川栄李奈や二階堂ふみも恋に落ちた“日本酒映画”6選 「カンパイ!日本酒に恋した女たち」公開記念
2019年4月25日 14:30
[映画.com ニュース] 長らく女人禁制と言われてきた日本酒の世界に飛びこみ、活躍する女性たちの姿を描いた日本酒ドキュメンタリー映画「カンパイ!日本酒に恋した女たち」が、4月27日から東京のYEBISU GARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺パルコで封切られます。広島で100年以上続く酒蔵を継いだ杜氏(とうじ、酒造りの最高責任者)の今田美穂さん、大胆なフードペアリングで日本酒界に新たな旋風を巻き起こす日本酒バーのカリスマ店長・千葉麻里絵さん、そして日本酒の魅力を発信するニュージーランド出身の日本酒コンサルタント、レベッカ・ウィルソンライさんに迫る物語。本作の公開に合わせ、映画.comでは様々な味わいを持つ、日本酒をめぐる6つの映画を紹介します。
女優の川栄李奈が映画初主演を飾り、「日本3大銘醸地」の1つと称される広島・東広島市の西条で、酒造りや恋に奮闘する理系女子を演じた青春ドラマ。農業大学で醸造学を研究している橘詩織(川栄)はワイナリーでの研修を夢見ていたが、西条の老舗酒造で研修を受けることになる。やる気のない蔵元の息子・乃神完爾や、病に伏している蔵元、厳格な杜氏、米農家でもある蔵人(くらびと、杜氏の下で働く職人)である高宮美咲らのもとで実習を開始する詩織だったが、慣れない作業に失敗ばかり。そんな矢先、蔵元がこの世を去り、老舗の蔵は存続の危機に立たされてしまう。「劇団EXILE」の小野塚勇人が完爾役、故大杉漣さんが蔵元役で出演している。
西条でオールロケを行い、川栄が実際に体験した酒造りの工程がおさめられている本作。撮影中、川栄は共演した小市慢太郎、宮地真緒らによる“自主トレ”と称した飲み会にも参加していたという。日本酒の魅力とともに、酒造りがつなぐ人々のきずなを描いており、メガホンをとった瀬木直貴監督は「米と水が出合い、酒が生まれる。男と女が出会い、恋が生まれる。酒と恋はいずれも人知を超えた神様からの恵みともいえる深遠な世界。豊穣な自然が育んだ日本酒の世界を知り、劇場を出た後にちょいと飲みたくなる、そして、恋がしたくなる、そんな作品を目指したい」とコメントを残している。
監督・松尾スズキと主演・松田龍平が「恋の門」以来10年ぶりにタッグを組み、いがらしみきお氏の人気コミック「かむろば村へ」を実写映画化。お金アレルギーを患い、銀行を辞めた高見武晴(松田)は、お金を1円も使わない暮らしを求めて東北の寒村に移住する。そこで彼は、世話好きな村長と美人妻、自ら「神様」を名乗り人々から慕われる老人といった個性豊かな村人たちと出会う。タイトルの「ジヌ」は、東北地方の方言で「銭」「お金」のこと。松尾主宰の劇団「大人計画」の面々のほか、「夢売るふたり」の阿部サダヲと松たか子が再び夫婦役を演じ、二階堂ふみ、片桐はいり、荒川良々、西田敏行ら豪華キャストが結集している。
二階堂が演じるのは、高齢化率40%の過疎化が進んだ村に似つかわしくない、怪しげな女子高生・青葉。セーラー服から「農ガール」風の農作業着まで着こなし、天真爛漫な姿を見せている。劇中では制服姿の青葉が、ある理由から武晴に謝罪し、日本酒の一升瓶をプレゼントする場面が。「お詫びの印に日本酒、ここ米どころだから!」と言いながら上目遣いをしている、キュートな表情に注目だ。
日系アメリカ人であるエリック・シライ監督がメガホンをとり、石川・白山市で清酒「手取川」を醸す、明治3(1870)年創業の老舗酒蔵「吉田酒造店」に密着したドキュメンタリー。日本海側の厳しい寒さのなか、10月から翌年4月まで24時間体制で行われる、144年変わることなく受け継がれてきた酒造りや、半年にわたる蔵人たちの同居生活など、酒蔵がおくる“酒造りの四季”がおさめられている。米ニューヨークで行われた2015年のトライベッカ映画祭で、審査員特別新人監督賞に輝いている。
個性派俳優の濱田岳が、全編英語のセリフに挑んだ日米合作青春ロードムービー。創業300年の老舗酒蔵で働く青年ナオト(濱田)は、自分を振って帰国してしまった元恋人オリビアに会うため、単身アメリカへと渡る。ひょんなことから、日系アメリカ人の従兄弟セバスチャンと一緒に旅をすることになったナオトは、ひねくれ者のセバスチャンと時にぎくしゃくしながらも、次第に心を通わせていく。ロサンゼルスを拠点に活動し、岩井俊二監督作や紀里谷和明監督作にも参加した新鋭サキノジュンヤがメガホンをとった。
「サケボム(SAKE BOMB)」とは、日本酒とビールを混ぜて飲むという、アメリカで流行した日本酒カクテル。ウィスキーとビールを混ぜた韓国の「爆弾酒」と同じように、2種類の異なるアルコールが融合し、新次元のハーモニーを奏でる。飲み方は、ビール入りグラスの上に箸2本を渡し、日本酒が入ったお猪口をのせる。そして劇中にもあるように、「SAKE BOMB, SAKE BOMB, SAKE BOMB BOMB!」の掛け声に合わせてテーブルを叩き、お猪口をグラスの中に落とし飲み干していく。サキノ監督は「そういう日本人が知らない奇妙な日本文化がアメリカにはある。そこから東洋と西洋を混ぜて旅をするというインスピレーションを得た。『サケボム』はふだん交わらないような2人の化学反応の比ゆ。見た方が知らない世界に飛び込んでいく機会になれば」と、タイトルにこめた思いを明かしている。
石川・能登半島で、古来より日本酒を造り続けてきた技能集団「能登杜氏」にスポットを当てたドキュメンタリー。現在の吟醸酒の礎を築いた“能登杜氏四天王”と呼ばれる4人の有名杜氏をはじめ、弟子で現役トップと言われる2人の杜氏や若手杜氏への取材をもとに製作された。師匠から弟子に受け継がれていく技術と志、過酷な仕事と苦悩、初の女性杜氏の誕生など、日本が誇る伝統職人の知られざる世界が明かされていく。
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2012年に逝去した若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションが、若松監督の死から6年ぶりに再始動して製作した一作。1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。門脇むぎが主人公となる助監督の吉積めぐみを演じ、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」など若松監督作に出演してきた井浦新が、若き日の若松孝二役を務めた。そのほか、山本浩司が演じる足立正生、岡部尚が演じる沖島勲など、若松プロのメンバーである実在の映画人たちが多数登場する。監督は若松プロ出身で、「孤狼の血」「サニー 32」など話題作を送り出している白石和彌。
若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。 熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。 前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。