エミリー・ブラント、躍進の裏にあったのは“吃音症の苦悩”と“演劇との出合い”
2019年1月6日 08:00

[映画.com ニュース] 1964年のミュージカル映画「メリー・ポピンズ」の約50年ぶりとなる続編「メリー・ポピンズ リターンズ」での演技が高評価を受け、エミリー・ブラントは第76回ゴールデングローブ賞主演女優賞(コメディ/ミュージカル)にノミネートされた。劇中では誰をも魅了する歌声を披露しているが、過去には吃音症に悩まされていたという辛い経験があったようだ。
「プラダを着た悪魔」で注目され、近年は「ガール・オン・ザ・トレイン」「クワイエット・プレイス」といった話題作への出演が相次ぐブラント。「私は幼い頃、『英国王のスピーチ』でコリン・ファースが演じたジョージ6世くらいの吃音症だったの。最もひどかった時期は12歳の頃で、当時はほとんど話さないようにしていたわ」と吃音症を理由に人との関わりを避けていたようだ。そんな彼女を変えるきっかけとなったのは“演劇との出合い”だった。
「学校の先生が演劇クラスに誘ってくれたの。それまで演技に全く興味はなかったけれど、面白い声や北部なまり、いつもと違うアクセントで話したらどう? と言ってくれた。それで誰かを演じるように違うアクセントで話したら、本当に流暢に話せるようになったの。そのことがきっかけで自分に自信がつき、人前でしゃべれるようになったわ」と演技をきっかけに吃音症を克服。その後、歌と演劇を学ぶ全寮制の学校に進学したブラント。そこで開花させた歌の才能は、レコード会社から歌手デビューのオファーを受けるほど。やがて、女優の道へと進みながらも「ナターシャの歌に」「イントゥ・ザ・ウッズ」出演時には、美しい歌声を披露してみせた。
「メリー・ポピンズ リターンズ」では、本格的な歌とダンスに挑んでいるブラント。お気に入りの楽曲は「The Place Where Lost Things Go」のようで「(同曲は)バンクス家の子どもたちのために歌うバラード。その曲はこの映画の中でメリー・ポピンズの最も穏やかで最も優しい部分を見ることができるのよ。彼女はとても変わり者で、かなり厳しくて激しいけれど、人がその瞬間に何を必要としているのかを認知して、それをあげることができる所がメリー・ポピンズの素晴らしい所なの」と説明。さらに「このシーンでは、子どもたちがとても傷ついていて、お母さんが恋しくてたまらないことを彼女は察して歌ってあげる。切ない楽曲だけど希望に満ちた穏やかなシーンで大好きなのよ」とコメントを寄せている。
ロブ・マーシャル監督がメガホンをとった「メリー・ポピンズ リターンズ」は、、前作「メリー・ポピンズ」から20年後を舞台にした物語。再びバンクス一家の前に現れた“ほぼ完璧な魔法使い”メリー・ポピンズ(ブラント)が巻き起こす奇跡を描き出す。19年2月1日から全国公開。

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