の傷を抱える文に寄り添う看護師に扮している。李監督にとっては6年ぶりの作品で、「何より広瀬すずの代表作を撮らねばという思いだった」と強い思い入れを示した。
「怒り」に続き、李監督と再タッグを組んだ広瀬は「映画を撮る、演技をすることを初めて知った現場。当時の私にはあれが限界で、全部出し切った」と振り返り、「この6年で価値観や感覚、いろんなものがだいぶ変わった」。それでも複雑な役どころに「どうしたらいいかわからないと相談したら、李監督から『それじゃ、この映画はダメだね』と言われて」と撮影前のやり取りを明かした。
広瀬同様、これまで経験のない難役に挑んだ松坂は「僕史上、一番難しくて、掘っても掘っても答えが見つからなかった。霧の中でもがき、さまよう感覚だった」と述懐。支えになったのは、初タッグの李監督だったといい「寄り添うとかじゃなくて、同じ熱量と角度で李さんも一緒にさまよってくれた。今まで味わったことがない体験で、すごく救われた」と感謝の意。「どう受け止められるか怖いんですけど、しっかり見届けていただきたい」と作品をアピールした。
更紗と文が織りなす“切っても切れない関係性”にちなみ、自身にとっての宿命の存在を問われると、広瀬は「姉」と回答。姉で女優の広瀬アリスについて「姉妹であり、友だちであり、同業者。先輩でもあるので、不思議な距離感の姉妹ですよね」と語った。
一方、松坂は初主演作「ツナグ」で共演した樹木希林さんを挙げ、「撮影中、いろいろ言われましたし、番宣にまでついてきてくださった。そのときも『しゃべる前に、あーとか、えーと言わない』『同じ質問でも、相手が違うなら、同じ返しをしちゃダメ』と教えてくださって」と振り返った。同作で希林さんは祖母を演じており、「流浪の月」では娘の内田也哉子が母親を演じる“奇縁”もあり、「ゾクッとしました。ひと言では言い表せない、何とも言えない感情が巻き起こった」としみじみ語っていた。
横浜は「自分の中に大きな壁が立ちふさがり、チャレンジしかなかった」と振り返り、広瀬との距離を縮めるため、リハーサル室で広瀬に30分ほど膝枕してもらったと明かした。この話題に、松坂は多部を見つめながら、「僕ら膝枕、なかったですね」と苦笑い。多部は久しぶりの映画出演で「監督に緊張を伝えると『僕も6年ぶりなので』と言われ、その言葉がうれしかった」と話していた。
「流浪の月」は、5月13日から全国公開。「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影監督を担当するほか、美術の種田陽平・北川深幸、照明の中村裕樹、音響の白取貢、編集の今井剛ら李組常連の実力派が名を連ねている。
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