ジェームズ・ディーン、新作ベトナム映画にCGで復活 イライジャ・ウッド&クリス・エバンスが猛抗議
2019年11月21日 16:30

[映画.com ニュース] ベトナム戦争時代を舞台にした新作アクション映画「ファインディング・ジャック(原題)」に、夭折の人気俳優ジェームズ・ディーンがCGキャラクターとして出演することになったと、米ハリウッド・レポーターが報じている。
「エデンの東」をきっかけにスターとなったディーンは、「理由なき反抗」「ジャイアンツ」に出演するが、1955年に24歳の若さでこの世を去っている。
「ファインディング・ジャック(原題)」は、ギャレス・クロッカーの同名小説の映画化で、ベトナム戦争時代に見捨てられた1万匹ともいわれる軍用犬をめぐる物語。準主役ローガン役のキャスティングに難航した結果、ディーンをCGキャラクターとして登場させることにしたという。
製作のマジック・シティ・フィルムは、遺族からディーンの肖像権を獲得。カナダのVFX工房エンジンと、南アフリカのVFX工房MOIワールドワイドが、CGキャラクターとしてディーンを復活させるという。既存の映像や写真をもとに完全なCGキャラクターとして再現し、声は別の役者が担当することになるようだ。
Tati Golykhとともにメガホンをとるアントン・エルンスト(「その女諜報員アレックス」)は、「歴史上もっとも偉大な映画スターとしての彼のイメージを傷つけないように最大限の努力を払います」と誓う。今回の映画化に関して、有名人の知的財産管理を行うCMGワールドワイドのマーク・ロースラー最高経営責任者は、「これは他界してしまった多くのクライアントに新たな扉を開いてくれました」と歓迎。同社はディーンをはじめ、バート・レイノルズ、クリストファー・リーブス、ニール・アームストロング、イングリッド・バーグマンら1700人以上のクライアントを抱えている。
今回のニュースを受け、イライジャ・ウッドは「ダメだ。これはやっちゃいけない」とツイート。「キャプテン・アメリカ」シリーズのクリス・エバンスも「このままいけば、コンピューターにピカソの新作を描かせることができるかもしれない。あるいはジョン・レノンの新曲を生み出させることもできるかもしれない。芸術に対する理解の完璧な欠如は恥ずべき事だ」と同調している。
また、故ロビン・ウィリアムスの娘ゼルダ・ウィリアムスさんは、父親の肖像権を頑なに守ってきたことで知られている。それだけに「テクノロジーが発達すれば、この業界がここまで品位を落とすとわかっていた」とコメントしている。「宣伝行為かどうかはともかく、これは自分たちの影響力のために死人を操り人形のように使う行為であり、俳優業界の未来にひどい前例を作ることになります」と断じている。
「ファインディング・ジャック(原題)」は11月17日にプリプロダクションを開始。20年11月11日の復員軍人の日(Veterans Day)の劇場公開を目指しているという。
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