2019年の年間興収2611億円で過去最高を記録、若い世代がライブ感覚で映画鑑賞
2020年1月28日 19:00
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[映画.com ニュース]日本映画製作者連盟(映連)の新年記者発表が1月28日、都内ホテルで行われ、2019年の全国映画概況が明らかになった。映連の岡田裕介会長、松竹の迫本淳一社長、東宝の島谷能成社長、東映の多田憲之社長、KADOKAWAの井上伸一郎副社長が登壇した。
昨年の年間興行収入は2611億8000万円で前年比117.4%と、16年の興収2355億円を大幅に上回り、00年の興収発表以降最高の成績となった。内訳は邦画が1421億9200万円(前年比116.5%)、洋画が1189億8800万円(前年比118.4%)で、構成比は18年とほぼ同じ。年間の入場人員(観客動員)は1億9491万人で前年比115.2%となり、岡田会長は「映画業界の目標である年間2億人まであと一歩のところまできた」と笑顔を見せた。
邦画の興収1位は現在も上映中の「天気の子」の140億6000万円。2位は「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」(93億7000万円)、3位は「キングダム」(57億3000万円)、4位は「劇場版 ONE PIECE STAMPEDE」(55億5000万円)、そして5位は「映画ドラえもん のび太の月面探査記」(50億2000万円)と、上位5本が50億円以上を記録した。興収10億円以上は40本で、合計1047億8000万円。
洋画の興収1位は、昨年11月22日から公開されている「アナと雪の女王2」の興収127億9000万円。2位は「アラジン」(121億6000万円)、3位は「トイ・ストーリー4」(100億9000万円)、4位は「ライオン・キング」(66億7000万円)、そして5位は「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」(65億7000万円)が続き、上位4本をディズニー作品が占めた。興収10億円以上は25本で、合計961億円。
年間の公開本数は1278本で、前年比86本増となり7年連続で1000本を超え、過去最高を記録。そのうち邦画は689本で76本増、洋画は589本で10本増だった。全国のスクリーン数は22増の3583で、こちらも7年連続の増加。そのうちデジタル上映設備を備えている劇場は3518で全体の98.2%に上った。平均入場料金は1340円で前年比101.9%。これは昨年6月以降の値上げもあるが、IMAX、ドルビー、4D、MX4Dといった高額入場料金のシートが高稼働した影響もある。東宝の島谷社長は「昨年は消費税の増税や人件費の上昇などにより入場料金を値上げせざるを得なかったが、劇場設備の補修など再投資の原資にあてさせていただきたい」とした。
岡田会長は「邦画、洋画の大ヒット作が出たことが過去最高成績の一番の要因だが、シネマコンプレックスが誕生して20年経って、サービスが定着したことも大きいのではないか。良質な作品と鑑賞設備には高くてもお金を払ってくれる。若い世代にも抵抗感がなくなってきた」とし、「スマホ世代のライフスタイルの変化」も好成績につながった理由のひとつだと島谷社長も分析。また、映画館という同じ空間で一緒に楽しむ映画鑑賞が、若い世代には“ライブ”感覚で共有され、特別な体験として認知されだしたと各社社長は声を揃え、動画配信サービスとは共存共栄していきたいと見解を述べた。
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