「徳川セックス禁止令」「御用牙」…日本のエロスで年忘れ&初笑い 配信で見られる時代劇コメディポルノ5選
2021年12月30日 22:00
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忠臣蔵やNHK正月時代劇など、日本の年末年始の定番コンテンツは「時代劇」。歴史上の事件や偉人のドラマはもちろん、豪華な家屋セットや衣装などから、グローバル化した現代とはかけ離れた設定をタイムスリップ感覚で楽しめ、当時の日本の文化や生活様式を再発見できるジャンルです。テレビで見られるドラマでは飽き足らない大人のあなたに、映画における表現が今よりも大らかだった時代の、笑えるコメディ要素たっぷり、配信で見られるお色気時代劇5作を紹介します。
※紹介する作品はR18+指定で、今日の観点からすると不適切な表現も含まれます。こちらご理解の上ご鑑賞ください。また、配信が終了することもあります。2020年配信の映画.comニュース「【家族での鑑賞は推奨できないけれど】VODで見て、笑える昭和のコメディポルノ」記事より一部抜粋、改訂しています。
「トラック野郎」シリーズなどで知られる鈴木則文監督が、豪華なセットに名優陣を配したエンタメ感満載の一作。正妻の他に多くの側室を持ち、50人以上の子供を作ったことで有名な11代将軍・徳川家斉の娘のひとりと結婚した、九州のとある藩の大名、小倉忠輝が主人公。生真面目すぎて女性経験がなかった忠輝は姫との初夜に幻滅し、女嫌いに。しかし、側近が連れてきた謎のフランス人女性サンドラと一夜を過ごして開眼。民衆も含め、誰もが楽しんでいた性の喜びを知らなかったという嫉妬から、藩内での性行為を禁じる、という物語。
「温泉芸者」「女番長ブルース」シリーズでも活躍の杉本美樹さん(姫)と、エロスの黒船サンドラ・ジュリアンさんが、一糸まとわぬ姿でなぜか滝や花畑をバックに戯れるシーンは、「もしかしてあなたたち妖精ですか?」と目を疑うイリュージョンのよう。家老を演じる殿山泰司さん、私生活でも色男として知られた山城新伍さんのセクシーな役どころ、京唄子さん&鳳啓助さんによる漫才風掛け合いなど、芸達者なキャスト陣の見どころも満載。民衆が腰巻きで作った旗を持って“やらせろ一揆”を起こしたり、忠輝の忠臣の許嫁が艶めかしく諸肌を脱ぐ耽美な切腹シーンは必見です。
一方で、性に奔放だろうというステレオタイプなイメージで作られたフランス人女性の設定、当時の反キリスト教の拷問の描き方については、フランスから苦情が来るのではないかと心配です。他にも、現代ではアウトな設定もありますが、庶民に寄り添う作品を生み出してきた鈴木監督が、日本文化とエロスを笑いに昇華させ、自由を希求する人々を描いています。同時期に製作され、将軍家斉を主人公にした「エロ将軍と二十一人の愛妾」(72)も大爆笑できますので併せてどうぞ。
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小池一夫原作、神田たけ志作画による劇画を、勝新太郎が主演、独立プロダクション「勝プロ」で映画化。“かみそり半蔵”と異名を取る絶倫の北町奉行所同心・板見半蔵が、鍛えあげた性技を駆使しながら汚職や権力に抗い、体制の壁を突き崩す活躍を描く娯楽劇。
「座頭市」の三隅研次監督、「陸軍中野学校」の増村保造監督らがメガホンをとった全3シリーズで、筆者は尼寺を舞台にした、猟奇B級感のある第2作「御用牙 かみそり半蔵地獄責め」が気に入っています。しかし、全シリーズ通して、半蔵をはじめ、登場する男性陣の女性に対するセリフやコミュニケーションが、今で言うところのセクハラ、パワハラ、マッチョイズムのオンパレードなので、旧時代のフィクションだと理解して、「おいおい、それはないだろ……」と突っ込み反面教師にしながら、根底に流れる人情と勧善懲悪の物語を楽しみましょう。当時の日本映画界の大スター、勝新の堂々たる存在感、殺陣シーンやからくり仕掛けの屋敷など、本格時代劇ならではの作りこみは見逃せません。
そしてなんといっても、この作品の見どころは、半蔵が毎朝メリケンサックで巨大地蔵を次々と倒し、その後、自慢の“武器”を鍛錬するシーン。性差を笑いにするのは良いことではないですが、同様の器官を持たない女性はどうひっくり返ってもできないこと。ナルシシズムに溺れない半蔵のストイックさを感じると同時に、隠しておくべき場所をここまであからさまな陽性の笑いに持っていける少年漫画的珍発想に脱帽です。あんな米俵の使い方があるなんて。
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荒木一郎の小説「風流宿場女郎日記」を曽根中生監督がにっかつロマンポルノで映画化。江戸時代、純真無垢な女郎のお新の物語を軸に、当時の女郎たちと女衒、風俗を描く。脚本は田中陽造。
映画は貧農の村の娘たちが集められ、容姿だけで値付けされて遊郭に売られてしまうシーンから始まります。もちろん、現代ではあってはならないことですが、かつてはこういった人身売買が行われていました。本作は、片桐夕子さんが演じる、明るく天真爛漫なヒロインお新が、逆境をものともせずに生き抜く姿を、抱腹絶倒のドタバタ劇で描きます。
女衒の吉藤次から、肉体的資質を見出されたものの、実際の性体験のないお新は「好きなことをしてお金を貰える」という言葉を信じ、自分がどんな仕事をするかも知らず、遊郭できれいな着物を着て大喜び。店のおかみは、なじみの客にお新のデビューを依頼するが、「床に入れ」と言われたらすぐ眠る、食欲旺盛ゆえに「男はんのモノを食べる商売だ」と指導されれば、言葉通りに受け取り、客に大ケガを負わせるなど“天然ボケ”を連発し、いつまでも職場デビューできず皆を困らせます。様々な客とのエピソードで、動物が乱入したり、床が抜けたりなど、バスター・キートンやドリフターズを思わせるスラップスティックな笑いの連続。肝心のお色気は、店のお姉さんに手ほどきされるしっとりしたシーンが見どころ。吉藤次との純愛のくだりも心を打つ人情ドラマです。
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貧しい庶民生活から抜け出そうと、野望を胸に大奥へ潜入した男女を描く。脚本は鈴木清順、相米慎二作品なども手掛けた田中陽造、監督は「女番長」「極道の妻たち」シリーズの関本郁夫。
芸術か?わいせつか?で、物議を醸し、日本のエロスを世界に知らしめた「愛のコリーダ」(76)の定役の松田暎子さんが、「仁義なき戦い」の志賀勝さんと腐れ縁で結ばれたカップル、おこよと柳全(全次郎)を演じます。時は四代将軍・家綱の時代、河原者と呼ばれる身分だったふたり。おこよは遊び人の全次郎に愛想をつかし、奥女中へ。全次郎はある事件がきっかけで逃げ込んだ将軍の菩提寺で、住職と青年僧・法丹の男色を目撃し、法丹の弱みを握って柳全という僧になりすまし、城に出入りするようになります。
柳全はおこよと共謀したある闇計画のために、大奥の厠(トイレ)に潜むのですが、なんと柳全は、自分の頭上で用を足した、家綱の側室・初瀬に一目ぼれ。現代風に言うとポリアモリーというか、おこよとは戦友状態となり、初瀬に対して身分違いの恋心を募らせます。一方、柳全とおこよの闇計画で、家綱は初瀬との子を亡くし、ショックでEDに。能力回復のために、たくさんの女性たちが風呂の中で将軍を歓待する“大奥浮世風呂”が設置されます。そこで家綱に気に入られたおこよは懐妊、しかしおなかの子の本当の父親は……。身分の違いを打ち破るエロスの魔力、当時の格差社会から這い上がろうとする庶民のたくましさをコミカルに描いた傑作。どうぞラストでニヤリとしてください。
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大名屋敷のみを狙って盗みに入り、貧しい人達に盗品を施したとされるねずみ小僧の物語を、長谷川和彦の脚本、曽根中生監督が日活ロマンポルノでアレンジしたエロティックコメディ。
呉服問屋の丁稚として搾取されていた次郎吉が、やけを起こして夜這い強盗となるが、権力者の陰謀によって義賊ねずみ小僧としてまつりあげられたことから生まれる悲劇を、夜這い強盗のテクニックに女性が大喜びという、都合の良いファンタジーと笑いを交えて描く物語です。
コメディ度はそれほど高くないのですが、オープニングの訳ありシーンが、衝撃的なラストにつながる脚本と編集の面白さ、お色気シーンを美しくなまめかしく映すカメラワーク、サイレント映画風の表現など、さまざまな映画的手法を実験的に取り入れた映像が楽しめる作品です。「遠山の金さん」のパロディもあり、一風変わった時代物を見たい人におすすめです。
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