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「あの日のオルガン」平松恵美子監督が明かす、山田洋次監督から学んだこと

2019年2月20日 17:00

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「疎開保育園」の実話を映画化した
「疎開保育園」の実話を映画化した
(C)2018「あの日のオルガン」製作委員会

[映画.com ニュース] 太平洋戦争末期、若い保母(保育士)たちが戦時下で幼い園児たちの命を守るため集団で疎開した「疎開保育園」の実話を映画化した「あの日のオルガン」。メガホンをとった平松恵美子監督は、「小さいおうち」「母と暮せば」「家族はつらいよ」シリーズをはじめ、長年にわたり山田洋次監督の創作活動を共同脚本&助監督として支えてきた。そんな平松監督が、独自の演出方法や山田監督から受けた激励の言葉などを明かした。

1944年、太平洋戦争末期の東京。戸越保育所では、園児たちの安全を確保するため、保母たちが保育所の疎開を模索していた。ようやく受け入れ先として見つかった埼玉県の荒れ寺で疎開生活を開始した保母たちと園児たちは、日々噴出するさまざまな問題に直面しながらも、互いに励ましあいながら奮闘していく。戸田恵梨香大原櫻子が主演を務め、佐久間由衣三浦透子堀田真由福地桃子白石糸奥村佳恵が保母役で共演。田畑智子夏川結衣田中直樹(ココリコ)、橋爪功らが脇を固めている。

製作にあたり、山田監督に本作の内容を伝えたという平松監督は「『安っぽいお涙頂戴の映画にはするなよ』と言われました」と振り返る。山田監督のもとで培った経験は本作にも生かされているといい、「山田監督と一緒に戦争についての映画を3作も撮っていて、しかも実際の戦争を知っている方が監督で一緒に脚本を書くということは、私は何倍も勉強しないといけないので昔の文献もたくさん読み漁りました。そういうところの積み重ねは本作にも生きているのではないかなと思います」と話す。

劇中には、平松監督ならではの演出が冴え渡るシーンもあった。保母たちのリーダーとなる楓(戸田)が、空襲のあった東京から疎開保育園に戻ってきた場面では、戸田に向けて「歌舞伎を意識して」と演出したといい、その意図について「以前とある現場のシーンで、普通ならここで区切るべきじゃないところでセリフを区切ると、ぐらっとした感じが出るということを経験したので、そんな風になればいいなと思いました。つい言葉がつっかえてしまったような、気持ちの動揺を表してほしかったんです」と説明する。

「歌舞伎の世界でも、セリフの言い回しの際にこのような手法を使うときがあるからと戸田さんに言いました。本当にこの手法が使われているかどうかはわからないですけれどね(笑)。つまり、戸田さん自身を動揺させたかったという側面があったんです」。狙い通り、楓の心情がリアルに伝わってくる印象的な場面になっている。

平成が終わろうとしている今、“戦争”をベースとした作品を手がけたことについては、「『ひまわりと子犬の7日間』という映画を撮った時もそうでしたが、何回も繰り返し手を変え品を変え言い続けなくてはいけないことが、世の中にはいくつかあると思います。命の大切さや平和への思いというのは、何回テーマとして繰り返しても言い過ぎじゃないと思っています」と熱意を込め、「私が携わった作品でいうと『母べえ』『小さいおうち』。ほかにも『二十四の瞳』『ひめゆりの塔』など戦争をテーマとした名作はたくさんありますが、その時代時代のすてきな俳優さんたちがその声と体と表現力で現代へ伝えていくっていうことがとても大事だと感じています」と使命感をにじませた。

あの日のオルガン」は2月22日から全国公開。

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