ニューヨーク映画批評家協会賞発表 マーティン・スコセッシ監督「アイリッシュマン」が作品賞
2019年12月5日 19:06
(C)Netflix[映画.com ニュース] 第85回ニューヨーク映画批評家協会賞が12月4日(現地時間)に発表され、巨匠マーティン・スコセッシのNetflix映画「アイリッシュマン」が作品賞に選ばれた。本作は先頃、米ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞でも作品賞を受賞している。
スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロが9度目のタッグを組んだ「アイリッシュマン」は、第2次世界大戦後のアメリカ裏社会を生きた無法者たちの人生を、ひとりの殺し屋の目を通して描いている。伝説的マフィアのラッセル・バッファリーノに仕えた実在の殺し屋で、1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファをはじめ、多くの殺人事件に関与したとされるフランク・“アイリッシュマン”・シーランをデ・ニーロが演じ、ジミー・ホッファ役のアル・パチーノ、ラッセル・バッファリーノ役のジョー・ペシが豪華共演。過去に演じてきたキレやすい暴力的キャラクターとは真逆の、静かな凄みのあるバッファリーノを演じたペシは、助演男優賞を受賞した。
「グッド・タイム」「神様なんかくそくらえ」のジョシュ&ベニー・サフディ兄弟が、新作「Uncut Gems」で監督賞を受賞。「Uncut Gems」はニューヨークのダイヤモンド街を舞台に、ギャンブルによる借金返済を迫られた宝石店オーナーを描く犯罪コメディで、アダム・サンドラーが主人公を演じている。
また、アントニオ・バンデラスがペドロ・アルモドバル監督「Pain and Glory」で主演男優賞を受賞。アルモドバルの自伝的作品である同作は、心身ともに不調に陥った映画監督がエゴと孤独の狭間で揺れる心情を描く作品で、カンヌ国際映画祭でバンデラスが男優賞を受賞した。
主演女優賞は、ジョーダン・ピール監督「アス」のルピタ・ニョンゴが受賞。自分たちとそっくりの謎の存在につきまとわれる一家の恐怖を描いたスリラーで、過去のトラウマと向き合うことになる主人公をニョンゴが演じた。
第85回ニューヨーク映画批評家協会賞の受賞結果は、以下の通り。
「アイリッシュマン」
▽監督賞
ジョシュ・サフディ、ベニー・サフディ「Uncut Gems」
▽初監督作品賞
「アトランティックス」マティ・ディオップ
▽主演男優賞
アントニオ・バンデラス「Pain and Glory」
▽主演女優賞
ルピタ・ニョンゴ「アス」
▽助演男優賞
ジョー・ペシ「アイリッシュマン」
▽助演女優賞
ローラ・ダーン「マリッジ・ストーリー」「Little Women」
▽脚本賞
クエンティン・タランティーノ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
▽撮影賞
「Portrait of a Lady on Fire」クレール・マトン
▽外国語映画賞
「パラサイト 半地下の家族」
▽ドキュメンタリー賞
「Honeyland」
▽アニメーション映画賞
「失くした体」
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