のん×林遣都×大九明子監督 脳内に相談役が“爆誕”した女性を描く、綿矢りさ「私をくいとめて」映画化
2020年7月22日 07:00

[映画.com ニュース] 女優・のんが主演し、林遣都と初共演を果たす映画「私をくいとめて」が今冬公開されることがわかった。「勝手にふるえてろ」に続き、大九明子監督が再び芥川賞作家・綿矢りさ氏の著作を実写映画化。“脳内の相談役”とともにおひとりさまライフを満喫する31歳の女性と、年下男子の不器用な恋模様を描く。
30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子。彼女がひとりでも楽しく生活できている理由は、脳内に相談役「A」がいることだった。人間関係や身の振り方に迷った時は、もうひとりの自分「A」がいつも正しいアンサーをくれる。「A」と一緒に平和なおひとりさまライフがずっと続くと思っていたそんなある日、みつ子は年下の営業マン・多田くんに恋をしてしまう。彼と両思いだと信じるみつ子は、20代の頃のように勇気が出せない自分に戸惑いながらも、一歩前へ踏み出していく。

岩井俊二監督作「8日で死んだ怪獣の12日の物語」が控えるのんは、久々の恋に戸惑うみつ子を演じる。「一番胸を打たれたのは、この作品のテーマであり、みつ子が大切にしているおひとりさま。おひとりさまって、一つの生き方として結構普通になってきている気がします。脳内に相談役としてAの存在を作り出す事も、楽しく生きていけるならありだなって思える。世の中の幸せは多様化している、そんな風に感じました」と脚本の印象を明かす。
みつ子に恋心を抱く多田くん役を務めるのは、「護られなかった者たちへ」「恋する寄生虫」など話題作が待機する林。「大九監督の人間の弱い部分に寄り添った心理描写、苦しいシーンもどこか温かく微笑ましい空間に変えてしまう演出をもっと味わいたいと思いながら気付いたら撮影を終えていました」と振り返る。

「美人が婚活してみたら」「甘いお酒でうがい」など、女性の生き方や恋愛をめぐる物語を作り続けている大九監督は、「『私をくいとめて』は、綿矢文学の醍醐味である切れ味のいい言葉たちの間を、さまざまな色が漂い、ある時はスパークする。色に溢れた読書体験を終えた時には、この色と言葉をどう映像で描こうか、と考え始めていました。私、これ撮らなくちゃ。とすぐシナリオにして、プロデューサーに売り込んだ次第です」と映画化の経緯を明かす。
「蹴りたい背中」で第130回芥川賞を受賞し、「夢を与える」「憤死」などで知られる原作者・綿矢氏は、映画化の喜びを以下の通り語っている。

「映画化のお話を伺ったときは、大九監督の魔法によって、どれだけキャラクターが生き生きとよみがえるんだろう、とまず最初に思いました。以前に自著を映画化していただいたとき、主人公だけでなく、物語上のすべてのキャラクターたちが、本当に実在するようにリアルで、それでいてコミカルに描かれていたのが、驚いて忘れられなかったからです。本作は想像力のたくましい女性が主人公の話で、彼女はたくさんの人と関わることを無意識に恐れています。映画化の台本を読むと、彼女の実は色鮮やかな内面が、イイ味出してる周囲の人たちとのふれあいにより、より濃く輝いてるなと感じました。現実ではさりげなく過ぎていくけど、実は心は激しく動いている。こんな場面を、のんさんと林遣都さんという、最高の方々に演じていただけると思うと、もう喜びを隠せません」
「私をくいとめて」は、今冬に全国公開。
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