カンヌ国際映画祭で注目され、躍進した女性監督5人 モロッコの新星など
2021年7月15日 11:30

カサブランカのパン屋を舞台に女性たちの友情と連帯を描いた「モロッコ、彼女たちの朝」。第72回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品され、高い評価を受けた本作の公開の公開を記念し、近年同映画祭で注目を集め、世界的に成功を収めている女性監督5人を紹介する。
2018年、ケイト・ブランシェットら82名の女性が参加し映画業界のジェンダー平等を訴えたウィメンズマーチは記憶に新しい。現在開催中の第74回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションの女性監督作の比率は約29%となり、改善はまだ道半ばだが、才能ある女性監督たちに少しずつ光が当たるようになってきている。
「モロッコ、彼女たちの朝」(8月13日公開)で長編デビューを果たし、7月18日に41歳の誕生日を迎えるトゥザニ監督。女性監督として初めてアカデミー賞モロッコ代表に選出され、現在までにアメリカ、フランス、ドイツなど欧米を中心に続々と公開。日本でも初めて劇場公開されるモロッコの長編劇映画となった。

なお、同作に製作・共同脚本で参加した夫のナビール・アユーシュも、2021年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に最新作がノミネートされているカンヌ常連のベテラン監督。それぞれ作家性の高い作品を生み出す夫婦としても注目されている。
カニバリズムを少女の性の目覚めのメタファーとして描いた監督デビュー作「RAW 少女のめざめ」が、第69回カンヌ国際映画祭で批評家連盟賞を受賞。今年のカンヌ国際映画祭でも、最新作「TITANE(原題)」がコンペティション部門にノミネートされている。
セネガルを舞台に、移民問題を織り交ぜてティーンエイジャーの恋物語を描いた長編デビュー作「アトランティックス」が、第72回カンヌ国際映画祭で黒人女性監督の作品として初めてグランプリに輝いた。これまで、俳優、脚本家、ドキュメンタリー監督と多岐にわたる活躍をし、今年のカンヌ国際映画祭では、スパイク・リーらとともに審査員の一人に選ばれている。
監督デビュー作「スザンヌ、16歳」(8月21日公開)が、当時弱冠20歳にして第73回カンヌ国際映画祭プレミアセレクションに選出、話題を呼んだ。15歳の時に執筆した高校生のひと夏の恋物語を映画化し、自身で監督・脚本・主演を務めている。フランスの名優バンサン・ランドンとサンドリーヌ・キベルランの長女。
第72回カンヌ国際映画祭で、18世紀フランスを舞台に貴族の娘と女性画家の愛を描く「燃ゆる女の肖像」が脚本賞とクィア・パルムを受賞。2007年、長編デビュー作の「水の中のつぼみ」もカンヌ国際映画祭のある視点部門で話題を集め、そこから輝かしいキャリアを積んでいった。今年のカンヌ映画祭コンペティション部門に出品されているジャック・オーディアール監督「LES OLYMPIADES(原題)」に脚本家として参加している。
(C)Ali n' Productions - Les Films du Nouveau Monde - Artemis Productions
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