映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

アンナ・カリーナの新作ドキュメンタリーが完成 ゴダールとの日々、日本の思い出を語る

2018年10月23日 16:30

リンクをコピーしました。
ヌーベルバーグのミューズとして知られるアンナ・カリーナ
ヌーベルバーグのミューズとして知られるアンナ・カリーナ

[映画.com ニュース] フランスのロワール地方にあるラ・ロッシュ・シュル・ヨン国際映画祭で、ヌーベルバーグのミューズであり、元パートナー、ジャン=リュック・ゴダールとともに「女と男のいる舗道」「はなればなれに」「アルファヴィル」「気狂いピエロ」など、幾多の傑作を生み出した女優アンナ・カリーナの新作ドキュメンタリー「Anna Karina, Souviens-toi」が上映され、カリーナ本人がティーチインに立った。映画.comでは、この機会に特別インタビューを敢行した。

カリーナといえば、ゴダールはもとより、ジョージ・キューカールキノ・ビスコンティライナー・ベルナー・ファスビンダー、ジョナサン・ドゥミといった国際色豊かな監督たちと仕事をしているほか、9月に18年ぶりの来日を果たし、野宮真貴ら何人かのミュージシャンとともに「Festival Tandem」に出演したばかり。久々の日本への旅はいい思い出となったようで、短い滞在にも関わらず、快活にインタビューに答えてくれた。(佐藤久理子)

--まずはホットな日本の思い出から教えて頂けますか。18年ぶりの来日でコンサートをされたそうですが、どんな印象をお持ちですか。

「日本は以前からとても好きな国なの。お寿司も大好き(笑)。18年前に、ミュージシャンでわたしに曲を作ってくれたフィリップ・カトリーヌと一緒に日本に行ったとき、前列にお洒落な女の子たちがたくさん来ていたのを覚えている。だから日本の女性はなんてファッショナブルなのかしらと思ったけれど、今回もその印象は変わらなかったわ」

--日本のあなたのファンはもちろんヌーベルバーグ好きが多いとして、映画のなかのあなたのファッションをお手本にする女性ファンも少なくありません。ヌーベルバーグ初期のゴダールの映画はローバジェットで、撮影もとても早かったと思いますが、あなた自身でコスチュームを担当されることもあったのでしょうか。

「ええ、でももちろんすべてはジャン=リュックと一緒に選んだのよ(笑)。たとえば『気狂いピエロ』でわたしが赤を着ているのも、彼が赤がいいと言ったからなの。でもお金がないからなるべく安いものを探した。当時プリジュニックという安売りの量販店があって、ほとんどそこで買っていたわ(笑)」

--ゴダールに関しては逸話がたくさんあり、新作ドキュメンタリーにもそれが出てきますが、出会いの印象はどんなものでしたか。

「マニアックで、あのメガネのせいもあってちょっとビザールな感じがしたわ(笑)。彼はわたしの出ているコマーシャルを見て、『勝手にしやがれ』の小さな役のために連絡をしてきたんだけど、脱がないとだめだと言われたの。それでわたしはとんでもない!と、断った(笑)。当時まだ未成年だったし。そうしたら次にまた「小さな兵隊」のときに連絡があって。今度は脱がなくていい、政治的な映画だから、と言われてやることになったの」

--そこからゴダールとの黄金時代が開花したわけですね。

「でも、むしろミシェル・ドビルのお陰と言えるわ。というのもわたしは『小さな兵隊』のあとにドヴィルから『Ce soir ou jamais』(60)のオファーをもらったの。でも脚本を読んだジャン=リュックに、くだらない、やるなと言われた(笑)。でも歌って踊る役だったので、わたしはとてもやりたかった。子供のときからミュージカルに憧れていたから。それで彼の反対を押し切って出演したの。そうしたら後から映画を観にいったジャン=リュックが気に入って、わたしの演技をとても褒めてくれたの。そこから彼は『女は女である』のアイディアを思いついたのよ。この映画ではジャン=リュックと一緒にベルリン国際映画祭に行って、女優賞をもらった。とても思い出深いわ」

現在78歳とは思えないほど、生き生きと饒舌に語ってくれるカリーナ。まるで子供のような純真さをそなえた人だと感じさせられるが、ドゥニ・ベリー監督が作った新作ドキュメンタリーを見ると、そんな彼女に対するイメージに深みが加わる。子供時代からカリーナの半生をユニークな編集スタイルとともに追いかけた本作では、母親に愛されず、17歳で自立を目指してデンマークからパリにやってきたカリーナが、とても芯の強い女性であり、つねにポジティブに苦難に立ち向かってきた人だということを認識させられるのだ。さらに勉強家で、女優でメガホンを握ったほとんどパイオニアと言える人でもある。

--73年には、自ら監督、主演を兼ねた「Vivre ensemble」を制作されていますが、当時は女性監督も、まして女優が監督をするケースもとても珍しかったですね。制作は大変でしたか。

「自主制作よ。わたし以外のスタッフ、キャストに自前でお金を払ったの。わたしはそれまでにいろいろな監督と仕事をしたし、彼らのことも現場でよく観察していたから、自然に映画を作りたいと思うようになったの。パリとニューヨークで撮影をした。当時はニューヨークにも友だちがたくさんいて、長く滞在したこともあったから、ニューヨークなら撮ることができると思った。70年代初頭のニューヨークの、ヒッピー・ムーブメントの雰囲気を取り入れたかったの」

--現在、♯Metooムーブメントが話題になっていますが、あなたはどう思いますか。

「わたしのときとは時代が違うし、今の状況はよくわからないから何とも言えないわ。でも少し過敏というか、少なくとも成人した大人の女性があとになって訴えるケースというのは、どうかしらと思う。でも一概には言えないわね」

--あなたはこれまで小説も4冊出されていますが、自伝をお書きになるつもりはないですか。

「じつは今ちょっと書き始めているの。そのうち出したいと思っているわ」

フォトギャラリー

アンナ・カリーナ の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

aftersun アフターサン

aftersun アフターサン NEW

父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。

愛のぬくもり

愛のぬくもり NEW

「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。

HOW TO HAVE SEX

HOW TO HAVE SEX NEW

ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。

卍 リバース

卍 リバース NEW

文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。

痴人の愛 リバース

痴人の愛 リバース NEW

奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版

セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版 NEW

内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。

おすすめ情報

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る