【第92回アカデミー賞】「パラサイト」ポン・ジュノ監督の隣にいた通訳は何者?
2020年2月10日 19:00

[映画.com ニュース] 第92回アカデミー賞の作品賞に加え、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4冠を達成した「パラサイト 半地下の家族」。アジア映画初の快挙となり、ポン・ジュノ監督が自らの才能だけでなく、韓国映画界のパワーを世界に知らしめる結果となった。そんなポン監督の快進撃を支え続けた女性がいる。通訳のシャロン・チョイ(Sharon Choi)氏だ。
シャロン氏は、現在25歳。ソウルで通訳として働きながら、フィルムメーカーを目指している。第72回カンヌ国際映画祭でポン監督に帯同し、英語を話すインタビュアーとの対話の“橋渡し”をスムーズに行ってみせ、第77回ゴールデングローブ賞では受賞スピーチ時の通訳も担当。「“字幕”という高さ1インチにも満たない障壁を乗り越えれば、より多くの見事な映画に出合えます」という“言語の壁”を超えていく決意を示した、ポン監督の思いを聴衆に伝えてみせた。
シャロン氏が脚光を浴びる要因となったのは“シームレスな通訳”にある。「パラサイト 半地下の家族」が賞レースをにぎわせるたびに、シャロン氏はポン監督の隣に立ち、彼の言葉を世界に広げていくのだが、その光景に驚くはず。手にしたメモをほとんど使用せず、ポン監督が話し終わると思案する間もなく通訳を開始しているからだ。19年12月には、トーク番組「ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン」にポン監督とともに出席。そもそも同番組に、クリエイターが通訳を伴って出演するのはかなり珍しいこと。ここでも“シームレスな通訳”を披露してみせ、視聴者の心を鷲掴みにした。
アカデミー賞作品賞の発表時には、キャスト、スタッフとともに喜びを爆発させていたシャロン氏。SNS上には「私が今まで見てきたなかで、最高の通訳者。『パラサイト』クルーの言葉を上手く伝えてくれてありがとう」「彼女に名誉賞を授与することはできるのだろうか? このアワードシーズンでノックアウトされた!」といった称賛コメントがあふれかえり、ジャーナリストのピアーズ・モーガン氏は「シャロン・チョイは、今宵の陰のヒーロー。世界最高の通訳者だ」と絶賛している。
アカデミー賞のバックヤード取材では「彼女(シャロン氏)とアワード・シーズン過ごしてきましたが、いかがですか?」とポン監督に質問が投げかけられるひと幕も。ポン監督は「彼女がフィルムメーカーだということは、皆さんご存知なんですよね?」と前置きしながら、「大学で長編映画を作り始めていて、その脚本にとても興味があるんです」と今後の活躍に期待を寄せていた。
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