「グーニーズ」放送記念 ティーンエイジャーの成長を描いたおすすめ映画4選 【映画.comシネマStyle】
2021年6月11日 21:00
毎週テーマにそったおすすめ映画をご紹介する【映画.comシネマStyle】。本日6月11日にスティーブン・スピルバーグらが製作総指揮を務めた、ティーンエイジャー映画の傑作「グーニーズ」が、日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送されます。それを記念し、今週は「ティーンエイジャーの成長を描いた映画」を特集。編集部メンバーがチョイスした、おすすめ作品4本をご紹介します。(文:MOMO、佐藤レモナ、クチナシ、尾崎秋彦)
また5月28日の「スタンド・バイ・ミー」放送の際にも、ティーンエイジャーの活躍や冒険を描いた映画5本(https://note.com/eiga_com_style/n/n372c3c6cee56)をセレクトしておりますので、こちらもチェックしてみてください。
アメリカの人気テレビアニメを「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」「シティ・オブ・エンジェル」のブラッド・シルバーリング監督が実写映画化。寂しがり屋の少年ゴーストと、孤独な少女の心の交流を描いたファンタジック・コメディです。
製作総指揮にはスピルバーグが名を連ねており、そのクオリティは折り紙つき! 画面の中で縦横無尽に飛び回るゴーストたちを、ILMが2年以上を費やし、当時の最先端CG技術で作り上げた渾身作。20年近く前の映画ですが、ゴーストたちの生き生きとした表情や動きに、子どもはもちろん、大人もワクワクすること請け合いです。
子役時代のクリスティーナ・リッチが主演し、父親役でビル・プルマンが出演。さらに、意外なシーンでクリント・イーストウッドやメル・ギブソンら大物スターがカメオ出演しています。
心霊学者のジェームズ・ハーヴェイ博士は、ある古びた屋敷の除霊を依頼され、一人娘のキャットとともに屋敷へ引っ越す。そこには3人のゴーストと、“キャスパー”という少年ゴーストが住み着いていた。人間を屋敷に近づけまいと、3人のゴーストは嫌がらせに励むが、キャスパーはキャットと友達になりたいと願い、彼女の前に姿を現す。
子どもって怖いくせに“オバケ”が大好き。真っ白で透けてて、壁が通り抜けられて、宙に浮く“オバケ”は、とっても不思議で、子どもたちのドキドキとワクワクを刺激する存在です。気持ち悪かったり、怖いのは嫌だけど、かわいい子どものオバケなら友達になってもいいな。誰しも子どもの頃、そんなことを思ったはず。
本作に登場するキャスパーは、お目めがクリクリで、とっても優しい性格のキュートなオバケ。枕になってくれたり、朝ご飯を作ってくれたり、宙を飛んで夜の空中散歩に連れ出してくれたり! キャスパーがいれば、おどろおどろしい古びたお屋敷も、まるで遊園地みたいに楽しい場所に早変わり。この映画を見た晩は、オバケと友達になる素敵な夢が見られるかもしれません。
幻想の国が“虚無”に襲われ危機に瀕するというファンタジーと、現実世界でその物語を読む少年の姿を並行して描きます。
母を亡くして落ち込んでいたバスチアンは、いじめっ子に追いかけられて古本屋に逃げこむ。そこで「はてしない物語」という本を見つけたバスチアンは、学校の屋根裏部屋でその本を読み進めることに。一方、本の中では、おとぎの国のファンタージェンが“虚無”の侵略によって危機に瀕しており、アトレーユという少年が国を救うための旅に出る。
リマールが歌う主題歌やファルコンの存在は知っていましたが、ちゃんと作品を見たのは2019年のこと。“シークレット作品”としておすすめ映画を爆音で上映するイベントに行き、初めて本作を鑑賞しました(爆音で流れる主題歌は本当に最高でした!)。
バスチアンとアトレーユの心の成長を通して、“夢や希望”を持つことの大切さをストレートに教えてくれる展開は、大人になればなるほど刺さります。トラウマになりそうな悲しみの沼のシーンなど、語りたくなる要素があるところも魅力のひとつ。個人的には、屋根裏部屋で毛布をかぶりながら本を読むシチュエーションに今も憧れています。
歌手としても活躍するヘイリー・スタインフェルドが主演を務め、第74回ゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされた青春映画。主人公は17歳、誰もが通ってきた、もしくはいまから通るであろう、ハイティーンの恥ずかしい記憶を全部詰め込んだような痛くて愛しい作品です。
キスさえ未経験というイケてない毎日を送る17歳の高校生ネイディーンは、妄想だけが空まわりし、教師のブルーナーや情緒不安定な母親を困らせてばかりいた。唯一の親友であるクリスタが、人気者の兄ダリアンと恋に落ち、世界にたったひとりだけ取り残されたような疎外感を感じたネイディーンは、とんでもない行動に出てしまう。
なんとかクリスタとダリアンの交際を受け入れようとするネイディーンですが、クリスタに誘われてダリアンとのパーティデートに一緒に行っても、新しい友だちができるのはクリスタだけ。溶け込もうと必死なネイディーンの行動は裏目に出るばかりで……もう見ていられない……!
わざと下品な言葉を使ったり、生意気に振る舞ったり、大人を試すようなことをしたり、クリスタに自分か兄かを選ばせようとしたり、自信のなさから他人を見下したり、気になる男子にここにはとても書けないようなメッセージを誤送信したり。ネイディーンが感じるみじめさ、悲しさ、口は達者なのに本当の気持ちはうまく表現できないもどかしさは、程度は違っても17歳を経験した人なら、恥ずかしさで頭を抱えるくらい共感できると思います。
でも、彼女が気付いていないだけでそんななかにも救いはあるんです。それぞれの問題に直面しながらもネイディーンを気にかけている家族とクリスタ、ぎこちないけれど誠実に思いを寄せてくれている男子、生徒に興味がないように振る舞っていながらも実は面倒見がいい先生。当時は気が付けなかったけれど、思い返せば17歳の私にもそんな人たちがいました。
17歳はネイディーン(と私とほとんどの人類)にとって黒歴史かもしれないけれど、大切な感情を学んでいる時期でもあるはず。いま17歳を果敢に生き抜いているスウィートなモンスターたちに伝えたいのは、その複雑な気持ちを「大人になれば忘れられるよ」じゃなくて、「大人になっても忘れないでね」です。そして学生時代は人生の恥部だと思っているみなさん、この映画を見ると「まあ、あれはあれでよかったよね……!」くらいに思えるようになるので、オススメします。
国民的人気作品の劇場版、いわゆる“大長編ドラえもん”の第13作。「もしもあれがこうだったら」という“日常に潜むSF(少し不思議)”なイマジネーションから出発し、壮大な物語を紡いできた大長編ドラえもんだが、本作の舞台はブリキでできているブリキン島だ。
先にぶっちゃけておくと、本作はシリーズのなかでも、どちらかというと“まあまあ不人気”の部類だったりする。ストーリーはこうだ。
のび太のパパに不思議なトランクが届いた。開けると門が現れ、その先は一年中海水浴やスキーが楽しめる、ブリキのおもちゃだけが住むブリキン島。のび太とドラえもんは、島の“ブリキンホテル”で大歓迎を受けるが、やがてのび太はドラえもんとはぐれてしまう。いったん戻ってからジャイアン、スネ夫、しずかたちと再び島へ行くが、突然、ブリキの飛行機の大群による爆撃を受ける。大群はホテルを狙う“ロボット皇帝”ナポギストラーの軍隊であり、ドラえもんは彼らに捕まっていたのだった……。
もしも魔法が使えたらという「のび太の魔界大冒険」や、ロボット兵団たちとの死闘を描く「のび太と鉄人兵団」などと比較すると、あらすじは少々地味。しかし僕は、ほかのどんな作品よりもこの「ブリキの迷宮」を大切に思っている。
なぜかと言うと、大長編ドラえもんの象徴的なテーマ「ただの子どもが世界を救う。必要なのは、ほんのちょっとの勇気」が、特別に濃く織り込まれているように感じるからだ。ブリキの飛行機にめちゃくちゃに発砲され、ジャイアンはわけもわからぬまま手近にあったヤシの木で石コロを引っ叩き、ノックの要領で飛行機を次々と撃ち落としていく。ブリキンホテルの面々に助けを請われ、のび太は“困っている目の前の他人”のために行動を起こすと決意する。
僕が彼らと同じ年齢のとき、彼らのように生きられただろうか? いや、大人になった今だって、それはとても難しいことだと思う。星野源は楽曲「ドラえもん」で、「何者でもなくても世界を救おう」と歌った。練馬区の小学生たちがなけなしの勇気を振り絞り、命の危険を顧みずロボット皇帝に立ち向かう姿を見ると、いつだって僕の心にも勇気がわいてくるのだ。
で、もうひとつ本作が面白いのは、序盤のかなり早い段階で、ドラえもんが物語から退場する点。しばらくの間、のび太たちがほぼ独力で立ち回らなければならない、という珍しい展開を見せる。敵に捕まったドラえもんが拷問されるシーン(シリーズ屈指のトラウマシーンとして名高い)もあり、大人になった今見るとドキッとさせられる。物語にしれっと、ひとさじの劇薬を混ぜ込んだ藤子・F・不二雄先生は本当に偉大だなと感服した。
「ティーンエイジャーの成長を描いた映画」セレクト、いかがだったでしょうか。「グーニーズ」を楽しんだあとは、本記事を参考に、映画のなかの様々な青春時代と出合ってみてください。
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