偽りなき者

ALLTIME BEST

劇場公開日:2025年11月14日

解説・あらすじ

「セレブレーション」「光のほうへ」で知られるデンマークの名匠トマス・ビンターベアが、「007 カジノ・ロワイヤル」「アフター・ウェディング」のマッツ・ミケルセンを主演に迎えたヒューマンドラマ。変質者の烙印を押された男が、自らの尊厳を守り抜くため苦闘する姿を描き、2012年・第65回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞ほか3冠に輝いた。

親友テオの娘クララの作り話がもとで変質者の烙印を押されたルーカスは、身の潔白を証明しようとするが誰も耳を傾けてくれず、仕事も親友もすべてを失ってしまう。周囲から向けられる侮蔑や憎悪の眼差しが日に日に増していくなか、それでもルーカスは無実を訴え続けるが……。

2012年製作/115分/R15+/デンマーク
原題または英題:Jagten
配給:シンカ
劇場公開日:2025年11月14日

その他の公開日:2013年3月16日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第86回 アカデミー賞(2014年)

ノミネート

外国語映画賞  

第71回 ゴールデングローブ賞(2014年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第65回 カンヌ国際映画祭(2012年)

受賞

コンペティション部門
男優賞 マッツ・ミケルセン

出品

コンペティション部門
出品作品 トマス・ビンターベア
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(C)2012 Zentropa Entertainments 19 ApS and Zentropa International Sweden.

映画レビュー

4.0 冤罪と集団心理の恐怖

2026年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

怖い

驚く

U-NEXTで鑑賞

こういう映画が観たかった!!
久しぶりに強烈なボディブローを受けたような衝撃だった。

テーマは非常に繊細で、扱いを間違えれば簡単に炎上しかねない題材。それでも本作は感情を煽るのではなく、「疑い」と「思い込み」の連鎖を丁寧に描いている。

物語の発端は、幼い少女クララの淡い恋心と、偶然重なった出来事から生まれた誤解だった。悪意のない言葉が、大人たちの先入観や誘導によって拡大し、やがて“事実”として固定されていく。この過程があまりにもリアルで、観ていて胸が締め付けられる。

特に恐ろしいのは、「子どもは嘘をつかない」という思い込みだ。誰もが少女の純粋さを信じる。その善意こそが、ひとりの人間を追い詰めていく。

観ながら強く感じたのは、“疑われる側の恐怖”である。
現代社会では、※誤解を避けるために様々な配慮をしている人も少なくない。些細な行動が誤って解釈される可能性を常に意識しながら生活している人もいるだろう。本作は、その背景にある不安を可視化している。

もちろん、子どもの保護は最優先されるべきである。しかし同時に、「疑い」が確定事項のように扱われる危うさも忘れてはならない。事実確認よりも感情が先行したとき、社会は簡単に暴走する。

本作はエンターテインメントでありながら、ある種の啓発的な側面も持っている。
人を守るための仕組みが、時に誰かを傷つける可能性もあるという現実。
その両面を突きつけるラストは、静かだが強烈だ。

※個人的に映画のような事にならないように注意している事。
・満員電車では両手をあげている。
・昇りのエスカレーターでは前の女性とは距離をあける。
・会社で女性社員から相談事を持ち掛けられた時には部屋のドアを解放する。
・夜にウォーキングする時には女性の後ろを歩かない、偶然コースが同じ場合はコースを変更する。
・スマホで風景写真を撮る時に女性がフレームに入る場合は諦める。
・他いろいろ・・・。
既に常識化している部分でもある。

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leo

3.5 【”増殖する根拠なき悪意。”今作は仲が良かった幼女が拗ねた際の戯言を信じ切った同僚や噂を信じた町の人々に心身共に追い込まれて行く男を描いた、心底恐ろしい社会派サスペンス作品である。】

2026年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

■妻、ナディアとの離婚と失業の苦しみを克服し、幼稚園教師の職を得たルーカス(マッツ・ミケルセン)は、穏やかな日々を過ごしていた。
 だがある日、幼い頃からの親友テオ(トマス・ボー・ラーセン)の娘クララの他愛無い嘘がきっかけで、周囲から変質者と思われてしまう。
 町の人たちがルーカスを見る目が変わり、彼は町の中で次第に孤立して行くのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作は、中盤までは観ていて心理的にきついし、テオに対する同僚や町の人達の”増殖する根拠なき悪意。”に、辟易するのであるが、ルーカスをマッツ・ミケルセンが演じている事と(もしかして、これも一種の思い込みかもしれない。)もし別の少し怪しい雰囲気の俳優が演じていたら、別の観方になったのかもしれない。
 マア、邦題がネタバレしているのだけれども・・。
ー 原題は"JAGTEN "だそうである。狩りとか追跡という意味らしい。ラストショットにも効いてくるね。-

・これは、穿ちすぎかもしれないが、こういう事って実際に起きているのではないかな、と思ったな。
 直ぐに思い出したのが、周防正行監督の『それでもボクはやっていない』である。痴漢冤罪を描いた作品であったが、この作品を切っ掛けとしてというわけではないが、大都会の通勤時に、サラリーマンが満員電車の中で常に両手が見えるように乗るようになったと、友人から聞いた記憶がある、

・とにかく、同僚の幼稚園の責任者の女性教諭の対応が酷いのである。”子供は純真無垢で、嘘をつかない。”という思い込みで、只管にルーカスの言い分を一切聞かずに出勤停止にする姿には、怒りより怖さを感じたね。
 ”子供は純真無垢で、嘘をつかない。”・・子供を育てた事があるのかな? 想像力が豊かな子ほど、悪意なき嘘をつくし、今作でも女の子は途中で発言を徐々に翻しているのにね。
 それにしても、救いはルーカスの息子、マルクスだろうな。彼が父親を頼って来なかったら、本当にルーカスは一人だもんな。幼稚園の同僚の女性も、ルーカスを疑って彼が家から追い出しているしね。

・スーパーの店長や肉売り場の店員の態度も酷いよね。けれども、ルーカスは屈しないのである。物凄く強い人だと思うし、それをマッツ・ミケルセンが力強く演じているんだよね。

・クリスマスの教会でのミサのシーンでのルーカスを演じたマッツ・ミケルセンが、且つて親友だった女の子の父親であるテオを見る眼は凄かったし、テオに殴りかかる時に”俺の眼を見ろ!”と涙を流しながら詰めよる姿には、鬼気迫るものがあったと思う。且つての親友だからだろうな。

・テオがその後、寝ている愛娘の部屋に行った時に彼女がテオに言った言葉。
 ”ルーカスは何も言っていない。私、何か悪い事を言った?”
 それを聞き、テオは涙を流し”世の中には、恐ろしい事があるんだよ。”と言い、そのまま台所へ行ってサンドイッチを作り妻の制止を振り切ってルーカスの家に行くシーンから、少し流れが変わるのだけれども、彼に家には石が投げ込まれ、愛犬は何者かに惨殺されるのである。

・一年後。彼の嫌疑は晴れているのだが、息子のマルクスが大人になった事で、ルーカスからライフルを贈られ、二人で山に猟に行くシーンも、驚きである。
 ヤレヤレ、と思っていたら突然、ルーカスの頭を銃弾が掠め、驚いた彼がその方向を見ると逆光の中、誰かが立っているのである。だが、もう一度カメラがその位置を映すと誰もいないのである。
 このシーンは、ルーカスのトラウマが見せた幻なのか、原題通り、未だ彼のことを“狩ろう”と思っている町の人なのかは、明かされないのである。

<今作は仲が良かった拗ねた幼女の戯言を信じ切った同僚や噂を信じた町の人々に、心身共に追い込まれて行く男を描いた心底恐ろしい社会派サスペンス作品なのである。>

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共感した! 8件)
NOBU

5.0 マッツ初鑑賞…よかった

2026年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

マッツ・ミケルセン生誕祭で、初めてマッツを知る。
抑圧された中年男の心情を、抑えた演技で的確に表現していたと思う。
引きこまれて、あっと言う間の2時間だった。

それにしてもひどい話である。いわゆるでっちあげ。
日本人が憧れてやまない人権大国の北欧の裏の顔をみたおもい。

西洋の人権とか博愛とか移民政策とか、一見すばらしいように思うけど、
日本人の想像をこえる奴隷制度、人種差別、極端な階級制度などの暗黒歴史の反省があることを見逃してはいけないと思ってしまった。

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うさぎさん

4.0 悪魔っ子クララと人間関係が濃厚な田舎町の恐ろしさ

2026年2月1日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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jin-inu