【コラム/細野真宏の試写室日記】「アンチャーテッド」は新たなトレジャーハントの人気シリーズ作品となるか?
2022年2月16日 08:00
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映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)(文/細野真宏)
このところ、ソニー配給作品の勢いが止まらない、という印象があります。
昨年12月の「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」から始まり、年明けからは既に“コロナ禍の日本において洋画最大のヒット”を記録している、1月7日(金)公開の「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」を皮切りに、1月28日(金)に「バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」、2月4日(金)に「ゴーストバスターズ アフターライフ」と大作映画を立て続けに公開しています。
ただ、ここまではアメリカと同時公開ではなく、少しタイムラグがありました。
ところが、今週末2月18日(金)に公開される「アンチャーテッド」では、「日米同時公開」という形になったのです。
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これは、おそらく「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」のメガヒットが関係していると思います。
「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」は、“トム・ホランド版スパイダーマンの最終章”という扱いなので、世界的にトム・ホランドが旬になっています。
そして、共にソニー配給作品なので、主演トム・ホランドに注目が集まっているうちに、早く公開した方が良いという判断になったと思われます。
ただ、「日米同時公開」というのは、意外とハードルが高く(既に完成していて延期していた作品は除く)、宣伝素材などがギリギリまで到着しない、という苦労をよく耳にします。
そのため、物凄く少ない素材で何とか試行錯誤をしながら宣伝せざるを得ない、という状況になっている面もあるようです。
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ちなみに、この「アンチャーテッド」では、いわゆる通常の「マスコミ試写」はありませんでした。
ようやく公開1週間前に日本のスタッフが始めて見る、字幕版と吹替版の「初号試写」がソニー試写室で行われ、一部マスコミも見る、という感じだったようです。
つまり、基本的に「日米同時公開」というのは、宣伝期間を優先するか、公開時期を優先するか、といった難しい判断をしなくてはならないものなのです。
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では、ここからが本題です。
最初に結論から言うと、私はこの公開スケジュールで良かったのでは、と思っています。
それは、先ほども書いたように、トム・ホランドの“スパイダーマン後”を考えた時に、まず、ソニーは彼を世界的なスターにまで育てた実績があるわけです。
そのため、ベストな公開のタイミングは「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」と同時期に公開、ということになるのでしょうし、本作は相乗効果を得られる部類の作品だと感じました。
私は知らなかったのですが、この「アンチャーテッド」というのは、ソニーのプレイステーションのゲーム名で、世界中で4千万本を超える大ヒットシリーズのようです。
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分野は、いわゆるトレジャーハントもの。私は本作を見ながら、ディズニー映画の2005年公開作「ナショナル・トレジャー」を思い出していました。
“アクションと謎解きでお宝ゲット”的な構造で、私は「ナショナル・トレジャー」の時のように楽しめましたし、同じくらいのヒットが期待できると感じました。
ちなみに、「ナショナル・トレジャー」の日本での興行収入は20億6000万円となっています。
とは言え、今はコロナ禍の影響も確実にあるので、とりあえずは興行収入10億円でも十分すぎるヒットだと思いますが。
また、「ナショナル・トレジャー」は、主演のニコラス・ケイジの当たり役となって、2007年には続編「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」も作られました。
こちらはニコラス・ケイジ史上最大のヒット作となっていて、日本でも興行収入25億7500万円と、一作目以上にヒットしています。
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このように、「アンチャーテッド」も世界的にヒットしてシリーズ化、というのも十分にあり得ると思います。
トム・ホランドは、スパイダーマンを演じ始めた頃は「子供っぽい」イメージがありましたが、今は「青年」という印象。本作ではバーテンダーの手さばきや身のこなし方などが見事でした。
そして、何といってもスパイダーマンをやっていただけあって、アクションスターでもあるのだと改めて実感しました。
本作は意外とスケールが大きいので、「とにかく楽しむように見る」というのが唯一のアドバイスかもしれません。
強いて言うと、「冒頭のシーンは、どこにつながるのか?」という視点は持っていた方がいいのかもしれないです。
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それは、「時間」と「場所」が移動するからです。
ただ、「ヴェノム」「ゾンビランド」というソニーが誇るヒット作を生み出したルーベン・フライシャー監督作品なので、割と丁寧な作りにもなっていて、場所と時間軸がデカデカと表示されます。
それもあってか、珍しく字幕版と吹替版の違いを、それほど大きくは感じにくい面もありました。
とは言え、ファミリー映画というのも重要な位置づけなのか、今回の吹替版は攻めていて、場所と時間軸の表示は、英語より日本語で出ていた方がインパクトがありますし、スマホメールも日本語になっていた方が助かります。
こういう細かい配慮もキチンと出来ていたので、頭を空っぽにしてアクションと謎解きを楽しみたい、という時は、吹替版がいいでしょう。
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ちなみに、「ナショナル・トレジャー」は、Disney+(ディズニープラス)で全10話構成のドラマ版として今月から制作されていくようです。
「アンチャーテッド」公開もあり、再びトレジャーハント系の作品が世界的なブームになっていくような様相を呈しているのかもしれません。
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