石井裕也監督、最新作は「町田くんの世界」!少女漫画原作の映画化に挑戦
2019年1月16日 12:00

[映画.com ニュース] 日本映画界を牽引する石井裕也監督が、安藤ゆき氏の人気漫画を実写映画化する「町田くんの世界」のメガホンをとっていることがわかった。作品は既に完成しており、主演を含むキャストは後日発表予定。映画.comでは、少女漫画原作を初めて映画化するに至った境地を、石井監督に聞いた。
商業映画デビュー作「川の底からこんにちは」で第53回ブルーリボン賞の監督賞を史上最年少で受賞した石井監督は、オリジナル作品「あぜ道のダンディ」「ハラがコレなんで」をはじめ、「舟を編む」「ぼくたちの家族」「バンクーバーの朝日」「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」といった意欲作を手がけ続けてきた。そんななか今回は、「ちはやふる」3部作、「22年目の告白 私が殺人犯です」、最新作「AI 崩壊」など真摯な映画作りで知られる北島直明プロデューサーと初タッグを組む。
石井監督に「町田くんの世界」のオファーを受けた理由を聞いてみると、「少女漫画原作だからということに尽きるんじゃないかな」という予想外の答えが戻ってきた。「いま、流行っているじゃないですか。そのうちの何本かは拝見しましたし。そういうものをやってみたいという気持ちはありましたね。キラキラ映画というものの定義って誰もしていないでしょうし、誰もがまじめにとらえていないと思うんです。だからこそ、青春時代の苦悩に裏づけされた輝きみたいなものを、もう少しまじめにやってもいいんじゃないかなと思ったんです。いまの10代の人たちが喜ぶ少女漫画原作のキラキラ映画に反旗を翻すのではなく、その中で戦ってみたいという思いがあったんです」。
「別冊マーガレット」(集英社刊)で連載されていた原作の主人公は、勉強も運動も苦手なのに周囲の人間たちから愛される男子高校生・町田一。授業中にケガをして出向いた保健室で出会うのが、“人間嫌い”のクラスメイト・猪原奈々。この2人の不器用と形容するほかない恋愛を軸に、周囲を取り巻く個性的な人々が成長していく姿も描いている。

「本当は“壁ドン”がやりたかったんですよ。マジなやつ」と明かす石井監督。今作は王道的な少女漫画ではないが、「人を好きになるとか、この年になると軽く扱いがちですが、原作を読んでいると『飽きないのかな?』というくらい、ずーっとそれをやっているんですよ。でも、手あかが付きすぎて軽視しているものにこそ、本当に重要なことってあったりするじゃないですか。人を好きになるって本当に大切で、映画にすべきテーマだと思います。このテーマから逃げず、バカにせず、真正面から向き合うという作業ができるんじゃないかと感じたことが出発点だった気がします」と述懐する。
町田、猪原役はオーディションで選考し、書類での応募は1000通を超えたという。北島プロデューサーは、「期間的には2カ月くらいかかりました。監督の了承を取って、書類は役者本人の手書きで、この作品にかける意気込み、そして担当マネージャーが今後どのように育てていきたいのかを明記するということが絶対条件としました。それがなければ、必ず書類で落としますと。監督には、300人くらいに会ってもらいました」と熱く語る。そのうえで、今作を「『人を愛すること』は知っているのに、『好き』っていうことが分からない主人公・町田くんが、『好き』を学ぶ物語」と説明。そして「その過程で、恋愛を知っている“はず”の登場人物たちが、改めて『好き』を学ぶ物語でもあります。とにもかくにも、絶対に予想できないラストシーンを用意しましたので、エンディングを見て、皆さんの『好き』が見つかってくれたら嬉しいです。石井監督の才能が爆発しています!」と自信のほどをうかがわせた。
「町田くんの世界」は、6月7日から全国で公開。
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