小野田寛郎さん描いた映画、カンヌで熱烈なスタンディングオベーション

2021年7月11日 11:00

カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で上映
カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で上映

カンヌ国際映画祭2日目に、「ある視点」部門のオープニングを飾るアルチュール・アラリ監督の6カ国共同製作映画「ONODA(原題)」が上映され、熱烈なスタンディングオベーションで迎えられた。

本作は、太平洋戦争の終戦後もフィリピン・ルバング島の森林で、終戦を信じられないまま30年間残り続けた小野田寛郎元陸軍少尉の実話を映画化したもの。フランス人のアラリ監督は、津田寛治遠藤雄弥イッセー尾形ら日本人キャストと日・仏など国際的スタッフの混成を指揮しながら、小野田少尉が島に派遣され、そこから驚くべき軌跡を辿る様子を、キャラクターの人間性に焦点を当てながら描く。

スクリーン・インターナショナル誌が、「小野田の日本軍への献身は戦争の愚かさと残虐さを浮き上がらせるものの、彼の揺るぎない信念はそれ自体が何かしら美しさをそなえている」と評するように、人間ドラマの側面が評価されている。

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翌日におこなわれた記者会見では、アラリ監督とスタッフに加え、コロナ対策の影響で渡仏が叶わなかった小野田役の津田と遠藤(若い時代に扮する)のふたりがリモートで参加した。津田は会場の様子をモニターで見て、「まるでカンヌに来ているみたいな気持ちになれて幸せです」と語り、遠藤も「画面越しにスタッフやみなさんに会えて嬉しい」と喜びの表情を見せた。

アラリ監督は、監督デビューを果たす以前に自身の父親から偶然小野田少尉のストーリーを聞いて、ずっと興味を持っていたこと、長い時間をかけた日本人俳優たちのキャスティングなどについて語り、「わたしは日本人ではないし、残念ながら小野田さんと会ったこともないので、実際どんな方だったかを知る由もない。だからフィクションとして自分の見方による小野田さん像を描こうと思いました。政治的なメッセージのある映画ではなく、人間ドラマとして普遍的なものにしたかった」と語った。

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津田は子ども時代にテレビで小野田さんの帰還を見ていたことに触れ、「演じるにあたって資料を読み、あの時代に大和魂を日本に持ち帰ってきた人だと知り、感動しました。だから誇りをなくさないように演じようと思いました」と語った。一方、遠藤は気合の入った役作りについて触れ、「11キロ痩せて撮影に臨んだら、監督から痩せすぎと言われて(笑)。僕がそんなに痩せたら、その後を演じる津田さんが大変になると。それでピーナッツバターや食パンを食べて体型を少し調整しました」と語った。

本作は、日本よりも早くフランスで今月21日に公開となる。監督のアプローチがどのような反響を得るか、興味深い(佐藤久理子)

(映画.com速報)

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