内田裕也さん、魂の“ロックンローラー” 79歳で人生を全う
2019年3月18日 15:35
[映画.com ニュース] ロック歌手の内田裕也さんが3月17日午前5時33分、肺炎のため都内の病院で亡くなった。79歳だった。社会や芸能界の“壁”に挑んだ魂のロックンローラーが、人生を全うした。
1939年11月17日生まれ。1959年に日劇ウエスタンカーニバルでデビューした後、“ロックンロール”を口癖に他方面で活躍した。60~70年代には映画界にも進出。俳優として大島渚監督作「戦場のメリークリスマス」やリドリー・スコット監督作「ブラック・レイン」などで存在感を見せ、「魚からダイオキシン!!」「エロティックな関係」では脚本・企画・出演も兼ねた。
91年には東京都知事選に出馬するなど、その“生き様”が常に世間の話題をさらってきた内田さん。晩年はケガや病気により体力が低下し、ライフワークだった毎年恒例の「ニューイヤーズワールドロックフェスティバル」にも車イスで登場していた。
昨年9月15日に最愛の妻・樹木希林さんが死去し、それでも同10月9日、都内で行われた映画「アンクル・ドリュー」ジャパンプレミアイベントに登壇。声を出すのもやっとという状態だったが、「家族に不幸もありまして、まだ日も経っていないので、ちょっと元気がないように思えますが、こういうときにこそ、映画のプロモーションに必ず出ますと約束した。ちゃんと出演するのが“ロックンロール魂”と思ってやって来ました」「この映画が面白いかどうかは、俺が保証します」と“裕也節”をかますなど、観客を大いに沸かせた。
さらにその5日後、毎年欠かさず参加していた京都国際映画祭にも登場。ドキュメンタリー「転がる魂・内田裕也 ザ・ノンフィクション」の上映後舞台挨拶に姿を見せ、万雷の拍手を受けながら「今日、監督と照れながら拝見し、日本では珍しいドキュメンタリーだと、手前味噌ですが感心いたしました」「今後のロックンロールライフに、とても大きなパワーになって繋がると確信しています」などと語った。声は出にくいようだったが、「1杯(酒を)飲んだら治ると思う」と言い放つなど、最後までロックンロール魂を貫いた。
所属事務所は追悼のコメントを発表。「内田裕也、2019年3月17日、5時33分、肺炎のため、永眠いたしました。この数年、闘病の日々でした。それでもユーモア、ウイットを忘れず、時には世の中を憂い、怒り、常に自分の出来る事を模索しておりました。多くの友人知人、家族に支えられて、Rock'n' Roll人生を全うすることが出来ました事をここに心よりお礼申し上げます」。
内田さんの長女・内田也哉子の夫で俳優の本木雅弘も、所属事務所を通じて追悼の意を表した。「仕事の予定がありロンドンに滞在中でした。訃報の連絡は妻から、英国時間で17日に日が変わった深夜に電話で知らされました。最後に会ったのは3月10日です。前日アメリカから帰国した長男(UTA)と次男を連れて病院へ見舞いに行きました。熱はありましたが、とても穏やかで、孫たちの話にもうれしそうにうなずき、現在放送中の私のCMについても『なかなかイイな』とほめてくれました。容体を見守る日々の中で、私も妻もどこかで覚悟はしておりました。時代を切り開いてきた業界の先駆者を失くしたということにおいても非常に残念ですが、岳父として、常に紳士的に接してくれたことに、ただただ感謝しかありません」。
葬儀は近親者のみの家族葬でとりおこなわれ、後日、お別れの会が実施される予定。
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