「ブラックパンサー」チャドウィック・ボーズマンさん死去、43歳
2020年8月29日 14:29
[映画.com ニュース] 大ヒットマーベル映画「ブラックパンサー」のタイトルロールで知られる米俳優のチャドウィック・ボーズマンさんが8月28日(現地時間)、大腸がんのため死去した。43歳だった。
家族がTwitterに投稿した公式声明によると、ボーズマンさんは2016年にステージ3の大腸がんと診断されて以降、4年間にわたり闘病を続けたが、治療の甲斐なくステージ4へと進行。最期は家族が見守るなか、米ロサンゼルスの自宅で息をひきとったという。
アフリカ系アメリカ人として史上初めて合衆国最高裁判所の判事に任命されたサーグッド・マーシャルの若き日を描く伝記映画「マーシャル 法廷を変えた男」(17)や、ベトナム帰還兵を題材にしたスパイク・リー監督最新作「Da 5 Bloods(原題)」などの近作では、化学療法を含めた治療の合間をぬって撮影に臨んでいたようだ。
米サウスカロライナ州出身。ハワード大学卒業後、イギリスのブリティッシュ・アメリカン・ドラマ・アカデミーで演技を学ぶ。黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンの伝記映画「42 世界を変えた男」(13)の主演で注目を浴び、続く「ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男」(14)では“ソウルの帝王”ジェームス・ブラウン役を熱演。その後、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」(16)で、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)初の黒人ヒーロー、ブラックパンサーことティ・チャラ役に起用され、単独映画「ブラックパンサー」(18)が歴史的大ヒットを記録したことで、一躍スターダムに躍り出た。続く「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」(18)、「アベンジャーズ エンドゲーム」(19)にも同役で出演している。最新作は「アベンジャーズ」のルッソ兄弟がプロデューサーを務めるアクション映画「21 Bridges(原題)」。
突然の訃報を受け、Twitterには過去の共演者や関係者からの追悼コメントが殺到している。
キャプテン・アメリカ役でおなじみクリス・エバンスが、「あまりにもショックで、悲しくて、打ちのめされている。常にさらなる高みを目指して演技に情熱を注ぐチャドウィックは、真のアーティストであり、本当に特別な存在だった。彼の友情に心から感謝している。キングよ、安らかに眠れ」と綴ったのをはじめ、「会話を交わしたり、一緒に大笑いしたり、素敵な思い出があることに感謝。あなたのことは決して忘れない」(キャプテン・マーベル役:ブリー・ラーソン)、「ご家族とご友人たちに心からの祈りを捧げます。世界はとてつもない才能を失った」(スターロード役:クリス・プラット)、「君と一緒に仕事をして、君のことを知ることが出来たのは、この上ない光栄だった。俳優という職業に誇りを持って全てを捧げた君はまた、稀にみる寛大で誠実な男だった。どうか安らかに眠ってくれ。地上に残された僕たちみんなより愛を込めて」(ハルク役:マーク・ラファロ)など、MCUの仲間たちがこぞって哀悼の意を表している。
さらに、前米副大統領で民主党大統領候補のジョー・バイデン氏も「ブラックパンサーからジャッキー・ロビンソンまで、チャドウィック・ボーズマンは彼がスクリーンで演じたどの役柄をも超える大きな存在です。たとえスーパーヒーローであろうが、なりたいものには何にだってなれると、あらゆる世代の観客に証明してみせることで、勇気とインスピレーションを与えてくれたのですから」と偉大な功績に賛辞を贈るなど、業界を超えて広く愛されたボーズマンさんの早すぎる死に、世界は深い悲しみに包まれている。
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