古田新太×松坂桃李、“全員被害者・全員加害者”の物語「空白」で実写映画初共演!
2020年3月5日 12:00
[映画.com ニュース] 俳優の古田新太と松坂桃李が、吉田恵輔監督(「ヒメアノ~ル」「犬猿」「愛しのアイリーン」)がオリジナル脚本で挑む映画「空白」で実写映画初共演を果たしていることがわかった。企画は、「あゝ、荒野」「宮本から君へ」「新聞記者」といった話題作を発表し続けるスターサンズの河村光庸プロデューサー。2021年の全国公開を予定している。
本作は、現代における人と人のつながりや家族の絆、メディアの正体を浮き彫りにしながら、「何が本当なのか?」「誰が正義なのか?」など思わぬ方向に感情が増幅してしまう危険性をはらんだ現代社会を映し出す作品。登場人物たちは、愛と憎しみの果てに“全員被害者・全員加害者”の様相を呈し、一見沈鬱に見える題材をシニカルでブラックユーモアを交えた視点で描く。
全てのはじまりは、ある万引き未遂事件。スーパーの化粧品売り場で万引き現場を店主に見られ逃走した女子中学生が、国道に出た途端、乗用車とトラックに轢かれ死亡してしまった。女子中学生の父親である漁師・添田充(古田)は「娘が万引きをするわけがない」と信じ、疑念をエスカレートさせ、事故に関わった人々を追い詰める。一方、事故のきっかけを作ったスーパーの店主・青柳直人(松坂)、車ではねた女性ドライバーは、父親の圧力にも増して、加熱するワイドショー報道によって、混乱と自己否定に追い込まれていく。
「台風一家」以来、6年ぶりに映画主演を務める古田は「いつもふざけてばかりのおいらですが、ちょっと頑張って哀しいお父さんを演じられたらなと思います。社会の何かおかしいなというようなものの話のタネになるような作品になれば」と胸中を吐露。松坂とは、「パディントン」「パディントン2」の日本語吹き替え版でタッグを組んでいることから「桃李とは“パディントン”と“お父さん”なので、何の問題もありません」と語っている。
松坂は「タイトル通りの作品です。シンプルではありますが様々な解釈ができる、そんな映画になる気がします。撮り終えた時に『空白』という作品が自分にとってどんな答えをもたらす映画になるのか、それを問いかけながら撮影に臨みたいと思います」と意欲を示す。また、古田との実写初共演については「どんな作品においても圧倒的な存在感があり直球でも変化球でも受け止めて下さる方という印象です。そんな古田さんと今回、どんなキャッチボールができるのか楽しみでもあり、怖くもあります。自然と湧き起こる繊細な感情を丁寧に演じていきたいと思います」と話している。
「最近のゴシップニュースはまるで魔女狩りかと思わせる。人の不幸で飯を食い、ストレス発散で悪意のコメント。本当腐っている……と言いつつ自分自身も、それを楽しんでいる気もする。所詮、他人事みたいな想像力の無さがそうさせているのだろう」と打ち明ける吉田監督。「無感情、無関心の空白な世界。偉そうに世直しするつもりはない。皆様と一緒に少しだけ想像するきっかけになる作品を作れたら幸いです。素晴らしいキャスト、スタッフと共に空白な世界に何か色をつけれるよう努力します」とコメントを寄せている。
「空白」は、愛知県蒲郡市を中心に全編オールロケを敢行。3月下旬に撮入し、4月中旬にクランクアップを予定している。21年に公開予定。
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