本木雅弘×市川準監督「トキワ荘の青春」デジタルリマスター版、5月29日公開決定
2020年3月17日 12:00
[映画.com ニュース]市川準監督(「つぐみ」「トニー滝谷」)がメガホンをとり、本木雅弘が主演した映画「トキワ荘の青春」が、デジタルリマスター版として、5月29日から公開されることが決定。あわせて、「まじめだけど、ヘンだった。こっけいだけど、真剣だった。」というコピーを添えたメインビジュアルもお披露目された。
東京都豊島区にあった「トキワ荘」とは、“漫画の神様”手塚治虫が暮らし、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫といった漫画家たちが集った伝説のアパート。1996年に発表された本作は、市川監督が史実に基づき、フィクションとして創り上げた珠玉の青春映画となっている。
本木が演じたのは、「トキワ荘」の住人たちにとって兄貴的な存在だった寺田ヒロオ。そのほか、大森嘉之、阿部サダヲ、古田新太、生瀬勝久、鈴木卓爾、さとうこうじ、翁華栄、桃井かおり、きたろう、時任三郎、内田春菊、 安部聡子など、当時の演劇界、映画界のホープたちが出演。本木は、96年に制作された劇場パンフレットに「この映画は、時間が経てば経つほど光っていく映画ではないだろうか」とコメントを残している。
木造アパート「トキワ荘」には、手塚治虫(北村想)が住み、日夜、編集者たちが彼のもとに通い詰めていた。向かいの部屋に住む寺田ヒロオ(本木)は、その様子を眺めながら、こつこつと出版社への持ち込みを続けていた。やがてトキワ荘を去った手塚と入れ替わるように、若き漫画家の卵たちが次々に入居してくる。藤本弘/藤子・F・不二雄(阿部)、安孫子素雄/藤子不二雄A(鈴木)、石ノ森章太郎(さとう)、赤塚不二夫(大森)、森安直哉(古田)、鈴木伸一(生瀬)、そして近所に住むつのだじろう(翁)も「トキワ荘」に入り浸っていた。
「漫画少年」の投稿仲間だった彼らは、寺田を中心に“新漫画党”を結成。貧しい生活のなか、互いを励まし合い、漫画の未来について熱く語り合う日々が続く。そんなある日「漫画少年」の出版社・学童社が突如倒産。この出来事をきっかけに、「トキワ荘」の仲間たちの進む道も少しずつ変化していく。売れっ子になっていく者、漫画からアニメーションへの移行を決意する者、東京を去る者。そして、黙々と自分の描きたい漫画だけを追い求めているように見えた寺田の心にも、徐々に迷いが生まれてくる。時代の激しい変化とともに、漫画家の卵たちの青春の日々にも、終わりの気配が近づいていた。
「トキワ荘の青春」デジタルリマスター版は、5月29日から東京・テアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開。