カンヌ2冠「ビューティフル・デイ」本編映像公開!「レディオヘッド」メンバーが音楽担当
2018年5月9日 17:00
[映画.com ニュース] 「少年は残酷な弓を射る」のリン・ラムジー監督と「her 世界でひとつの彼女」「ザ・マスター」のホアキン・フェニックスが組み、2017年・第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞を受賞した「ビューティフル・デイ」の本編映像が、公開された。
行方不明者を捜索するプロフェッショナルで元軍人のジョー(フェニックス)が、怪しげな依頼を引き受けたことから窮地に陥るさまを、独自の映像表現とバイオレンス描写を絡めて描く。音楽を、人気バンド「レディオヘッド」のメンバーで、「ファントム・スレッド」でオスカー候補に選出されたジョニー・グリーンウッドが担当している。
映像では、フードを目深にかぶったジョーが、路地を歩いているといきなり男になぐりかかられ、あっという間に返り討ちにするさまが描かれる。その後、ジョーは何事もなかったかのようにタクシーに乗りこみ、空港に向かう。ガス・バン・サント監督新作「Don't Worry, He Won't Get Far on Foot(原題)」では四肢まひの漫画家、「Mary Magdalene(原題)」ではキリスト、さらにバットマンの宿敵・ジョーカー役も控える演技派フェニックスが、超然とした表情で異様な雰囲気を醸し出すジョーを怪演している。ラムジー監督の卓越した映像センスと、グリーンウッドの“間”が印象的な音楽が見る者をひきつける内容だ。
本作において、ラムジー監督には「映像が完成してから楽曲を作ることはしたくない」という意向があり、撮り終えた映像を少しずつグリーンウッドに送り、楽曲製作と映像の撮影・編集を同時進行で進める形をとったという。その結果、お互いがお互いの作業に影響を与え合うという密なコラボレーションが生まれたそうで、ラムジー監督は「音楽自体がこの作品のキャラクターの1人になっている」と語っている。
なお、ラムジー監督が楽曲製作を依頼した際、レディオヘッドはツアー中だったため、グリーンウッドは当初消極的だったが、このほど公開された本編映像を見ていたく気に入り、オファーの快諾に至ったという。
「ビューティフル・デイ」は、6月1日から全国公開。