「孤狼の血」ハードボイルドな本ポスター完成! 役所広司「男たちよ、劇場に来い!」
2018年2月23日 13:00
[映画.com ニュース]第69回日本推理作家協会賞を受賞した柚月裕子氏の小説を、白石和彌監督のメガホンで映画化する「孤狼の血」の本ポスタービジュアルが、このほどお披露目された。役所広司演じる刑事・大上のセリフ「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ」がキャッチコピーに使用されており、役所や松坂桃李ら主要キャストの“色気”が漂うハードボイルドな仕上がりだ。
暴対法成立以前の昭和63年の広島・呉を舞台にし、「警察小説×『仁義なき戦い』」と評された同名小説を映画化。捜査二課の新人・日岡秀一(松坂)は、やくざとの癒着が噂される刑事・大上章吾(役所)のもと、暴力団系列の金融会社社員失踪事件の捜査に参加。違法捜査も辞さない大上に戸惑いながらも、日岡は経験を積んでいく。やがて失踪事件を機に暴力団同士の抗争がぼっ発し、大上は大胆かつ強引な秘策に打って出る。
インパクト抜群の本ポスター解禁にあわせて、役所らが同作への意気込みを語るコメントも公開された。「汚れた世の中の歪みの象徴」と自身の役どころを説明した役所は「このご時世にこんな男臭い映画を作る。そこに東映の心意気を感じました。この映画が若い方々や女性たちにどう伝わるのかは分かりませんが、男なら誰しも、たとえ普段は大人しくても、本当は心の奥底に『暴れたい』という野性を眠らせていると思います」と熱弁。「かつて男たちはこうした映画を劇場で見ると、感化され、怒り肩で風を切るように街へ出て行ったものです。久々にそんな魅力を持った作品が誕生しました。だから『男たちよ、劇場に来い!』。そう願います」と思いの丈を述べている。
松坂は、自分なりの正義を抱える日岡、そして大上について「上司と部下というコンビは、徐々にバディであり師や父のような関係性へと変わっていき、それに伴って日岡の正義も形を変えていきます。男であれば、誰もが多かれ少なかれ大上の正義に憧れる瞬間があると思います。一方でルールに沿った日岡の正義は、現代の倫理観の表れなのかもしれません」と言及する。「劇場の暗闇で血湧き肉躍るたくさんの“悪い事”が起こります。『自分の正義を貫くとは?』それを観客へと問いかける、あっという間の約2時間です」とアピールしている。
尾谷組の若頭・一之瀬守孝として初のやくざ役に挑戦した江口洋介、クラブの美人ママ・高木里佳子を演じた真木よう子は「映画や資料を通じて、一般常識では計り知れない裏社会の常識や、力で力を制するという哲学を自分なりに学んで臨みました」(江口)、「ナンバーワンホステスとしての所作や喋りを身に付けなくてはと、自分なりに予習を積みました。周囲の男性たちからもメロメロになるという腕の掴み方などを教わりました(笑)」と役作りのこだわりを明かす。「昔のやくざ映画や警察映画とはまた違った、生々しい魅力を持った映画になりました」と語る江口は「白石監督にとって、東映にとって、そして僕ら俳優にとって、新たな名刺代わりの一本として皆さんに届けば嬉しいですね」と自信をみなぎらせている。
大上と旧知の仲である全日本祖國救済同盟代表・瀧井銀次役のピエール瀧は「この物語は話の裏側で『悪い人は悪いだけじゃない』し、『良い人も良いだけじゃない』ことを描いているので、実は画面に映っていない部分や行間に大事なことが隠れている感じがしました」と分析。「こういう激しい映画は出るのも見るのも好きです」と充実の表情を見せると、尾谷組としのぎを削る五十子会会長・五十子正平に扮した石橋蓮司は「やくざ役は久し振りでしたが、慣れた領分なので楽しくやらせてもらいました。敵対する尾谷組や警察を相手に、『どういじめてやろうか』、『どう説得してしまおうか』と策を練るのは五十子を演じる醍醐味でしたね」とコメントを寄せている。
「孤狼の血」は、5月12日から全国公開。