【パリ発コラム】ロカルノ出品「よこがお」深田晃司監督&筒井真理子 ゲストの立場から実感した海外映画祭の現場
2019年9月3日 16:00

毎年8月にスイスのマッジョーレ湖畔で開催されるロカルノ国際映画祭は、フランスの映画人も多く訪れるところだ。コンペティションは若手監督の登竜門と言われるが、今年「Vitalina Varela」で金豹賞と女優賞をダブル受賞したペドロ・コスタのように、尖った作家性を持ちつつ、大きな映画祭ではなかなか評価される機会に恵まれなかった監督に光を当てたりもする。日本映画とも縁が深く、最近では「ハッピーアワー」で主演女優4人が揃って女優賞に輝いた濱口竜介や、富田克也、真利子哲也など、若手世代が参戦している。
今年クロージング作品に選ばれた黒沢清監督作「旅のおわり世界のはじまり」と並んで、コンペティションに日本から入選したのが、深田晃司の「よこがお」。ロカルノにほぼ一週間滞在していた深田監督と主演の筒井真理子の両氏に、外からとはまた異なる、ゲストの立場から実感する海外映画祭の現場について語ってもらった。
「よこがお」は今年から新しく映画祭のアーティスティック・ディレクターに就任したリリ・アンスタン氏が太鼓判を押す作品だという。アンスタン氏は、「パーソナルで繊細で大胆で、ロカルノにふさわしい傑作だと思います。日本映画は溝口健二や成瀬巳喜男のように、なぜか伝統的に女性をうまく描く男性監督が多いですが、深田監督もそれを受け継いでいると思います。いったいどうしたらあんなに女性のことがよくわかるのか(笑)。稀有な才能を持った人材だと思います」と評価する。
また、今回審査員メンバーのひとりだった俳優ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート(「BPMビート・パー・ミニット」)は、登場人物が複雑にからみあった脚本の妙とともに、筒井の演技を絶賛していた。
最近は日本でも、作りたいものを作ろうとする独立独歩の若手監督たちは、まず海外を目指し、海外で評価されたことを後ろ盾に映画製作を続けようとするパターンが増えつつある。そのためには何が必要で、どんなことが大切なのか。今回をきっかけに、あらためてフレッシュな眼差しで日本映画をみつめる機会を得た気がする。(佐藤久理子)
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