熊本で全力投球! 19歳を迎える加藤清史郎が見据える未来
2020年7月31日 13:00

[映画.com ニュース]「アフロ田中」「アイスと雨音」の松居大悟監督が、熊本県の廃部寸前の高校ハンドボール部を描いたオリジナルの青春映画「#ハンド全力」が公開された。主演はお茶の間の人気者だった名子役時代から英国での高校留学を経て、俳優としてさらなる成長を遂げた加藤清史郎。8月に19歳の誕生日を控え、今作で7年ぶりに長編映画の主演を務めた加藤に話を聞いた。

無気力な毎日を送っていた熊本の高校生・清田マサオ。ある日、マサオは震災で離ればなれになってしまった親友と仮設住宅前でハンドボールをしていた写真をSNSにアップすると、その投稿に反響が寄せられるようになる。マサオと、同級生の岡本はSNSを盛り上げることだけが目的で、廃部寸前の男子ハンドボール部の再建に向け奔走する。
「松居監督にお会いして話を聞き、ありがたく主演をやらせていただくことになりました。普通のスポーツものではなく、震災の話や現代ならではのSNSの要素も入っていて、すごく素敵な作品になるのではと思いました」と作品への期待を膨らませて、撮影に臨んだ。
熊本県でオールロケ、被災地のその後も描かれていることから、「仮設で暮らしている方に、何かお話を聞きたいと思っていた」というが、「実際に行ったら聞こうと思わなかったんです。それが熊本の皆さんの明るさや強さなのかもしれないですが『今を生きている』っていうのを口に出すのではなく、力強く一歩一歩踏んでいっているのを感じました。だからこそ、僕が演じるマサオのクサり方を見て、もっと頑張れよ、ちゃんとしろよ!って思いました」と振り返る。
そして「約3週間くらいいましたが、帰りたくないくらい大好きになりました。食べ物がおいしいですし、人は温かくて。その温かさが、この作品にすごく出ていると思うんです。学校の生徒や先生も現地の方ですし、仮設住宅のシーンで出てくる方のほとんどが、実際住んでいる方。そういう人たちの明るさや強さを感じることができました。またラーメンを食べたいですし、馬肉も食べたい。お酒が飲めるようになったら絶対にまた行きたいです!」と同地の魅力を語る。
醍醐虎汰朗、蒔田彩珠、芋生悠、佐藤緋美、坂東龍汰、鈴木福ら若手俳優が共演するほか、ふせえり、田口トモロヲ、仲野太賀、安達祐実らベテラン勢が脇を支える。とりわけ、年齢が近い俳優陣との仕事に刺激を受けたという。

「これまでは、年上の方とのお仕事がとても多かったので、今回何人もの同年代の方とお仕事するということが、すごく新鮮で。僕や福君のように、小さい頃から役者をやっている人もいれば、逆に3年とか5年目という人もたくさんいて、役者として同年代からもらえる刺激がありました。マサオの役は、共演者の一人ひとりと会話するシーンがあったので、そういう部分でも、同年代の方に役者魂をぶつけられて、ぶつけ返して、というのがすごく楽しい経験でした」
NHK大河ドラマやCMでお茶の間の人気者となった子役時代を経て、その後もドラマ、映画、舞台と活躍。2018年から今年3月まで仕事をセーブし英国ロンドンの高校へ留学した。「英語を話せるようになりたいと思ったきっかけが、(2013年に出演したミュージカル)『レ・ミゼラブル』の時のスタッフ陣がUKチームだったこと、ウエストエンドで舞台を見てみたいという気持ちがあったので、英国を選びました。何本もミュージカルを見ましたし、現地のドラマスクールに通った時期もありました。やっぱり日本とはいい意味でも悪い意味でも違って、その違いに気づけたのが成長だと思いますし、自分のレパートリーが広がったような気がします」と、自身の変化を確信している。

1歳で子役デビューし、すでに17年のキャリア。もちろん進路に迷うこともあったそうだが、俳優に絞ったのはある人物からの一言だったと明かす。「小さいころから役者か野球選手になりたいと思っていて、俳優に絞ったのは中学2年生の時です。ちょうど六本木歌舞伎で市川海老蔵さんと中村獅童さんさんとご一緒したのですが、そのときに海老蔵さんと将来の話をしたときに、『野球選手と迷ってるんです』と話したら、『何年芝居やってるんだ。13年サラリーマンやってたら、超ベテランだぞ。そのキャリアを捨ててまで、野球をやりたいのか?』と言われて、そうだなあって。確かに野球も好きだったのですが、“楽しい”の一心でやってきた役者の13年という年数を生かしてとんでもない役者になれたらいいな。もちろん楽しいことばかりじゃないとは思いますが、楽しみながらご飯をたべていけたら、それほど幸せなことはないな、と思ったのが中学2年生。その頃に留学も決めました」
今後目指すのは“幅の広い役者”だそう。「ドラマ、映画、舞台、声の仕事、いろんなジャンルでいろんな役をやれる俳優。この人こんな役もできるんだって、言われるような役者になりたい。だから、今いろんな役を演じてみたい」と目を輝かせる。

そしてもうすぐ19歳の誕生日を迎える。10代最後の年を迎えるにあたりこう語る。「ついこの間まで15歳だったんです。15になったときも、実感がなくて、よし、僕も盗んだバイクで走りだしたりするのかな、ってわくわくしながらも『15の夜』が訪れなかったのが、まだ最近のように思えるので(笑)。心の成長が追い付いていないんじゃないかというくらい、19歳になる実感がないです。だから、このタイミングで高校生という役をやったことに意味がある、実際に高校生の時に演じられたからこそマサオのリアルな葛藤を表現することができたかな、と。そういう意味でも、僕にとってもとてもいい経験をさせていただいた作品でした」
「最後の10代、何も変わらないのかもしれないし、もちろんいろいろ変わるんだと思うのですが、この一年も、楽しみながらいろいろなことに挑戦していきたい」と、未来へ思いを馳せた。
「#ハンド全力」は7月31日からシネ・リーブル池袋、イオンシネマほか全国公開、熊本では先行公開中。
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