「トイ・ストーリー4」でシリーズ完結? 「ウッディの冒険は終わった」と監督明言
2019年7月10日 12:00
[映画.com ニュース] おもちゃたちの冒険と、持ち主との友情を描く大人気シリーズ最新作「トイ・ストーリー4」で、初の長編メガホンをとったジョシュ・クーリー監督が来日し、取材に応じた。“完ぺきなエンディング”で世界中のファンを涙させた前作から9年。「ウッディには語るべきストーリーが残っている」という発想から生まれた本作は、“想像を超える結末”で新たな感動をもたらす傑作に仕上がった。
もちろん、本稿でどんな結末なのかは明かさないが、クーリー監督いわく「製作がスタートした段階では、違う結末が準備されていた」という。「ただ、当初のアイデアは、小さなアドベンチャーの延長という感じで、感情的な意味で物足りなかった。『トイ・ストーリー3』がすばらしい結末だったからこそ、本作をつくる理由と価値を見いだせる“重み”が必要だと感じたんだ」と経緯を振り返る。
「正直、最初は『こんな結末にしちゃって大丈夫かな?』と思ったよ。でも、議論を重ねるうちに、『これはやらないといけない』『こうあるべきだ』という結論に至った。ウッディの進化にとって、必要な結末になったと思うよ」(クーリー監督)
数々のピクサー作品でストーリーボードアーティストを担当し、「インサイド・ヘッド」では脚本にも参加したクーリー監督。当初は「トイ・ストーリー」の生みの親であるジョン・ラセターとの共同監督で「トイ・ストーリー4」を手がける予定だったが、その後、ラセターが離脱。長編デビュー作が「トイ・ストーリー」の最新作とは、プレッシャーも相当だったはずだ。
「もちろんさ。驚きもあったし、光栄にも思えた。ラセターから『すべてに疑問を持っていい』と言われたことが、救いだったね。つまり自分たちの発想が存分に発揮できるということだから。あらすじも結末もハッキリと見えていない状況だったけど、まさに自分が“当事者”なんだと実感したんだ。すばらしいチームで作品づくりができたし、あのときイエスと返事して本当に良かったと思うよ」(クーリー監督)
その言葉が真実であることは、映画を見れば一目瞭然。主人公のカウボーイ人形・ウッディをはじめ、相棒のバズ・ライトイヤー、シリーズに復帰したボー・ピープら旧知の仲間と、個性豊かな新キャラクターたちが、おもちゃとしての存在意義を模索しながら、友情を分かち合い、奇跡の冒険を繰り広げる「トイ・ストーリー」の神髄は、シリーズ最新作でさらなる進化を遂げた。繰り返しになるが、結末には大いに驚かされ、次の瞬間には胸を締めつけられるはずだ。
「今後の予定? まずは休暇を取るよ」と安どの表情を見せるクーリー監督に、率直に続編の可能性を問うと「第5弾はないよ! それでいいと思っている。ウッディの冒険は終わったんだ」とシリーズ完結を明言。「将来的にいいアイデアがあれば、別だけど……」と含みを残した。
ピクサー・アニメーション・スタジオの新作ラインナップに目を向けると、本作を最後に続編映画の予定はなし。2020年に、エルフの兄弟が冒険に出かけるファンタジー「オンワード(原題)」、そして人間の魂を題材した「ソウル(原題)」という2本の新作長編が控え、オリジナル路線に回帰する。「これまでのピクサーがそうだったように、これからも、誰も想像しなかったエキサイティングな物語を生み出してくれるはず。若い世代が台頭しているし、僕自身も休暇が終わったら(笑)、オリジナル企画の開発に取り組むつもりだよ」(クーリー監督)。ウッディの冒険は終わっても、ピクサーの冒険は永遠に続くのだ。
「トイ・ストーリー4」は、7月12日から全国で公開。
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