「マヤの秘密」の監督は仲代達矢のファン 主演・製作ノオミ・ラパスとの裏話も
2022年1月27日 13:00

「ミレニアム」3部作、「プロメテウス」などのノオミ・ラパスが主演を務める「マヤの秘密」が、2月18日から公開される。「ベツレヘム 哀しみの凶弾」で注目され、本作のメガホンをとったユバル・アドラー監督が、プロデューサーも務めたラパスとのエピソードなどを語った。
1950年代、アメリカ郊外の街。ある日、街中で男の指笛を聞いたマヤ(ラパス)は、“ある悪夢”が蘇ってくる。ナチスの軍人だったその男から戦時中暴行を受けたマヤは、復讐心から男を誘拐し、夫・ルイス(クリス・メッシーナ)の手を借りて自宅の地下室へと監禁する。殺したい気持ちを抑えながら罪の自白を求めるマヤだが、男(ジョエル・キナマン)は人違いだと否定し続ける。

本作について、アドラー監督は「マヤというキャラクターを踏まえた上で、彼らがおかれたシチュエーションを見る作品だと思います」と説明し、「マヤと夫は抱えている背景が違います。マヤは古さが残るヨーロッパ女性で、大きな秘密を抱えています。対して夫は典型的な50年代のアメリカ男性でヨーロッパがたどった過酷な歴史とは無縁です。だからこの夫婦は過去の戦争についてもかなり違った反応を見せます。マヤの告白を聞いた夫が『私は知りたくない』というシーンが印象的で、私が気に入っているシーンの一つです」と語る。

脚本を気に入ったラパスはプロデューサーも務めており、アドラー監督は彼女から直接オファーを受けた。
「まず電話をくれて、『あなたにこれをやってもらいたい。あなたの他の作品を見たことがあるの』とオファーくれました。私を必要としている、と。ただ、私は別の映画を完成させたばかりでしたし、私は自分が書いた脚本で監督をしたい人間なので普段は他の方の脚本作品を受けることはありません。ノオミやジョエル(・キナマン)と仕事がしたいという思いもありましたが、他のプロジェクトで疲れ果ててもいましたし、他の自分の作品を書き上げたい気持ちもありました」
それでもオファーを受けたのは、ラパスの熱意が届いたからだという。「ノオミの勢いがすごくて、とてもノーとは言えませんでしたよ(笑)。彼女は1日に6回もメールをしてきたり、こんなアイデアがあるから話し合おう、やってみようって連絡をくれて、断れるわけがありません。もちろん私も断るつもりはありませんでした」と明かす。

また、アドラー監督は「日本映画の大ファン」だそうで、家には膨大な量のDVDや日本の作品を集めたコーナーもあるそう。その中でも特に好きな映画が小林正樹監督の「上意討ち 拝領妻始末」だ。
「小林正樹監督は素晴らしい巨匠です。また、俳優の仲代達矢さんのファンで、彼のことをみんなに知ってもらいたいくらいです。実は昔、仲代さんに会ったことがあります。映画のフォーラムで講演に来られていたんですが、彼に会ってとても興奮したのを覚えています。この作品以外にも『人間の條件』という(全部で)9時間にもおよぶ作品も見に行ったことがあり、小林監督は私のお気に入りの一人で、監督の作品は私にとってバイブルのようなものです。なので、日本には一度も行ったことないですが、ぜひ行ってみたいです」
「ベツレヘム 哀しみの凶弾」に続き、「マヤの秘密」でも確かな手腕を発揮したアドラー監督。「現在CIAについてのプロジェクトをHBOと一緒に進めています。国際的なスパイ活動や国家間の代理戦争、国際政治などに興味を持っていますが、それだけではなく一般的な夫妻についての脚本も書いています」と、今後の仕事についても言及した。
「マヤの秘密」は、2月18日に新宿武蔵野館ほか全国で順次公開。
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