新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」宮崎駿がOK出した2つの条件
2019年9月30日 13:00

[映画.com ニュース] スタジオジブリの鈴木敏夫氏が9月30日、都内で行われた新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」(新橋演舞場12月公演)の製作発表会見に出席した。過去にはハリウッドから実写化オファーもあったといい「全部お断りしてきたし、歌舞伎にするという話も嫌がると思ったら、彼がやろうよと」と原作者である宮崎駿監督が今回OKを出した経緯を説明。「条件が2つあって、1つはタイトルを変えない。もう1つは記者会見はじめ、そのほかのことは協力しないって(笑)」と宮崎監督が示した条件を明かした。
宮崎監督が1982年に雑誌「アニメージュ」にて連載を開始し、大幅な脚色を加えた長編アニメ化を経て、足掛け13年をかけて完結させた「風の谷のナウシカ」。宮崎作品、また、スタジオジブリの関連作品が、歌舞伎として舞台化されるのは初めて。映画では描かれなかった全7巻に及ぶ壮大な原作を、昼の部・夜の部通しで完全上演。ナウシカを尾上菊之助、クシャナを中村七之助がそれぞれ演じる。
鈴木氏は「そばにいてわかるんですけど、彼(宮崎監督)にとっては一番大切な作品。本当に精魂こめて、思いもすべて詰め込んでいる。その後は、ナウシカの一部を切り取って作品にしたものが多い」といい、「5年前、歌舞伎にしようと考えた張本人の菊之助さんにも、ナウシカじゃなくて『もののけ姫』はどうですかと言ったくらい」と回想。現在は12月上演に向けた準備が着々と進み、「今回は原作の提供で、期待する立場。気が楽なんですけど、ぜひ、いい作品をつくってください」と期待を寄せた。
会見には鈴木氏に加えて、菊之助と七之助、演出を手がけるG2(新作歌舞伎「NARUTO ナルト」「舞台『ガラスの仮面』」)、松竹の安孫子正代表取締役副社長が出席した。鈴木氏の言葉を受けた菊之助は「武者震いしております」と背筋を伸ばし、「生みの苦しみを味わいながら、ジブリ作品に寄り添い、歌舞伎ファン、ジブリファン双方の皆さまにご納得いただけるよう、ラグビー日本代表ではありませんが、ワンフォーオール、オールフォーワンの精神で、一座が力を合わせて作り上げていく」と意気込みを語った。
「風の谷のナウシカ」にこだわった理由は「原作の壮大さと深いテーマ性」だといい、「エネルギー問題や環境問題といった現代的な題材が、古典歌舞伎になると、どう化学反応を示すか楽しみ」。ナウシカを演じることについては、「可憐さが課題。ナウシカの成長物語でもあるので、昼夜を通して、お客様にもお付き合いいただければ」と話していた。
新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」は12月6日~25日、東京・新橋演舞場で上演。脚本は「思い出のマーニー」「コクリコ坂から」「借りぐらしのアリエッティ」「ゲド戦記」「海がきこえる」に携わった丹羽圭子が担当する。
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