クロエ・グレース・モレッツ「彼女が目覚めるその日まで」で“ひょう依”に到達
2017年12月1日 13:30
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[映画.com ニュース] 「キック・アス」シリーズや「イコライザー」で知られるクロエ・グレース・モレッツが、最新主演作「彼女が目覚めるその日まで」について、映画.comに語った。
ジャーナリストのスザンナ・キャハラン氏によるベストセラー回顧録「脳に棲む魔物」を、シャーリーズ・セロン製作で映画化。ニューヨークポスト紙で記者として働いていたスザンナ(モレッツ)は、当時は原因不明の病とされていた「抗NMDA受容体脳炎」に倒れてしまう。原因が判明せず、医者からも見放されるなか、スザンナは家族や恋人と共に病と戦っていく。
オファーが来た当時、「これこそ映画にするべきストーリーだと強く感じた」と出演を快諾したというモレッツは、「真実を忠実に再現した映画はなかなかないと思うの。だから参加することに意義があり、女優としてもやりがいのある役だった。実際に自分が演じる本人と話ができ、関係を築くことができるという機会はなかなかないから、思いっきり挑んでみたい役でもあったわ」と述懐する。
しかし、いざ挑んでみると「肉体的にも精神的にも重い役で、今までになく過酷だった。精神錯乱だったり、恐怖にさいなまれたり、狂ったり混乱したり、混濁したり、そんな極端な状態を演じなければならなかったから、(シーンごとの撮影が)終わった後に我に返って気持ちを落ち着かせることも必要だったの」と想像以上に困難の連続だったよう。実際に映画では、本人がひょう依したとしか思えないような強烈かつ生々しい演技で、幻覚や幻聴、強迫観念に悩まされ、自分を失っていくスザンナを体現しており、モレッツの苦労のあとが見て取れる。
それは裏返せば、史実を忠実に、当事者に敬意を払って演じきったということでもある。モレッツは、「1番意識して大事にしたことは、家族や、スザンナの当時恋人だったスティーヴンとの関係をどれだけリアリティをもって演じられるかということ。これは(ジェラルド・バレット)監督、私、プロデューサー全員が非常に意識していたことよ。女優としてしっくりくるとか、そういった感覚的なことではなくて、スザンナがどうしていたかという事実を追求していったわ」と語り、「難しい作品だったけれど、今までにないほど開かれた状態で演じることができたし、生々しいほどに役に没頭することができた。女優としていい経験がつめたと思っているわ」と充実感をのぞかせる。
本作に出演したことで、女優としてまた1つ階段を上ったモレッツ。特に大変だったシーンとして、「難しかったのは、スザンナの父親宅でのシーンね。叫び声をあげて、恐怖心にさいなまれて……。実際にあったことだから、忠実に再現することがかなりチャレンジングな場面だった。もう1つ相当きつくて印象に残っているのが、病院でのシーン。ベッドに縛り付けられるところでかなり疲れたし、崖から飛び降りる気分で臨んだシーンだった」と語りつつ、「ただ、充実感はあったわね」と締めくくった。
モレッツは今後も、「ベイビー・ドライバー」のアンセル・エルゴートと共演した「ノーベンバー・クリミナルズ(原題)」、名女優イザベル・ユペール、「イット・フォローズ」のマイカ・モンローと共演するニール・ジョーダン監督作「The Widow(原題)」、イタリアンホラー「サスペリア」のリメイクで、ダコタ・ジョンソン、ティルダ・スウィントンと共演する「Suspiria(原題)」など話題作が目白押し。本作での経験を糧(かて)に、さらなる飛躍を見せる姿に期待したい。
「彼女が目覚めるその日まで」は、「キングコング 髑髏島の巨神」のトーマス・マン、「マトリックス」シリーズでトリニティ役を演じたキャリー=アン・モス、「ホビット」シリーズで知られるリチャード・アーミテージ、「ゴーン・ガール」のタイラー・ペリー、「gifted ギフテッド」(公開中)のジェニー・スレイトらが脇を固める。12月16日から全国公開。
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