マンハッタン
劇場公開日:1980年2月23日
解説
ウッディ・アレンが監督・脚本・主演を務め、大都会ニューヨークを舞台にモノクロ映像でつづった群像劇。マンハッタンのレストランで、いつものように会話に花を咲かせるテレビライターのアイザックと親友の学校教師エール。アイザックは42歳だが、17歳の学生トレーシーと同棲中だ。彼には2度の離婚歴があり、2番目の妻ジルが彼との生活を暴露した小説を書こうとしていることに頭を悩ませていた。一方、エールには結婚して12年になる妻がいるが、他の女性を好きになったとアイザックに打ち明ける。ある日、エールの浮気相手である雑誌記者メリーと出会ったアイザックは彼女と意気投合し、夜のマンハッタンを連れ立って散策するが……。メリーをダイアン・キートン、ジルをメリル・ストリープが演じた。
1979年製作/96分/アメリカ
原題:Manhattan
配給:ユナイト映画
スタッフ・キャスト
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2023年4月20日
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鑑賞方法:VOD
①『アニー・ホール』には及ばないが、相も変わらず自意識過剰なインテリを演じるウディ・アレンが様々なインテリ女性に翻弄されてアタフタする様が可笑しい。
②唯一彼女らと違う純情なティーンエイジャーのトレーシーを演じるマリエル・ヘミングウェイが可憐で印象的。(しかし今どうしてもいるんてわしょうね。まだ映画に出ているのかしら。)
③しかしまぁ登場人物たちのよく喋ること(トレーシー以外は)。
姦しいこと、この上なし(特に前半)。
でも『アニー・ホール』同様ウディ・アレン演じる男の中に自分を見る瞬間があるんで嫌いになれないんだよなァ。
2023年1月22日
Androidアプリから投稿
カラーじゃないのね?と思ったけれど、観始めると快適で、モノクロならではのカッコよさと味があった。
都会の軽い大人たちのドタバタ劇だけれど、楽しい会話とカッコいい映像で、さほど退屈はしない。
観進めるうちに、トレーシーがだんだん気になるようになる。この二人、年齢的に冗談としか思えない組み合わせなのだけれど、こんな設定も映画だから楽しめる
別れ話をされたときの涙が印象的。子供を作りたいような人だ、というセリフもなかなか言えるものじゃない。
彼女は聡明で愛情豊か。形にとらわれない柔軟性をもち、人をよく見て、心から人を愛することができる。(という設定のようだ)。自分に自信が持てなくて落ち着かず、くっついたり離れたりを繰り返す軽率な大人たちより、地に足がついている。
最後のシーンがすてき。トレーシーのすばらしい包容力。なんという余裕、おとなの対応。半年くらい我慢しなさいよ、と叱りつけてもいるし、すぐ会えますよ、と慰めてもいる。すてきな女性♡。
2022年11月18日
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鑑賞方法:DVD/BD
男ってバカだなぁと思ってみてたら、
最後は18才になった元カノがまともな事を言って
くれてスッキリした!
インテリも金持ちも関係ない、大事なのは心。
音楽やNYのビル街などの景色も綺麗だった。
2022年6月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
1979年4月米国公開
本作のテーマはNY賛歌です
「I♥NY」のロゴは誰でも知ってるでしょう
マグカップとか、Tシャツはニューヨーク土産の定番です
このロゴはニューヨーク州が1978年に始めた観光キャンペーンのロゴでした
70年代のNYといえば、現在からは想像できないほど荒廃していて、街は汚くゴミだらけで、強盗や暴動が頻発、犯罪件数はどんどん増えるばかり
しかも財政破綻の危機にあり、公務員の大量リストラが続いて改善の糸口もない状態だったのです
犯罪都市ニューヨークとか言われていました
アニー・ホールの公開から3ヵ月後の1977年7月には大停電が起きて、それがまる1日も続いたものだから略奪まで起きる始末
裕福な白人達は郊外や他都市に逃げ出して人口が減り始めたぐらいでした
本作の劇中で、コネチカット州に引っ越したいとかの台詞はそれです
これはなんとかしないとならないと、1978年の新年から生粋のニューヨークっ子ブロンクス生まれのエド・コッチ市長が就任して改革にのりだします
彼はベテランの下院議員だったのにそれを辞職して市長選に立候補して当選したのです
彼は1978年から89年まで3期にわたり市長を務め深刻な財政難に陥ったニューヨーク市の再建に尽力しました
急進的な改革が物議を醸すこともありましたが、
治安問題にも積極的に取り組んで犯罪が減少したほか、ホームレスやエイズ感染者の数が大幅に減少したのです
「I♥NY」の観光キャンペーンは1978年のバレンタインデーにスタートしました
ブロードウェイの俳優、歌手、ダンサーが次々に「アイラブニューヨーク」のテーマソングを歌うテレビCMが、全米とカナダで5週間放送さたのです
このキャンペーンは、今でも遠い日本の私達が知ってるぐらい、世界的な超大成功を収めます
世界中から旅行の問い合わせが急増して、「I♥NY」のロゴが入ったTシャツやマグカップなどのグッズも次々に発売されるようになったのです
こうなると面白いことに、ニューヨーカーの意識にもポジティブな変化が起きたのです
自分たちの街へのプライドと愛着が芽生え、平気でゴミが投げ捨てられていた街の通りは自然ときれいになって行ったのです
この「I♥NY」キャンペーンが、ニューヨーカーの意識改革を起こしたのです
本作の冒頭、ウディ・アレンはこう宣言するのです
「彼はNY を愛し偶像化していた」
「ロマンチックに考えていた」
「彼はマンハッタンに惚れていた」
「街の雑踏で育ったのだ」
「NY は美しい女であり、世慣れた男だった」
本作はその観光キャンペーンの一環のような映画なのだと思います
いわばNY 観光のプロモーション映画なのです
ウディ・アレンもブロンクス生まれの生粋のニューヨークっ子
誰よりもNYを愛していたのです
彼も自分の出来ることでNYを盛り立てたかったのです
あらすじはどうでもいい痴話話で内容なんかありません
ウディ・アレンの自虐ネタというだけで、そんなもの真剣に追いかけたってなんの意味もありません
主人公はウディ・アレンですらありません
ニューヨークそのものが、本当の主人公なのです
ニューヨークの街並み
その中の人びとの暮らし
そこでは、どんな人がどんな生活をして、どんな会話をして、どんな日常が繰り返されているのか
それが本当のテーマなのです
痴話話なんか、このニューヨークの日常を見せるためだけの仕掛けであるだけでどうでもいいことなのです
だからお話は果てしなくつまらないし、そんなもの付き合っていたってなんにも得ることはないのです
痴話話なんか話半分で受け流していいんです
観るべきものは、ニューヨークの光景です
摩天楼のスカイラインだけでなく、なんのことのない街角の光景、クラブの中、橋、通り、アパート、ニューヨーカーの暮らし振り
それが本作が本当に言いたい、観せたいものなのです
だから、全編ジョージ・ガーシュウィンの「Rhapsody In Blues」なのです
それもニューヨークフィルの演奏です
ガーシュイン自身、ニューヨークはブルックリンの生まれです
彼の音楽こそニューヨークの雰囲気を現しているからなのです
そしてその音楽に相応しい映像は白黒なのです
それゆえに全編モノクロで撮られているのです
冒頭にウディ・アレン自身がそれを語っているではありませんか
「彼にとって街は常に黒と白の存在であり、ガーシュインの曲だった」
The Crusadersという有名なジャズクロスオーバーのバンドがあります
彼等のアルバムに「Rhapsody And Blues」という1980年の作品があります
多分、本作にインスパイアされて制作されたアルバムだと思います
ぜひ合わせてお聴き下さい
ところで、なんで東京にこんな映画がないのでしょうか?
おかしいじゃないですか