入江悠監督「ギャングース」を実写化! 高杉真宙&加藤諒&渡辺大知がトリプル主演
2018年1月19日 06:00
[映画.com ニュース] 「22年目の告白 私が殺人犯です」「ビジランテ」の入江悠監督が、「週刊モーニング」(小学館刊)で連載されていた漫画「ギャングース」を実写映画化することが決定した。今秋の公開となり、進境著しい若手俳優の高杉真宙、バラエティ番組でも活躍する加藤諒、ロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカル・渡辺大知がトリプル主演を務める。
2013年から2017年にかけて連載された「ギャングース」(漫画:肥谷圭介、ストーリー共同制作:鈴木大介)は、少年院で共に過ごしたサイケ、カズキ、タケオの3人が犯罪集団だけを狙って窃盗を繰り返す“タタキ”(窃盗、強盗)稼業を開始し、裏社会を生き抜くさまを描いたもの。鈴木氏が未成年の犯罪者への取材を経て執筆したノンフィクション書籍「家のない少年たち」(太田出版刊)を原案としており「この漫画は実話を基にしたフィクションです。ただし犯罪の手口はすべて実在しますので、ぜひ防犯に役立てて下さい」という冒頭に付された注意書きが象徴するように、裏社会の実態をリアルに描いた“超実証主義漫画”として知られている。
「プリンシパル 恋する私はヒロインですか?」(3月3日公開)、「世界でいちばん長い写真」(初夏公開)、「虹色デイズ」(7月公開)も控える高杉は、窃盗団の情報収集&作戦立案担当のサイケ役に挑む。原作を読んだ際に「今の日本でこの世界が存在するということに驚きました」とショックを隠せなかったようで「家がなく保険証もない、頼れる人がいない中で生きていく事をどこか遠い世界のように思っていた自分に疑問を持ち、今はどんな風に演技をしようかと悩んでいる状態です」と心境を明かした。だが役への思いは並々ならぬものがあるようで「ひたすら突き詰めてリアルに、とにかくリアルにしたいと思っています。この世界の一員になり、リアルをたくさんの人に伝えたいと思います」と語っている。
工具に関する秀でた見識を生かして“タタキ”をしながら生き別れた妹を追い求めるカズキを演じる加藤は、剃りこみ&モヒカン頭という個性的なルックで登場する模様。鈴木氏からカズキたちのモデルになった少年たちの話を聞き「全く違う世界の住人だと思ってた人達が、そうではなく、僕たちと同じ日常にいる方々なんだと強く感じました」と告白し「物作りが大好きな愛すべきカズキという男に血を通わせ、しっかりと演じられるように頑張ります」と意気込んでいる。「勝手にふるえてろ」の好演が記憶に新しい渡辺は、窃盗団の車両担当タケオ役。「原作・脚本を読んで、社会からはみ出した男たちのたくましく生きる姿に感動しました。彼らの愛や優しさが伝わるように、自分なりに精一杯楽しくやってやろうと思います」と思いの丈を述べている。
取材を通じて、未成年の犯罪者の現実を知り、彼らの背中に「泣いている子どもの影を見た」という鈴木氏は「けれども、ドロップアウトしなければ生きていけなかった彼らは、熱く輝く時間を過ごしていた」と述懐。「文字で書いても書いても、なかなか理解をしてもらえなかった彼らのリアルな青春を、入江さんのカメラを通して、描いてもらおうと思っています」と願いを込めると、肥谷氏も「漫画にはない『音』がある緊張感や空気感を想像すると、ドキドキワクワク…、ドキワク止みません」と期待感をにじませている。4年の歳月をかけて企画を実現させた入江監督は「社会の底で必死に生きる彼らの姿は、一寸先は闇なのにどこかキラキラ輝いて眩しく、そういう意味でこれは私にとって至上のキラキラ映画です」とコメントを寄せている。
「ギャングース」は、1月20日から千葉県木更津市にてクランクイン。関東近郊などでのロケーション撮影後、2月下旬にクランクアップを予定し、今秋に公開される。
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