【第90回アカデミー賞】辻一弘氏がメイクアップ賞初受賞!日本人個人は25年ぶり快挙
2018年3月5日 10:27

[映画.com ニュース]第90回アカデミー賞の授賞式が3月4日(現地時間)、米ハリウッドのドルビー・シアターで行われ、「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」で特殊メイクを担当した日本人アーティスト・辻一弘氏が、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を初受賞した。日本人がオスカーを獲得したのは、2009年・第81回の滝田洋二郎監督作「おくりびと」と、加藤久仁生監督作「つみきのいえ」以来、約9年ぶり。個人としては1993年・第65回の「ドラキュラ」の故石岡瑛子さん以来、約25年ぶりの快挙となった(科学技術賞、名誉賞、特別賞を除く)。
名優ゲイリー・オールドマンがイギリスの政治家ウィンストン・チャーチルを演じ、首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる4週間を描いた歴史ドラマ。第75回ゴールデングローブ賞では最優秀主演男優賞(ドラマ)に輝いたほか、米メイクアップ・アーティスト&ヘア・スタイリスト組合賞では3冠を達成、今回のアカデミー賞では作品賞ほか6部門にノミネートされていた。
辻氏は10代から独学で特殊メイクを学び、大ヒットSF「メン・イン・ブラック」(1997)をきっかけに世界最高峰の舞台で活躍。2012年に映画業界から身を引いたが、今作主演のオールドマンから熱烈ラブコールを受け復帰し、開発と試作に約6カ月間を費やし特殊メイクのデザインを完成させ、オールドマンをチャーチルに変身させた。また「もしも昨日が選べたら」(06)、「マッド・ファット・ワイフ」(07)でアカデミー賞のメイクアップ賞に2年連続ノミネートされており、“3度目の正直”で初受賞をもぎ取った。今回は、辻氏の指導の下、撮影現場でオールドマンに特殊メイクを施したデビッド・マリノウスキーとルーシー・シビックもともに栄誉に輝いた。
授賞式で辻氏は「まずはゲイリー・オールドマンに感謝したいと思います。この素晴らしい旅をご一緒できて嬉しく思います。ゲイリーさんのおかげです。素晴らしい俳優でアーティスト、そして友人です」とスピーチ。そして、「キャストとスタッフは友人になることができました。最後に、アカデミーの皆さんありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。
「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」は、3月30日から全国公開。
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