デル・トロ監督の意志を次世代へ!「パシリム」続編監督&ボイエガが語る“進化点”
2018年4月12日 09:00
[映画.com ニュース] 人類と巨大生命体KAIJUの壮絶バトルを描くヒット作「パシフィック・リム」の続編「パシフィック・リム アップライジング」を手がけたスティーブン・S・デナイト監督、主演・製作を務めたジョン・ボイエガがそろって来日。日本の特撮番組で育ったというデナイト監督と、インタビュー前日に東京・お台場にある「THE GUNDAM BASE TOKYO」を訪れ、購入したばかりのプラモデルと共に「I'm in heaven! Surely!(俺は天国にいる。間違いない)」とInstagramに喜びの投稿を行ったボイエガ。共に“ガチオタク”な2人が、日本愛をパンパンに詰め込んだ本作について、目を輝かせて語った。
前作から10年後を舞台に、新たな進化を遂げたKAIJUと、巨大兵器イェーガーに乗り込む若きパイロットたちの戦いを描く本作。Netflixドラマ「デアデビル」のソリッドなアクション演出で多くの映画・ドラマファンをうならせたデナイト監督は、本作で水を得た魚のようにダイナミックなバトルシーンを構築。中でも、東京を舞台に複数のイェーガーとKAIJUが入り乱れる大乱闘シーンは、シリーズの新たな進化を高らかに告げるようだ。
デナイト監督は、「クライマックスの東京大決戦については、最初は自分なりのアイデアがあったんだが、『いや、それじゃちょっとつまらない』ということで、大きな東京の地図を広げて、ジョン(・ボイエガ)と2人で小さなフィギュアやおもちゃを色々並べたり、配置換えをしながらバトルのシーンを練り上げていったんだ!」と明かす。監督の隣では、ボイエガがインタビュールームに置かれていたKAIJUのフィギュアに興味津々の様子を見せており、当時の光景が目に浮かぶようだ。
そのボイエガは、デナイト監督から「インディ・ジョーンズとハン・ソロを混ぜたようなクラシックなヒーローであり、アンチヒーローであるという、そういったイメージで演じてくれ」とのリクエストを受け、前作でイドリス・エルバが扮したスタッカー・ペントコストの息子ジェイクをエネルギッシュに演じている。「スター・ウォーズ」シリーズや「デトロイト」など引っ張りだこだが、「ただ役者として雇われるだけではなく、実際に多くの過程に関わりながら作業を進めていけるという所にも惹(ひ)かれたんだ」と参加した意図を説明。「それに俺自身、普通だったら勝ち目がないような立場にいる弱者がなんとか成功していくという話が好きなんだよね。この作品は『ブラックパンサー』と同時期に公開だということも認識していたし、マーベルの大きな船に対して、俺たちみたいなオールで漕ぐような小さなボートでどう挑むか、自分としてはチャンスがたくさんあると思った。日本を舞台にぜひやってみたいという気持ちもあったから、製作もするということになったのさ」と笑顔を向ける。なお、全米では5週連続首位を記録した「ブラックパンサー」を本作が引きずり下ろして初登場1位を記録しており、ボイエガの挑戦は見事に実を結んだといえるだろう。
“次世代”がテーマの本作だが、ボイエガはイェーガーのコクピットに“初搭乗”した際を振り返り、「実際に油圧式の装置の中で撮影していて、重力も掛かっている状態の演技だった。イェーガーに対して、横からバシンと衝撃が来たときも、本当に重力がガーンと来ているんだ。あの状況下での撮影は2週間掛かったんだけど、(相棒役の)スコット・イーストウッドと一緒に、(イェーガーの)操作を行ったり、体を動かしながら演技と動作をやったよ。スーツを脱いだときの汗も本当に大変だった!」と目を大きく見開いて解説する。「外観に関しては、素晴らしいVFXが補ってくれた。そして、スティーブン(・S・デナイト監督)の本当に素晴らしいビジョンさ。ガンダムが戦うときのように、パンチを繰り出す姿を描くのがどれだけ大変だったか! ちゃんとロボットを動かせたのはすごいことだと思うよ」と“戦友”デナイト監督をたたえる。
デナイト監督が加わったことでシリーズに新風が吹き込まれたが、とりわけ大きな変化といえるのは、「昼」の戦闘が圧倒的に増えたことだろう。デナイト監督は、「夜の、しっとりと雨降りしきる濡れた感じの街の中や、水中で繰り広げられるKAIJUとのバトルは、(1作目の監督)ギレルモ・デル・トロ監督にしかできない。彼があそこまで素晴らしく極めてしまっているから、ビジュアル的にも1作目と差別化するために、何か新しいことをやりたかったんだ」とデル・トロ監督に敬意を示しつつ、新たな挑戦について言葉を紡ぐ。「そこで白昼堂々のバトルを考え出したんだが、それは技術的に――特に視覚効果班にとっては、とても大きなチャレンジだった。というのは、ごまかしが一切効かないから。背景の細かいところまでディテールをきっちりやらないと、太陽光の下ではバレてしまうんだ。そういったところに非常に気を遣ったし、大変な作業だったんだが、視覚効果を担当してくれた『ダブル・ネガティブ』が本当に素晴らしい仕事をしてくれたよ」と力強くうなずき、手ごたえを強調する。
シリーズの魂を受け継ぎ、新たな領域へと歩を進める。デナイト監督の本作における仕事ぶりは実に見事だが、ファンからすると、プロデューサーとして続投しているデル・トロ監督が“どこまで関わったのか”も気になるところ。デナイト監督は、「ギレルモ(・デル・トロ)は、自分の映画に移るギリギリまで、色々なアイデアを出してくれたよ」と証言。「劇中、シドニーにオブシディアン・フューリーという謎のイェーガーが登場して、イェーガー同士が戦うことになるが、あれも彼のアイデアだ。オブシディアン・フューリーは、当初はブラック・マリア、その後にブラック・マライアという名前だったんだが、実はマーベルの悪役で同じ名前のキャラクターがいて、権利上の問題で名前を変えざるを得なかったんだ」と裏話を披露した。
「パシフィック・リム アップライジング」は、4月13日から全国公開。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
年末年始にイッキミ推奨の“大絶品” NEW
【物語が超面白い】マフィアが地方に左遷され…そこで一般市民と犯罪組織を設立、大暴れ
提供:Paramount+
外道の歌 NEW
【鑑賞は自己責任で】強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…地上波では絶対に流せない“狂刺激作”
提供:DMM TV
ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い NEW
【全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作】あれもこれも登場…大満足の伝説的一作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
中毒性200%の特殊な“刺激”作
【人生の楽しみが一個、増えた】ほかでは絶対に味わえない“尖った映画”…期間限定で公開中
提供:ローソンエンタテインメント
【推しの子】 The Final Act
「ファンを失望させない?」製作者にガチ質問してきたら、想像以上の原作愛に圧倒された…
提供:東映
映画を500円で観る“裏ワザ”
【知って得する】「2000円は高い」というあなただけに…“超安くなる裏ワザ”こっそり教えます
提供:KDDI
モアナと伝説の海2
【モアナが歴代No.1の人が観てきた】神曲揃いで超刺さった!!超オススメだからぜひ、ぜひ観て!!
提供:ディズニー
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。