マッツ・ミケルセン「アダムズ・アップル」遂に劇場公開! ブラックユーモア満載の北欧人間ドラマ
2019年10月12日 13:00
[映画.com ニュース]俳優のマッツ・ミケルセンと脚本家アナス・トーマス・イェンセンがタッグを組んだ、ブラックユーモアたっぷりのヒューマンドラマ「アダムズ・アップル」が、10月19日に公開されることがわかった。北欧映画を紹介する「トーキョーノーザンライツフェスティバル2017」や「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション(R)2019」で注目を浴び、遂に劇場公開を迎える。
旧約聖書の「ヨブ記」「アダムの林檎」をモチーフに、風変わりな人々が草原の教会で繰り広げる人間模様を描く本作。人間のありとあらゆる暗黒面をえぐり出すダークなストーリーを軸に、罵声や銃弾が飛び交う過激なバイオレンス、場違いな笑いが巻き起こる不条理なユーモアが、見る者を奇妙な映像世界へと誘っていく。デンマークのアカデミー賞と呼ばれる2006年のロバート賞で作品賞、脚本賞、特殊効果・照明賞に輝いた。
仮釈放されたスキンヘッドの男アダムは、更生施設を兼ねた田舎の教会へ送り込まれる。指導役の聖職者イヴァンは快く迎え入れてくれるが、ネオナチ思想に染まっているアダムは、神も人の情けも信じていない。教会での目標を問われ、庭に根付いたリンゴの木を見て「でかいアップルケーキを焼く」と適当な返事をするが、やがてアダムのケーキ作りを妨害するかのように、奇怪な災厄が次々と降りかかっていく。
監督・脚本を務めたのは、「真夜中のゆりかご」「ダークタワー」の脚本を手掛けたイェンセン。「007 カジノ・ロワイヤル」「偽りなき者」で知られる“北欧の至宝”ミケルセンが、不都合な現実から逃避し神を妄信する牧師イヴァンを演じ、「悪童日記」のウルリッヒ・トムセンが、イヴァンの自己欺瞞を執拗に暴こうと迫るアダムに扮する。
あわせてお披露目された本編映像では、美しい田園風景とともに、アダムとイヴァンの出会いを活写。「ネオナチ」「悪党」を自称するアダムを、極端なポジティブ思考で諭すイヴァンのどこか噛み合わない会話が展開される。さらに、クレイジーな雰囲気を漂わせる2人の前科者、中東系移民カリドとメタボ男グナーも登場。教会が抱える違和感が、見る者の心に静かに、しかし着実に積み重なっていくような、不穏な映像となっている。
「アダムズ・アップル」は、10月19日から新宿シネマカリテほか全国で順次公開。