常盤貴子が語る、大林宣彦作品への愛と撮影現場
2019年11月4日 18:45
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[映画.com ニュース]第32回東京国際映画祭で、大林宣彦監督の「花筐/HANAGATAMI」が11月4日上映され、記者会見が開催された。大林監督は体調不良により欠席となり、本作に出演する常盤貴子が登壇。「Japan Now」部門プログラミング・アドバイザーの安藤紘一が進行役を務めた。
「野のなななのか」「花筐/HANAGATAMI」「Labyrinth of Cinema=海辺の映画館 キネマの玉手箱」と大林監督作品に出演し、今や大林監督作品に欠かせない存在となっている常盤。実は昔からずっと大林監督の大ファンだったという。「大河ドラマ『天地人』の撮影で長岡に行ったとき、偶然、大林監督も『この空の花 長岡花火物語』の撮影でいらっしゃっていて、そこで初めてお会いしました。それで、『私、大ファンなんです!』と告白したら、大林監督は『知ってたよ』って。デビューしたばかりのころに『キネマ旬報』のインタビューで『将来一緒に仕事をしてみたい監督』として名前を挙げたのを、読んでくださっていたんです」「大林監督の現場では、マネージャーは連れてきてはいけないと聞いていたので、20歳くらいのころから、一人で現場に行けるように練習していました。『野のなななのか』に出演させていただいた時は、大林監督の現場のイメージそのままだ!と感動しましたね」と大林監督と作品への愛を語った。
「花筐/HANAGATAMI」は、大林監督の長編デビュー作「HOUSE ハウス」(1977)よりも前から脚本が書かれていた作品で、「この空の花」「野のなななのか」に続く戦争3部作の最終章と位置付けられる。大学予科に通う青年たちの青春が戦争に飲み込まれていくさまが、佐賀県・唐津を舞台に描かれている。
本作が作品として完成に至ったのは、東日本大震災以降、「また、これから戦争が起こるかもしれない」という気配を、大林監督が感じたためだという。常盤は、大林監督のその思いを現場でひしひしと感じたと言い、「大林監督や、山田洋次監督、高畑勲監督など、その時代を知る人たちがそろって警鐘を鳴らしているということを、私たちも胸に留めなければいけませんね」とコメント。大林監督の反戦映画にかける思いは海を越えて共感を呼び、2週間ほど前に、日本・ポーランド国交樹立100周年としてポーランドで「花筐/HANAGATAMI」を上映した安藤は、第1次世界大戦・第2次世界大戦に親世代と自身が巻き込まれたポーランドの80代の女性たちから、「本当に良い映画ですね」と称賛の声を得たと語った。
“映像の魔術師”と呼ばれ、詩的な表現が特徴的である大林監督。会場から「監督の意図を把握しきれない状態で演じる時もあるかと思うが、どのように取り組んでいるのか」と問われると、常盤は「まず、台本を読んでも理解できなくて、『まいったな』という気持ちから始まります(笑)。それで、現場に入ると、セットが自分の想像と全く違っていて、『このセリフの言い方は、私の考えていたのと違うな』とそこで気が付くことも。ですから、もちろん準備もしますが、あまり考えすぎず、真っ白な状態で行くようにしています」とユーモアを交えて回答。大林監督もまた、俳優の演技や、その日の現場のコンディションによって台本や表現方法を頻繁に変更するといい、安藤は「互いに反応しあって作り上げていく、リフレクション(反射)のような現場」と締めくくった。
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