【50作記念】プロが選んだウッディ・アレン監督作品 1位はセリフが染みるあの名作
2020年6月29日 12:00
[映画.com ニュース] ウッディ・アレン監督の50本目の作品「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」の公開を記念して、映画関係者32人を対象に「ウッディ・アレン監督の好きな作品」のアンケート調査を行った。
最も支持を集めたのは、ニューヨークに生きる男女の出会いと別れをコミカルに描く「アニー・ホール」。アカデミー賞作品賞を受賞した大人の恋愛映画に「愛していても別れがくるのだと、いつ見ても切ない気持ちになる」「『私を会員にするようなクラブには、入りたくない』という名言が心にずっと残っています。初出はグルーチョ・マルクスですが、この言葉を知ったのは本作がきっかけ」などの意見が寄せられた。
売れっ子脚本家が現代から1920年代のパリへタイムスリップする「ミッドナイト・イン・パリ」は、2位にランクイン。「パリの映像表現の美しさもさることながら、主人公が過去と現在を行き来するストーリーが夢のなかのようでとても幻想的」「登場時間がかなり短かったものの、ダリ役のエイドリアン・ブロディがはまり役で面白かった」など、見どころの多い作品として票を集めた。
3位には、映画を愛する女性が、スクリーンから出てきた主役と恋に落ちる「カイロの紫のバラ」が入った。映画ファンであれば心に響くロマンティックな設定が人気を集めたほか、本作が生涯ベスト10に入るほど好きだという女性には「今いる現実か、どんな夢も叶う映画の世界か、決断を迫られるラストに胸が苦しくなります。そのビターな結末に絶望するか、それでも希望を見出すかは人それぞれなのかもしれません」と、ほろ苦さもはまったようだ。
アンケートではそのほか、アレン監督作品の魅力も募集した。「旬のキャスト陣、おしゃれなロケーション、ユーモアにあふれたロマンティックなストーリーなど、軽やかな展開の中でもしっかりと描かれる人生訓や現実の厳しさを教えてくれる」といった回答のほか、近年は性的虐待疑惑が報じられたことから、作品に対して「複雑です」といった意見も。
「アレン作品=七面倒臭い。その面倒臭さはもはや専売特許でもありますし、なぜか不快な気分にはならない。ただただ笑えるし、妙に泣ける。でも、映像をつぶさに見ていくと、映画への愛にあふれている。そのこだわりっぷりを見ていると、リアルでも面倒臭そうな人柄が伝わってくる。隣にはいてほしくないけれど、延々と双眼鏡で眺めていたい――そんな愛すべき七面倒臭そうな監督です」などと、人柄まで伝わる作風を魅力として押す声が多く集まった。
ウッディ・アレン監督の好きな作品ベスト5は、下記の通り。
1位:「アニー・ホール」
2位:「ミッドナイト・イン・パリ」
3位:「カイロの紫のバラ」
4位:「ブルージャスミン」
5位:「マンハッタン」、「ハンナとその姉妹」
最新作「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」から7月3日から全国公開。
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